4LDKの間取りは、部屋数が多い分、間取りの自由度が高く、理想の暮らしを実現しやすいのが魅力です。
部屋の広さや配置、共有スペースの工夫など、選択肢が豊富であるため、家族全員が快適に過ごせるよう、間取りを決める際に迷う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、4LDKの基本情報に加え、平屋と二階建ての比較や、実際の間取り例を通して暮らしやすさを実現するためのアイデアをご紹介します。
ご家族に最適な間取りを見つけるためのヒントとしてご活用ください。
IECOCORO編集部
群馬・栃木・宮城・山形で注文住宅の情報誌「IECOCORO(イエココロ)」を発行する編集部。WEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、地域の工務店情報のほか、多数の建築実例とイベント情報を紹介しています。
【4LDKの基本情報】4LDKってどんな間取り?
本項では、4LDKの基本的な特徴をおさえつつ、理想的な広さや、どのような家族構成に適しているかなど、4LDKの間取りについて詳しく解説していきます。
4LDKの間取りとは?
4LDKは、リビング・ダイニング・キッチンに加え、4つの独立した居室がある間取りを指します。
主に、4人以上の家族が快適に暮らせる間取りとして人気が高く、広々としたLDKで家族団らんを楽しみつつ、それぞれの個室でプライベートな時間を過ごすことができます。
プライバシーを保ちつつ、家族全員が快適に過ごせる点が4LDKの大きな魅力です。
参考までに居室とは、窓があり、十分な採光が取れる、人が生活するために設けられた部屋のことを指します。
以下に、居室と居室に含まれない部屋をご紹介します。
居室 | リビング・ダイニング・キッチン・寝室・子供部屋など |
居室に含まれない部屋 | 玄関・トイレ・浴室・洗面所・廊下・バルコニーなど |
4人家族が快適に暮らすための理想の広さとは?
4LDKは4人以上の家族にとって魅力的な間取りですが、実際にどのくらいの広さが必要か具体的にイメージするのは難しいですよね。
そこで、国が定めた「住生活基本計画」を参考に、4人家族にとって理想の広さを確認してみましょう。
「住生活基本計画」における「誘導居住面積水準」に着目!
「住生活基本計画」とは、国の住宅政策の指針として策定された計画です。
その中に「誘導居住面積水準」という基準があり、これが一人ひとりが快適に暮らすための住宅の広さを示す目安となっています。
つまり「誘導居住面積水準」を参考にすることで、4人家族が快適に暮らすための広さを把握することができるというわけです。
世帯の人数 | 4人 | 5人 |
一般型誘導居住面積水準 | 約38坪(125㎡) | 約43坪(約143㎡) |
上記データによれば、4人家族に最適な広さは約38坪(約125㎡)とされています。
これは、大人4人で暮らしても圧迫感を感じない広さを指します。
つまり、38坪の広さがあれば、子供が成長しても十分な空間を確保でき、長期的に快適な生活を維持できると言えるでしょう。
38坪の広さを畳でイメージしてみよう
「38坪」と言われても、すぐにイメージが湧かない方も多いかもしれません。
そこで、より身近な「畳」の単位で説明します。
38坪は、畳に換算するとおおよそ75畳分に相当します。
一般的なマンションやアパートの1室が6~8畳程度なので、これを想像していただくと、38坪の広さがイメージしやすくなるのではないでしょうか。
平屋と二階建てどっちを選ぶ?4LDKの間取りを比較
4LDKの間取りは、平屋と二階建てでは部屋の配置や広さの感覚が大きく異なります。
本項では、坪数や建物の構造に応じた4LDKの特徴を比較し、それぞれの生活スタイルに合った間取り選びのポイントをまとめてご紹介します。
平屋の4LDKは、すべての部屋が同じフロアに配置されているため、移動がスムーズで、家族全員が近い距離感で過ごせるのが特徴です。
例えば、リビングから各居室への動線が短く、日常的な家事や生活が効率的に行えます。
また、バリアフリー設計にもしやすく、高齢者や小さな子供がいる家庭には理想的な間取りでしょう。
一方で、二階建ての4LDKは、フロアごとに役割を分けることができる点が魅力です。
例えば、一階を家族が集まるリビングやキッチン、ダイニングに、二階を寝室や子供部屋とすることで、共有空間とプライベート空間をしっかり分けられます。
これにより、家族が集まる時間と、それぞれがリラックスする時間をメリハリのある形で過ごすことができるでしょう。
このように、平屋と二階建ての4LDKはそれぞれに特徴があります。どちらで建てるか迷う場合には、家族のライフスタイルに合わせて選択するのがおすすめです。
次項では、これらの特徴を活かした具体的な間取りの実例をご紹介していきます。
【4LDKの間取り実例10選】平屋・二階建てに取り入れたい間取りアイデアを一挙紹介!
