【40坪の注文住宅】建築費用の相場とは!実際の間取りや実例もご紹介

「せっかくならゆとりをもった快適な家にしたい」というのは、注文住宅を建てることを検討している多くの方に共通する思いではないでしょうか。
住宅金融支援機構のフラット35利用者調査(2022年度)のデータによれは、注文住宅の延べ床面積の全国平均は37坪でした。ゆとりを持った家を建てるなら、平均から少し大きい40坪程度が丁度良い広さと言えるかもしれません。
では実際、40坪の注文住宅を建てる場合、どれくらい費用がかかり、どんな間取りや設備の家が建つのでしょうか。

この記事では、40坪の注文住宅の建築費用の相場建築実例を5つ紹介します。実例写真や実際の間取り、金額を見比べることで理想の家のメージづくりのお手伝いできたら幸いです。

この記事を書いた人

IECOCORO編集部
群馬・栃木・宮城・山形で注文住宅の情報誌「IECOCORO(イエココロ)」を発行する編集部。WEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、地域の工務店情報のほか、多数の建築実例とイベント情報を紹介しています。

目次

40坪の注文住宅の広さはどれくらい? 

本項では、40坪の注文住宅の具体的な広さや、快適に暮らせる人数について解説します。

40坪って具体的にどれくらいの広さなの?

40坪と聞いて、具体的な広さを想像できる方は少ないと思います。

40坪を平米(㎡)に換算すると約132平米(㎡)、畳で換算すると80枚分になります。畳のサイズは地域によって微妙に違うのですが、「不動産用語としての1畳」のサイズは約180㎝×90㎝で、人1人が横になれる程度の広さとなります。
この広さがあれば3LDKから4LDKの間取りで家を建てることが可能です。

40坪=土地の広さ?延べ床面積?

「40坪の注文住宅を建てる」と言った場合、土地の広さが40坪なのか、延べ床面積が40坪なのか、人によって違うとは思いますが、本記事では、延べ床面積40坪の注文住宅を建てる場合として話を進めていきます。

延べ床面積40坪の注文住宅を建てるには、何坪の土地を用意すれば良いのでしょうか。平屋を建てるなら40坪以上、総二階の家を建てるなら20坪以上あれば、物理的には建物を建てることができます。とはいえ、建築基準法によって定められた建ぺい率や容積率を守る必要があり、土地いっぱいに家を建てられるわけではないので、その点は注意が必要です。

建ぺい率
敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見た水平投影面積)の割合を指し、「60%」などパーセントで表します。建ぺい率が高いほど、建てられる家の面積は広くなります。
地域の環境整備や防災などの観点から、国が定めた用途地域ごとに建築基準法によって制限が設けられており、自治体のホームページや直接電話で問い合わせるなどして調べることができます。

容積率
敷地面積に対する延べ床面積の割合を指します。容積率が高くなるほど延べ床面積を広く確保できるので、広い家を建てられます。

40坪の注文住宅で快適に暮らせる人数とは?

国土交通省が出している資料に「住生活基本計画における居住面積水準」というものがあります。「世帯人数に応じて、豊かな住生活の実現の前提として、多様なライフスタイルを想定した場合に必要と考えられる住宅の面積に関する水準」を示しており、この資料によれば、4人暮らしの場合、快適に暮らせる広さは125㎡(37.8坪)となっています。

指標となる37.8坪より広い40坪は、4人家族がストレスを感じることなくゆったり暮らすことができる広さと言えるでしょう。

40坪の注文住宅を建てる際の相場とは

本項では、40坪の注文住宅を建てる際の相場や諸費用について、坪単価ごとの建築費の目安、施工業者の選び方について解説します。

40坪の注文住宅を建てる際の相場とは

住宅金融支援機構が出している「フラット35利用者データ(2022年度)」によると、土地取得費用を含まない建築費のみの全国平均は3,715万円で、延床面積は128.8㎡(約37坪)でした。平均坪単価を計算すると約100万円になるので、40坪の建築費用相場は全国平均4,000万円(土地取得は含まない)と言えます。

