注文住宅の費用相場を徹底解説!坪数・費用に合わせた予算の決め方や内訳もご紹介

注文住宅の魅力は、何といっても自由なことです。デザインをはじめ、間取りや設備まで、住まいに好みを思う存分反映することができます。一方で、家族それぞれにこだわりや条件が異なるために、「相場」がわかりにくいことも事実です。

そのため、「どのように予算を決めればいいの?」と悩む人も多いのではないでしょうか。また、そもそも「何にいくらかかるのかわからない」という人も少なくないはずです。

そこで、この記事では、注文住宅の費用相場内訳について解説するとともに、費用ごとの家の特徴坪数別の実例を紹介します。さらに、予算や住宅ローンの決め方について、ファイナンシャルプランナーの齋藤周一さんからアドバイスを頂きました。注文住宅を建てる際に、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

監修者 齋藤 周一
斉藤商店 / ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーと知り合いになり、両親の相続を経て、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。
ライフプランの一環として、生活者目線で住宅関連に取り組み、顧客満足度の向上を信念とする。

目次

注文住宅の費用相場と家の広さの平均は?土地購入のあり・なし別に解説

注文住宅の費用相場

実際に注文住宅を建てた人は、いくらでどれくらいの広さの家を建てているのでしょうか?
まずは、地域ごとの相場と住宅面積の平均について、土地の購入が必要な【土地なしすでに土地を所有している【土地ありのケースに分けて解説します。

齋藤 周一

相場は予算を考える際の基準になります。しかし、それにとらわれすぎず「家を建てた後にどんな生活がしたいか」を考えながら、家計に影響のない範囲に収めることが大切です。
また、依頼先を選ぶときは、性能やコストなど「何を優先するか」を明確にして、さまざまな会社の話を聞いて自分に合った住宅メーカーを見つけましょう。

土地を購入する【土地なし】の場合

地域建築費 (万円)土地代 (万円)総額 (万円)住宅面積 (坪数)
全国3,010.61,444.94,455.5111.4㎡ (33.7坪)
北海道3,210.1955.44,165.5117.9㎡ (35.7坪)
東北2,970.6847.63,818.2112.4㎡ (34.0坪)
北関東信越3,043.6790.43,834.0113.0㎡ (34.2坪)
首都圏2,911.72,220.95,132.6107.2㎡ (32.4坪)
南関東
(首都圏を除く)
2999.9884.33,884.2112.4㎡ (34.0坪)
東海3,118.71,336.64,455.3115.2㎡ (34.8坪)
北陸2,908.8744.93,653.7117.2㎡ (35.5坪)
近畿2,965.41,693.14,658.5112.7㎡ (34.1坪)
中国3,207.21,056.44,263.6114.7㎡ (34.7坪)
四国2,954.5897.63,852.1110.9㎡ (33.5坪)
北部九州3,171.21,099.04,270.2113.1㎡ (34.2坪)
南九州3,037.3927.33,964.6107.7㎡ (32.6坪)
参考:フラット35利用者調査|住宅金融支援機構(2021年度)
北海道を除く、各都道府県の分類について
  • 東北:青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
  • 北関東信越:栃木県、群馬県、新潟県、長野県
  • 首都圏:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県
  • 南関東(首都圏を除く):茨城県、山梨県、静岡県
  • 東海:岐阜県、愛知県、三重県
  • 北陸:富山県、石川県、福井県
  • 近畿:滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
  • 中国:鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
  • 四国:徳島県、香川県、愛媛県、高知県
  • 北部九州:福岡県、佐賀県、長崎県
  • 南九州:熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

土地を含めた総額は「地域による差が大きい」

【土地なし】のケースでは、全ての地域で建築費相場は3,000万円前後、住宅面積は30~35坪程度と、あまり差がないようです。しかし、土地代に目を向けると地域差が大きく、建てる場所によって総額が大きく変わることがわかります。

土地を探す際は「土地と建物、どちらにお金をかけたいか」をよく考え、通勤・通学への影響を考慮しながら、広い範囲で探すと良いでしょう。

土地を所有している【土地あり】の場合

地域建築費 (万円)住宅面積 (坪数)
全国3,569.7123.8㎡ (37.4坪)
北海道3,627.6135.2㎡ (40.9坪)
東北3,315.1125.7㎡ (38.0坪)
北関東信越3,372.1124.0㎡ (37.5坪)
首都圏3,896.0123.8㎡ (37.4坪)
南関東
(首都圏を除く)
3,344.7120.9㎡ (36.6坪)
東海3,674.0124.2㎡ (37.6坪)
北陸3,628.5135.0㎡ (40.8坪)
近畿3,775.7127.1㎡ (38.4坪)
中国3,528.3119.7㎡ (36.2坪)
四国3,279.4115.2㎡ (34.8坪)
北部九州3,452.2124.2㎡ (37.6坪)
南九州3,204.1115.1㎡ (34.8坪)
参考:フラット35利用者調査|住宅金融支援機構(2021年度)
北海道を除く、各都道府県の分類について
  • 東北:青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
  • 北関東信越:栃木県、群馬県、新潟県、長野県
  • 首都圏:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県
  • 南関東(首都圏を除く):茨城県、山梨県、静岡県
  • 東海:岐阜県、愛知県、三重県
  • 北陸:富山県、石川県、福井県
  • 近畿:滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
  • 中国:鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
  • 四国:徳島県、香川県、愛媛県、高知県
  • 北部九州:福岡県、佐賀県、長崎県
  • 南九州:熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

土地代がない分、総額は抑えられる

【土地あり】のケースでは、建築費が家づくりの総額となります。平均で3,500万円程度と、土地を購入する場合に比べて少し高い傾向が見られますが、土地代がない分、安く抑えられます住宅面積の比較でも35~40坪とやや広いことから、土地にお金がかからない分、建物へ費用をかけているようです。

注文住宅にかかる費用の内訳は?どんなことにお金が必要?

注文住宅の費用内訳

「家づくりに必要なお金」と聞くと、土地と建物にかかる費用を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、実際には各種手続きの手数料や引っ越し代などの「諸費用」も必要です。ここでは注文住宅の費用の内訳について、詳しく解説します。

土地代

土地を購入する場合、建築費と土地代の割合は「6:4」または「7:3」をイメージしておくと良いと言われています。ただし、相場からも分かるように、土地代の高い首都圏や都市部では、土地の割合が高くなる傾向があります。

すでに土地がある場合、土地代は不要です。しかし、家を建てられるかどうかを調べる地盤調査費や、地盤が弱い場合には地盤改良費などが必要になることがあります。

建築費

注文住宅にかかる費用のなかで、最も大きな割合を占めるのが、家を建てるために必要な「建築費」です。建築費は、大きく「本体工事費」と「付帯工事費」の2つに分けられます

本体工事費

基礎や構造、外装や内装に関わる工事など、建物本体にかかる費用のことです。建物以外にかかる費用は含まれません。
広告などで目にする注文住宅の「建物本体価格」といった価格や坪単価は、この本体工事費のことを指していると考えて良いでしょう。

付帯工事費

庭や塀、駐車場などの外構工事のほか、配管工事、造成工事など、建物以外にかかる費用です。
付帯工事費は本体価格や坪単価に含まれないことが多く、また家を建てる土地の条件によって金額が大きく変わります

例えば、高低差のある土地や、道路から離れている土地の場合、水道の引き込み費が高くなります。また、実家を建て直すというケースでは以前の住宅を解体するための「解体工事費」がかかります。建てようとしている土地や条件に合わせ、「何にお金が必要か」をしっかりと把握することが大切です。

諸費用

諸費用とは、土地の購入時にかかる手続き費用のほか、建築工事以外にかかる費用のことです。引っ越し費用や仮住まいの家賃、家具や家電の購入費なども、この諸費用に含まれます。

齋藤 周一

金融機関などの諸費用向けのローンを利用したり、クレジットカードで支払えたりするものもありますが、基本的には現金で対応することが多いです。頭金とともに、自己資金として事前に用意しておきましょう。

家を建てた後も生活費・住宅ローン・税金など、さまざまな支出があります。そのため、貯蓄をすべて自己資金に充てないようにしましょう。目的に応じて支払い方法を分け、手取り収入の3ヶ月分程度の現金は残しておくことをおすすめします。