「建築費÷坪数=坪単価」
平均建築費3,715万円を平均延床面積37.1坪で割ると、坪単価は約100万円になります。

「坪単価×坪数=建築費」
今回は40坪の費用相場を知りたいので、坪単価100万円に40をかけて計算すると、40坪の注文住宅の建築費用相場は4,000万円になります。

建築費用だけじゃない!注文住宅を建てるために必要な費用

注文住宅を建てるために必要な費用としては、「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」の3つに分けられ、土地を購入する場合は「土地購入費用」もかかります。
一般的に建築費」とは、「本体工事費」と「付帯工事費」を合わせた費用のことを言います。ただし、施工業者によって付帯工事費の扱いが違うので、詳細は見積りを確認するようにしましょう。
「諸費用」とは、各種手続きに関わる費用や手数料、税金などのことを言い、割合としては総額の10%前後とされています。例えば、総額が4,000万円だった場合は400万円前後の諸費用がかかる計算になります。

その他、家具家電の購入が必要だった場合や引っ越しを業者に依頼する場合はその分の費用も発生しますので、予算はある程度余裕を持って準備しておいた方がよいでしょう。

本体工事費:家そのものを建てるためにかかる金額
付帯工事費:庭や塀の工事、エアコンの設置などにかかる金額
諸費用:手数料、登記費、税金などにかかる金額
土地購入費用:土地も一緒に購入する場合にかかる金額

諸費用の詳細については別の記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

坪単価ごとの建築費用ってどれくらい?

坪単価はハウスメーカー・工務店・建築事務所などの施工業者、希望する住宅の機能やオプションなどによって様々です。ローコストな住宅が得意な施工業者、高性能なハイグレード住宅が得意な施工業者、オーナーの要望次第で対応の幅が広い施工業者など、選択肢は様々あります。

どの施工業者を選択してもおおよその価格感を把握できるように、坪単価ごとの40坪の建築費用を出しましたので、参考にしてください。

坪単価40坪の注文住宅の建築費用
45万円1,800万円
50万円2,000万円
55万円2,200万円
60万円2,400万円
65万円2,600万円
70万円2,800万円
75万円3,000万円
80万円3,200万円
85万円3,400万円
90万円3,600万円
95万円3,800万円
100万円4,000万円
105万円4,200万円
110万円4,400万円
※付帯工事費をどの程度建築費に含んでいるかは、施工業者によって異なる

坪単価50万円程度までがいわゆるローコスト住宅、価格と機能のバランスが良いミドルクラスの注文住宅は坪単価は50万円~80万円程度、坪単価80万円以上がハイグレード住宅と言えます。

ハウスメーカーの具体例をあげるなら、「アイダ設計」や「タマホーム」などはローコスト住宅が得意で、「一条工務店」や「ヤマダホームズ」などはバランスの良いミドルクラス住宅の選択肢が多く、積水ハウス」や「へーベルハウス(旭化成ホームズ)」などは高機能なハイグレード住宅が得意と言えるでしょう。

工務店や設計事務所に関しては、オーナーの要望次第で対応の幅が広いので、具体例を挙げることは難しいです。ただし、工務店や設計事務所は同じ規格であればハウスメーカーより安価になりやすい傾向はあります。

どこに頼むの?施工業者の選び方について

注文住宅を依頼する場合、施工業者は「ハウスメーカー」「工務店」「設計事務所」の3択になります。

それぞれにメリットとデメリットがありますので、以下の表をご確認ください。

メリットデメリット
ハウスメーカー・規格化により品質が一定
・アフターメンテナンスが充実
・ローコストからハイグレードまで
 幅広い選択肢がある
・規格化されている分デザインや
 設計、設備の自由度が少ない
・プランが複雑で価格が高め
工務店・明瞭会計で価格を抑えやすい
・デザインや設計の自由度が高い
・地域にあった家づくりができる
・職人の技能差が出る場合がある
・対応できない設備や工法がある
・完成に時間がかかる場合がある
設計事務所・完全オーダーメイドが可能
・要望にあったプランの提案
・工事の監理が適正に行われる
・工事金額がすぐに確定しない
・要望にあう設計者を探すのが大変
・完成までに時間がかかる