諸費用については、別記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

本体工事費・付帯工事費・諸費用の割合は「7:2:1」が目安

工事費と諸費用の割合は「本体工事費 約70%」「付帯工事費 約20%」「諸費用 約10%」 が相場と言われています。

土地を購入する人のなかには、建築費を2,000万円台で検討する人もいるでしょう。そこで、2,000~3,500万円までの4つのパターンで各費用の目安をまとめました。

費用の内訳2,000万円2,500万円3,000万円3,500万円
本体工事費1,400万円1,750万円2,100万円2,450万円
付帯工事費400万円500万円600万円700万円
諸費用200万円250万円300万円350万円

予算を振り分けることで、建物にかけられる金額の目安がわかります。「思ったより少ないな」と感じる人も多いのではないでしょうか。費用の計画を立てる際は総額だけではなく、内訳についても把握しておくことが大切です。そうすることで、予算オーバーを未然に防ぐことができるでしょう。

いくらでどんな注文住宅が建てられる?費用ごとの家の特徴

建築費別 建てられる家の特徴

注文住宅の相場がわかったところで、多くの人が「いくらでどんな家が建てられるの?」と気になっていることでしょう。そこで、土地の購入費を除いた建築費の金額別に、どのような家が建てられるのか、その特徴を解説します。

建築費 1,000万円台〈コンパクトでシンプルな形状・間取り〉

1,000万円台の家は、「ローコスト住宅」と呼ばれる価格帯です。費用相場よりもかなり金額を抑えることになるため、無駄を省いたシンプルな一戸建てをイメージすると良いでしょう。

一般的には、90~100㎡(27~30坪)前後の広さに、凹凸(おうとつ)の少ない長方形や正方形のシンプルな形、コストの安い片流れ屋根、必要最低限の機能を備えた住宅設備など、金額を抑えることを優先した造りになります。

建築費 2,000万円台〈予算配分次第でこだわりを叶えられる〉

住宅面積は110~120㎡(33~36坪)と、1,000万円台の家に比べて少し広めの家を建てられるほか、素材や設備のグレードを上げることができます。全ての希望を叶えるのは難しいかもしれませんが、こだわりたいことに優先順位をつけることで、ある程度希望の家を建てることができます

例えば、性能にこだわる場合は、それ以外のコストを下げる。外装にお金をかけたい場合は、内装素材のグレードを下げるなど、予算配分をしっかりすると良いでしょう。

建築費 3,000万円台〈“夢のマイホーム”を実現しやすい〉

費用の相場と同じ3,000万円台では、住宅面積は120~130㎡(30坪後半)が多く、デザイン性や素材へのこだわりを含め、大半の希望を実現することができるでしょう。

グレードの高い住宅設備を選ぶことはもちろん、趣味や仕事に使う書斎の確保や、高気密・高断熱などの高性能な家づくりも実現しやすくなります。
ただし、「デザインも性能もより良い家に」と欲張りすぎると、予算オーバーになることもあります。2,000万円台の家と同じように、ある程度はこだわりたい点の優先順位を決めておくことをおすすめします。

注文住宅はコストダウンできる? 費用で悩むなら、地域の工務店への依頼も視野に

土地の購入する人や「ローコストで家を建てたい」と考える人はもちろん、費用を用意できる場合でも「できるだけ安く家を建てたい」と思うことはあるでしょう。コストダウンの方法として、建物の形状をシンプルにする、素材や住宅設備のグレードを下げるなど、いくつかのコツが存在します。

そんなコストダウンについては、別記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

また、依頼先はハウスメーカーだけではなく、地域の工務店まで視野を広げて探してみましょう。広告費や人件費などの無駄なコストを削減することにより、家の性能やデザインの質を保ちながら、価格を抑えた自由な家づくりを可能にしている工務店は数多くあります。

費用で悩む前に、一度、工務店を探すことも検討してみてください。

〈注文住宅の実例紹介〉坪数別に家の特徴と費用相場を見てみよう

費用の次は、住宅面積に注目してみましょう。今回は面積の平均値30~40坪でどんな家が建てられるのか、30坪・35坪・40坪の3つに分けて特徴や費用相場を解説します。さらに、工務店情報を発信するイエココロのサイト「自慢の注文住宅集めました。」から建築実例も紹介します。

費用相場と世帯人数の算出について

各坪数の費用相場は、フラット35利用者調査(2021年度)の建築費と住宅面積の全国平均から算出した坪単価約90万円を基準としています。ローコスト住宅は、坪単価40~50万円を想定した場合の相場です。

また、世帯人数は、国が定める「居住面積水準」を参考に算出しています。

世帯人数別面積 例(㎡)
単身2人3人4人
最低居住面積水準2530【30】40【35】50【45】
誘導居住面積
水準
都市居住型4055【55】75【65】95【85】
一般型5575【75】100【87.5】125【112.5】
※【 】内は、3~5歳児が1人いる場合
居住面積水準とは?

住生活の安定の確保と向上の促進に関する目標などを定めた「住生活基本計画(全国計画)」の中で示されている、住宅面積の水準のことです。「最低居住面積水準」と「誘導居住面積水準」が定められています。

  • 最低居住面積水準:健康で文化的な住生活の基礎として、必要不可欠な住宅面積の水準です。
    単身者は25㎡(約7.5坪)、2人以上の世帯は「10㎡×世帯人数+10㎡」
  • 誘導居住面積水準:豊かな住生活の実現の前提として、多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅面積の水準です。集合住宅を想定した〈都市居住型〉と、戸建て住宅を想定した〈一般型〉を設けています。
    【都市居住型】単身者は40㎡(約12坪)、2人以上の世帯は「20㎡×世帯人数+15㎡」
    【一般型】単身者は55㎡(約16.5坪)、2人以上の世帯は「25㎡×世帯人数+25㎡」
  • 2人以上の世帯における世帯人数は、3歳未満は0.25人、3歳以上6歳未満は0.5人、6歳以上10歳未満は0.75人として算定します。ただし、算定された世帯人数が2人に満たない場合は2人とします。
  • 参考 国土交通省 住生活基本計画における「水準」について

【30坪の注文住宅】特徴と費用相場

延床面積30坪(約99㎡)の場合、3~4LDKの間取りが一般的です。主に3人家族に適した広さですが、間取りを工夫することで4人家族でも十分に暮らすことができるでしょう。費用相場は2,700万円程度、ローコスト住宅であれば1,000万円台で建てることも可能です。

〈30坪 実例1〉家事と子育てがしやすい 平屋のコンパクトハウス

約27坪・3LDKのコンパクトな木造平屋の住まいです。「家族の集いやすさ」を基本に、効率的に家事をこなせたり、子どもが安全に遊べるように配慮したりと間取りや動線を工夫しています。

建物・工務店情報
建築費(本体価格)

1,500〜2,000万円

延床面積

91.91㎡(27.80坪)

家族構成

夫婦+子ども1人

建築地

宮城県

設計・施工

髙橋材木店 タカハシホーム

価格の目安

坪70万円~(延床面積30坪の場合)

〈30坪 実例2〉【家事ラク×楽しい子育て】子どもたちがのびのびと暮らす家

「以前は狭い家で窮屈な思いをさせていたからのびのびと過ごせる家に」という施主の願いを見事に叶えた住まいです。回遊する間取りで、子どもたちが遊べるスポットがいくつも点在しており、兄妹たちが仲良くはしゃいでいる姿がリビングの“日常的な”風景となっています。回遊する間取りは家事動線の良さも抜群です。

建物・工務店情報
建築費(本体価格)

1,500〜2,000万円

延床面積

99㎡(29.9坪)

建築地

栃木県

設計・施工

アオイホーム

価格の目安

坪44万円~(延床面積36坪の場合)

【35坪の注文住宅】特徴と費用相場

延床面積35坪(約116㎡)は、全国平均とほぼ同じ面積です。注文住宅としては一般的な広さと言え、主に4人家族に適しています。間取りは3~4LDKが中心ですが、30坪よりもリビングを広くしたり、大型収納や書斎を確保したりする余裕があります。費用相場は約3,000万円、ローコスト住宅の場合は1,500~2,000万円で建てることができるでしょう。

〈35坪 実例1〉便利な家事動線と土間収納のあるハワイアンスタイル

本体価格1,000万円台で実現したハワイアンテイストの住まいです。アウトドアグッズをしまう土間収納には、出し入れがしやすいように外から直接入れる扉を設けました。キッチンを中心に回遊できる動線を計画したことで、スマートな暮らしを実現しています。

建物・工務店情報
建築費(本体価格)

1,500〜2,000万円

延床面積

118.62㎡(35.9坪)