3つの選択肢の中で、価格・デザイン性・完成までの時間のバランスが良いのは工務店です。
もちろん、良い工務店を選ぶのに時間がかかるというデメリットやハウスメーカーよりも倒産リスクが大きいなどのリスクもありますが、デザインにもこだわりつつ価格を抑えられ、設計から施工まで全て自社で行うのでトラブル対応も早く、地域の特徴や風土にあった家づくりもできるので、そういった希望がある方にはおすすめです。

40坪の建築実例5選と間取のコツについて

本項では、40坪前後の建築実例を5つ紹介します。あわせて、自由度の高い間取りや、更に部屋を広く見せるコツなども解説します。

40坪の注文住宅の建築実例5選

今回は建築実例が豊富なIECOCORO(イエココロ)の家づくりサポートサイト「自慢の注文住宅集めました。」から、40坪の注文住宅の建築実例を5つ紹介します。

<実例1>こだわりサーファーズハウス/2階建て(38.94坪)
<実例2>平屋×モダンナチュラル/平屋(39坪)
<実例3>平屋+のシンプルモダン/2階建て(41.4坪)
<実例4>和の伝統×モダン/2階建て(41.3坪)
<実例5>平屋×中庭×ガレージ/平屋(42.6坪)

<実例1>こだわりサーファーズハウス/2階建て(38.94坪)

「まるでカルフォルニアにいるような生活を実現させたかった」というオーナーの夢を具現化したサーファーズハウス(カリフォルニアテイストの住まい)です。

白を基調とした室内にはアクセントとして青色を採用しています。リビングは吹き抜けになっており、大きな窓から太陽の光がたっぷりと注ぎ込むので、解放感と温かみのある居心地の良い空間になっています。

オーナーの趣味のための部屋で、ガレージに隣接しているので窓から愛車を眺めることができます。

建物・工務店情報
価格の目安

坪76万円~

延床面積

128.75㎡(38.94坪)※ガレージを含む

建築地

宮城県

設計・施工

山大ホーム

家族構成

夫婦+子ども1人

<実例2>平屋×モダンナチュラル/平屋(39坪)

シンプル&シャープな外観が魅力の、アイワホームのブランド「HACO MOKU(ハコモク)」の平屋スタイルの住宅です。

屋根の形状を活かした高さのある天井による開放感と、大型のスキップフロア(段差を利用して空間を緩やかに区切る間取り)で空間に変化を与えています。
また、玄関から続く通り土間は「半屋外スペース」として活用されています。

寝室には造作ベッドを設置しています。壁やドアなどの仕切りは使わず、造作の化粧台を設置した半個室と掘り炬燵式の書斎が隣接しているのが特徴ですね。

建物・工務店情報
価格の目安

坪62万円~

延床面積

128.9㎡(39坪)

建築地

群馬県

設計・施工

アイワホーム

家族構成

夫婦+子ども2人

<実例3>平屋+αのシンプルモダン/2階建て(41.4坪)

平屋の上に+αのハコを乗せた独特の形状が印象的な住宅です。リビングやダイニングから行き来できるウッドデッキは、四季折々の変化を楽しめる「第二のリビング」として活躍しています。

長きに渡り快適な暮らしが送れるよう、1階のフロアで生活を賄えるよう設計しています。また、空間を緩やかに繋げることで広い視界と開放感が得られています。

収納を豊富に設けたアイランドキッチンです。
ダイニングを併設して配膳・片付けをスムーズにできるようにしており、各スペースへの動線もバッチリです。

建物・工務店情報
価格の目安

坪70万円~

延床面積

136.62㎡(41.4坪)

建築地

栃木県

設計・施工

エレフォン

家族構成

夫婦+子ども2人

<実例4>和の伝統×モダン/2階建て(41.3坪)

「自然素材をたくさん使った家に住みたい」というオーナーの意向を受け、打ち合わせから設計まで、「木のプロフェッショナル」である杉内建設の杉内社長が担当しました。重厚な屋根瓦と、あえて2階の高さを抑えることで平屋に近いイメージで仕上げた、こだわりの外観です。