家族構成

夫婦+子ども2人

建築地

群馬県

設計・施工

CAFE HOUSE

価格の目安

1,350万円~(施工面積18~32坪の場合)※諸経費150万円

〈35坪 実例2〉自然な暖かさに包まれて、のびのびと暮らせる住まい

自然素材の豊かな表情を楽しめる住まいは、全館空調により快適性も抜群です。住空間から外構までトータルでプロデュースを行い、細部まで緻密にアイデアを積み重ねたことで、デザイン・暮らしやすさ・快適さの揃った家になりました。

建物・工務店情報
建築費(本体価格)

2,500〜3,000万円

延床面積

114.10㎡(34.5坪)

家族構成

夫婦+子ども1人

建築地

栃木県

設計・施工

牧田工務店

価格の目安

坪60万円~(延床面積35坪の場合)

【40坪の注文住宅】特徴と費用相場

延床面積が40坪(約132㎡)あれば、4人家族でもゆとりのある生活が送れるほか、完全分離型の二世帯住宅も可能です。4~5LDKの間取りを中心に、ビルトインガレージや趣味を楽しむための部屋など、生活空間以外のスペースを盛り込んだプランニングも検討しやすくなります。費用相場は約3,600万円、ローコスト住宅では2,000万円台を想定すると良いでしょう。

〈40坪 実例1〉カッコいいヴィンテージ・スタイルにナチュラルさをプラスしたL型の平屋

濡れ縁をイメージしたウッドデッキや深い軒、化粧梁を実現するために2×4と木造軸組を織り交ぜた混構造を採用しています。通りからはコンパクトですっきりとした見た目ですが、中庭側に移動して初めてL字だと気付く設計になっています。

建物・工務店情報
建築費(本体価格)

1,500〜2,000万円

延床面積

128.2㎡(38.8坪)

建築地

群馬県

設計・施工

かなう家

価格の目安

坪54万円~(延床面積35坪の場合)

〈40坪 実例2〉「ぐるり」と回れる動線にこだわった 上品でどこか懐かしい和モダンの平屋

「ぐるり」と回れる動線にもこだわった、オリジナル性の高いLDKがポイントです。室内空間は、無垢材の心地よさと復古調のデザインテイストが見事にマッチしています。施主の要望を十分に取り入れた、センスのいい「和モダン+伝統美」の平屋の家になりました。

建物・工務店情報
建築費(本体価格)

2,500〜3,000万円

延床面積

142.42㎡(43.07坪)

家族構成

夫婦

建築地

宮城県

設計・施工

ウツミ工務店

価格の目安

2,300万円(延床面積34坪の場合)

住宅ローンの相場と自分に合った借入額の決め方

住宅ローン借入額の決め方

注文住宅を建てる際、多くの人が住宅ローンを利用することでしょう。そこで気になるのが、実際に注文住宅を建てた人が、どれくらいの金額で住宅ローンを組み、毎月いくら返済しているかということです。
ここで、フラット35の利用者を対象にした調査結果をもとに、【土地なし】と【土地あり】別の借入額と毎月の返済額を見ていきます。

【土地なし】住宅ローンの金額と返済額の平均

スクロールできます
地域世帯年収
(万円)
建築費
(万円)
土地代
(万円)
総額
(万円)
頭金
(万円)
借入額
(万円)
月の
返済額
(万円)
総返済
負担率
(%)
全国639.33,010.61,444.94,455.5412.34,043.212.424.9
首都圏709.42,911.72,220.95,132.6508.74,623.914.225.8
近畿圏638.62,965.41,693.14,658.5429.64,228.813.025.8
東海圏621.63,104.91,274.34,379.2378.14,001.112.325.4
その他の地域601.33,068.1912.33,980.4354.63,625.711.223.9
参考:フラット35利用者調査|住宅金融支援機構(2021年度)
各都道府県の分類について
  • 首都圏:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県
  • 近畿圏:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県
  • 東海圏:愛知県、岐阜県、静岡県、三重県
  • その他の地域:上記以外の県

【土地あり】住宅ローンの金額と返済額の平均

スクロールできます
地域世帯年収
(万円)
建築費
(万円)
頭金
(万円)
借入額
(万円)
月の返済額
(万円)
総返済
負担率
(%)
全国602.23,569.7596.62,975.89.821.5
首都圏652.93,896.0737.53,161.810.721.7
近畿圏610.43,775.7676.63,100.910.322.1
東海圏619.93,650.4581.13,069.310.121.7
その他の地域575.23,368.7522.22,849.69.321.3
参考:フラット35利用者調査|住宅金融支援機構(2021年度)
各都道府県の分類について
  • 首都圏:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県
  • 近畿圏:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県
  • 東海圏:愛知県、岐阜県、静岡県、三重県
  • その他の地域:上記以外の県
「総返済負担率」とは?

「総返済負担率」は、世帯年収に占める返済額の割合を指し、20~25%以下が理想とされています。負担率が上がると返済が滞るリスクが高まるため、基準を超える場合は借入額が減額されたり、融資そのものが受けられなくなったりすることもあるそうです。

無理なく返済できる借入額の目安は、世帯年収の5~6倍

調査結果をもとに、借入額が世帯年収の何倍かを計算してみしょう。

地域年収倍率 [土地なし]年収倍率 [土地あり]
全国6.34.9
首都圏6.54.8
近畿圏6.65.1
東海圏6.45.0
その他の地域6.05.0
※年収倍率は、借入額÷世帯年収で算出

借入額は【土地なし】の場合は6~6.5倍程度【土地あり】の場合は5倍程度ということがわかります。総返済負担率は21~25%の間で収まっており、理想的と言えるでしょう。このことから、世帯年収に対して5~6倍の借入金額であれば、無理なく返済できると考えられます。

年収の5.5倍で借りた場合の借入額と返済額の概算
  • 【年収350万円】借入額:1,925万円、月の返済額:5.7万円(総返済負担率:23%)
  • 【年収500万円】借入額:2,750万円、月の返済額:8.1万円(総返済負担率:22.9%)
  • 【年収1,000万円】借入額:5,500万円、月の返済額:16.1万円(総返済負担率:22.7%)

※条件:金利1.2%・元利均等返済・返済期間35年

住宅ローンの借入額は「無理なく返済できる金額」で決めよう

住宅ローンを考える際、自身の年収に対して「いくら借りられるか?」と考える人もいるかもしれません。しかし、借入額は「借りられる金額」だけで決めるべきではありません。最も大きな理由として、世帯ごとの家計状況が考慮されていない点があげられます。

例えば、同じ年収でも家族の人数が3人と5人では、ひと月に使える自由なお金に差が生まれます。そのため、家庭ごとに毎月返済できる金額が変わってくるのです。家計状況を考慮せずローンを組むと、返済が始まってから「想像以上に負担が重い」ということが起こり得るのです。

齋藤 周一

予算や住宅ローンの借入額を決める前に、一度「ライフプランニング」を行うことをおすすめします。

ライフプランニングとは、人生の設計図を作ることです。自分が生きるであろう年齢を設定し、家族構成、収入や支出、ライフイベント(出産・入学・住宅の購入・旅行など)を「ライフイベント表」に記入します。その際、楽観的ではなく厳しめに想定すると良いです。

ライフプランニングシートの例

1.ライフプラン【目標設定】
2.ライフイベント表
3.お金のバランスシート

老後までの人生やお金の動きを具体的に書き出すことで、やりたいことを整理できます。支出の多い時期やお金を貯める時期がわかるため、ローンの返済に充てられる金額も自然と見えてくるでしょう。

長期にわたる返済期間の間に、収入やライフスタイルが変化したり、病気になったりするかもしれません。何が起きても対処できるように、借入額は「無理なく返済できる金額」を基準にして考えることが大切です。

注文住宅の相場や費用に関するQ&A|住宅ローンの疑問にプロがアドバイス

注文住宅の費用は、どのように考えたらいいですか?

注文住宅の費用相場のほか、年収に対する費用の割合が参考になります。フラット35利用者調査(2021年)に基づく、家づくり費用の年収に対する割合(年収倍率)の全国平均は以下の通りです。

  • 土地を購入する【土地なし】の場合/7.5倍
  • 土地を所有している【土地あり】の場合/6.8倍

例えば、年収500万円のケースでは、土地を購入する場合は3,750万円、建築費のみであれば3,400万円となります。ただし、この数値は平均値であり、必ずしもこの通りの金額になるわけではありません。あくまで予算を考える最初の基準として、年収の7~8倍と覚えておくと良いでしょう。

住宅ローンの返済方法はどのように選んだらいいですか?