柔らかな印象の白みがかった床は、床暖房に対応した無垢のアッシュ材を使用しています。珪藻土の塗り壁に加え、天井には赤みを特長とする杉をあしらい、大工による手づくりの机と長椅子など、家全体から素材の温もりが感じ取れるようになっています。

共働きのため「動線を簡潔にして家事に費やす時間を少しでも減らしたい」という要望に応え、ランドリールームには豊富な収納を設け、室内干しスペースを確保し、アイロン掛けまで行えるようにしています。

建物・工務店情報
価格の目安

坪60万円~

延床面積

136.62㎡(41.3坪)

建築地

群馬県

設計・施工

杉内建設

家族構成

夫婦+子ども2人

<実例5>平屋×中庭×ガレージ/平屋(42.6坪)

「大切な家族との時間も、そして自分の趣味であるバイクの時間も思う存分に楽しみたい」という要望に応えて設計された、中庭を中心にしたロの字型の平屋住宅です。

リビング・ダイニング・キッチンは1フロアで開放感があり、落ち着いた配色で夜には間接照明がやんわり光る、シンプルかつモダンな雰囲気になっています。
アイランドキッチンの水洗金具やビルドインオーブン、くつろぐための和室など、こだわりの詰まった空間です。

こだわりのバイクガレージと周りの視線がまったく気にならない開放的な中庭が、この住宅の最大のポイントです。

建物・工務店情報
価格の目安

坪65万円~

延床面積

140.98㎡(42.6坪)

建築地

群馬県

設計・施工

thinks 翼創建

家族構成

夫婦+子ども2人

40坪あればかなり自由度の高い設計が可能

40坪あればかなり自由度の高い設計が可能になります。
実例にもあった通り、「アイランドキッチン・オープンキッチン」「ランドリールーム」「中庭・ウッドデッキ・バルコニー」「吹き抜け」「ビルドインガレージ」「和室・畳小上がり」「スキップフロア」「趣味のための部屋」など、機能性はもちろんデザイン性も兼ね備えた設計が実現可能です。

予算との兼ね合いもありますが、これから長く暮らす大切な家ですから、好みの間取りや好きなデザイン、欲しかった部屋・設備など、こだわってみてはいかがでしょうか。

更に広く見せるコツってあるの?

40坪は既に十分な広さがありますが、間取りや内装の工夫で更に広く見せることは出来るのでしょうか。
見た目の広さや印象は、以下のような要素で変化させることが可能です。

  • 部屋と部屋の仕切りを少なくして視線を通す
  • リビングの床を一段低くして、緩やかなゾーン分けをする
  • 天井を高くする
  • 背の低い家具を選ぶ
  • 内装を明るくする(クロスを明るい色にする)
  • 室内に出ているものを少なくする
  • 作り付け収納(造作家具)で見た目をすっきりさせる

高さを含めた空間全体の使い方や視覚の効果を利用することが、広く見える家をつくるためのコツです。

詰め込みすぎて予算オーバーした際はコストダウンの検討を

理想の機能や間取りを詰め込んだ結果、予算をオーバーしてしまったらコストダウンを検討しましょう。
簡単な方法としては以下の3点があげられます。

  • 延べ床面積を削る
  • 建物の凹凸(おうとつ)を少なくする
  • 設備や素材のグレードを見直す

詳細は別の記事で解説しておりますので、詳しく知りたい方はあわせてご確認ください。

まとめ

40坪の注文住宅は、3LDKから4LDKの間取りが採用できる十分な広さがあるので、子ども含めて3~4人程度で住むマイホームにぴったりの広さと言えます。

広ければ良い家が建つわけではありませんが、機能性・デザイン性ともにこだわりやすくなるのは間違いありません。まずは希望する間取りや設備で見積りを取って話を聞いてみることから始めてみましょう。

この記事が、40坪の注文住宅を建てることを検討している方の参考になれば幸いです。

群馬・栃木・宮城・山形で注文住宅を建てるなら

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