住宅ローンの返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。

元利均等返済

「元利均等」とは、元金+利息の合計が均等であることを指します。毎回、一定の金額を返済する方法で、返済計画を立てやすいことがメリットです。ただし、元金均等返済に比べ、返済金の総額は多くなります。

元金均等返済

元金の部分が一定で、そこに利息を上乗せして返済する方法です。返済が進むほど、毎回の金額が少なくなります。また、元金の返済が早く進むため、総額は元利均等返済よりも抑えられます。ただし、返済開始からしばらくの間、負担が大きいことがデメリットです。

「総額が少ない」「将来の負担が減る」という点で元金均等返済の方がメリットが多いように感じます。しかし、毎回の返済額が元利均等返済を下回るまでには平均で15~20年かかると言われています。

返済方法は、ライフイベントと返済期間を照らし合わせて考えるのがおすすめでう。なかでも、子どもが高校や大学に進学する「教育費のピーク」を基準にする。

例えば、子どもが幼く、教育費のピークまで15年以上ある場合には「元金均等返済」が向いています。一方で、既に就学している場合は、貯蓄と返済のバランスが取りやすい「元利均等返済」を利用する方が良いと言えます。

齋藤 周一

返済方法は、損得よりも家計の安定を優先して選びましょう。
家計に余裕ができた場合は、返済の前倒しや、金利状況によっては借り換えも選択肢となります。ただし、その際は自分だけで判断せず、専門家に相談して必ずシミュレーションを行いましょう。

住宅ローンの「固定金利」と「変動金利」はどちらを選んだ方がいいですか?

まず、固定金利と変動金利の特徴は以下の通りです。

固定金利

固定金利には「全期間固定型」と「固定金利期間選択型」があります。

「全期間固定型」は、返済中に金利が変わらず、借入当初に決まった金額を毎月支払います。
「固定金利期間選択型」は、選択した期間中は金利が固定されます。例えば、借入時に「固定期間10年」を選ぶと返済開始から10年間は金利が変わりません。そして、11年目に改めて固定期間を選択します。選べる期間は金融機関で異なり、一般的に期間が短いほど金利は低くなります。

変動金利

固定金利よりも金利が低く、金融機関によっては0.5%以下のものもあります(2024年2月現在)。低い金利で返済総額を大きく減らせるメリットがある反面、急激な金利上昇が起きると返済額が膨れ上がるリスクがあります。なお、金利は半年ごとに見直されます。

まず、計画的に返済したい人は「固定金利」が向いています。月々の返済額が変わらないため、安心感を得られるでしょう。また、期間が長いほど金利変動のリスクが高まるため、長期で返す場合は固定金利がおすすめです。

「変動金利」は金利を低くしたい人、または貯蓄に余裕があり、ある程度の金利変動に対応できる人が向いています。そのほか、返済期間が短い場合には有効になる可能性があります。

齋藤 周一

金利は、日本だけではなく世界の状況などさまざまな要因で変動します。その都度、自分に合ったものを選択しましょう。ただし、選ぶ際は専門家に相談し、必ずシミュレーションすることが大切です。

相場にとらわれず、「住みたい家」を具体的に考えることが大切

注文住宅は、建てる地域や家の条件によって費用が異なります。相場以下で建てられることもあれば、相場以上の費用が必要になることもあります。

そのため、注文住宅の相場は「予算を考えるための目安」程度に捉えておくのが良いでしょう。住宅ローンの借入額も、あくまで平均ですので、実際の家計状況と照らし合わせて無理のない返済計画を立ててください。

また、立地や性能、間取りなど、注文住宅で実現したい「こだわり」は、予算を決める前に優先順位を付けておきましょう。「どこでどんな家に住みたいか」を具体的にイメージすると、「土地と建物、どちらにお金をかけるのか」が見えてきます。

この記事を参考に、自分に合った家づくりの費用を見つけてください。

この記事を書いた人

IECOCORO編集部
群馬・栃木・宮城・山形で注文住宅の情報誌「IECOCORO(イエココロ)」を発行する編集部。WEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、地域の工務店情報のほか、多数の建築実例とイベント情報を紹介しています。

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