ここからは、4LDKの家づくりに役立つ間取りアイデアをご紹介していきます。
また、建築実例が豊富なIECOCORO(イエココロ)の家づくりサポートサイト「自慢の注文住宅集めました。」から、実際にその間取りを取り入れた38坪前後の平屋・二階建ての間取り図や実例も併せてご覧いただけます。
家づくりに役立つヒントが満載ですので、ぜひ参考にしてみてください。
アイデア1.ウイルス対策に最適な玄関付近の手洗い場
【二階建て/42.98坪】玄関付近に手洗い場を設けた実例
アイデア2.洗濯作業を効率化するランドリールーム
【二階建て/39.1坪】ランドリールームを設けた実例1
【平屋/35.3坪】ランドリールームを設けた実例2
アイデア3.キッチンの収納力と使い勝手を高めるパントリー
【二階建て/37.25坪】ウォークスルーパントリーを設けた実例
【二階建て/33.7坪】ウォークインパントリーを設けた実例
アイデア4.外で使うものを効率的に収納する土間収納
【二階建て/40.1坪】土間収納を設けた実例
アイデア5.仕事や趣味に集中できる書斎
【二階建て /37.3坪】書斎を設けた実例
アイデア6.開放感のあるアウトドアリビング
【二階建て /43.74坪】アウトドアリビングを設けた実例
アイデア7.間仕切り部屋で将来に備える
【二階建て /37.07坪】可動式パネルで仕切る間仕切り部屋の実例
【二階建て /46.71坪】壁を追加して部屋を増やせる間仕切り部屋の実例
アイデア1.ウイルス対策に最適な玄関付近の手洗い場
【二階建て/42.98坪】玄関付近に手洗い場を設けた実例
- 家族構成
-
6人(夫婦+子供2人+両親)
- 延床面積
-
142.10㎡(42.98坪)
- 階数
-
二階建て
- 設計・施工
-
グリーンハウザー
- 工法・構造
-
2×4工法
アイデア2.洗濯作業を効率化するランドリールーム
【二階建て/39.1坪】ランドリールームを設けた実例1
- 家族構成
-
3人(夫婦+子供1人)
- 延床面積
-
129.18㎡(39.1坪)
- 階数
-
二階建て
- 設計・施工
-
石井工務店
- 工法・構造
-
木造軸組工法
【平屋/35.3坪】ランドリールームを設けた実例2
- 家族構成
-
4人(夫婦+子供2人)
- 延床面積
-
116.55㎡(35.3坪)
- 階数
-
平屋
- 設計・施工
-
石井工務店
- 工法・構造
-
在来軸組工法
アイデア3.キッチンの収納力と使い勝手を高めるパントリー
【二階建て/37.25坪】ウォークスルーパントリーを設けた実例
ウォークスルーパントリーとは、出入口が2ヶ所あり、通り抜けができる通路型のパントリーのことを指します。
キッチンから別の部屋へのアクセスがスムーズで、家事動線を効率化したい方におすすめです。
- 延床面積
-
123.38㎡(37.25坪)
- 階数
-
二階建て
- 設計・施工
-
アイムの家
- 工法・構造
-
木造軸組(壁+金物工法)
【二階建て/33.7坪】ウォークインパントリーを設けた実例
ウォークインパントリーとは、部屋のような独立した空間のパントリーを指します。
収納スペースを十分に確保したい方におすすめです。
- 家族構成
-
2人(夫婦)
- 延床面積
-
111.37㎡(33.7坪)
- 階数
-
二階建て
- 設計・施工
-
Houyu Home(ホーユーホーム)
- 工法・構造
-
木造軸組工法
アイデア4.外で使うものを効率的に収納する土間収納
【二階建て/40.1坪】土間収納を設けた実例
- 家族構成
-
2人(夫婦)
- 延床面積
-
132.49㎡(40.1坪)
- 階数
-
二階建て
- 設計・施工
-
Hobby Style 角屋工業
- 工法・構造
-
木造軸組工法
アイデア5.仕事や趣味に集中できる書斎
【二階建て /37.3坪】書斎を設けた実例
- 家族構成
-
3人(夫婦+子供1人)
- 延床面積
-
123.38㎡(37.3坪)
- 階数
-
二階建て
- 設計・施工
-
グリーンハウザー
- 工法・構造
-
2×4工法
アイデア6.開放感のあるアウトドアリビング
【二階建て /43.74坪】アウトドアリビングを設けた実例
- 家族構成
-
2人(夫婦)
- 延床面積
-
144.6㎡(43.74坪)
- 階数
-
二階建て
- 設計・施工
-
DIP建築都市設計事務所
- 工法・構造
-
木造軸組工法
アイデア7.間仕切り部屋で将来に備える
【二階建て /46.71坪】壁を追加して部屋を増やせる間仕切り部屋の実例
- 延床面積
-
154.43m² (46.71坪)
- 階数
-
二階建て
- 設計・施工
-
白田工務店
- 工法・構造
-
木造軸組工法
4LDKの間取り活用アイデア
4LDKの間取りは、4つの居室を家族構成やライフスタイルに合わせて柔軟に使うことができます。
以下に居室の使い方の例をいくつかご紹介します。それぞれの家族に合った使い方を見つけて、理想的な住環境を作りましょう。
4人家族向け
来客が多い家庭や、リビングダイニングにお客様を通すのに抵抗がある方におすすめです。
客間は親戚や友人が宿泊する際のゲストルームとしても活用でき、家族とお客様の双方が快適に過ごせます。
在宅勤務や仕事を自宅に持ち帰る機会が多い方には、書斎があると便利です。
書斎は仕事のためだけでなく、読書、映画鑑賞、趣味のDIYなど、多用途に活用できるでしょう。
4人家族+将来的に家族が増える可能性がある家庭向け
将来的に家族構成が変化する可能性のある家庭におすすめの間取りです。
たとえば、両親との同居や子供の成長に伴う部屋の増設に対応できます。
さらに、多目的スペースは、子供の遊び場や勉強スペース、病気時の隔離部屋など、家族の状況に応じて柔軟に活用可能です。
5人家族向け
それぞれの子供に個室を設けることで、家族全員が自分のプライベート空間を持てる間取りです。
プライバシーを重視したい5人家族におすすめの使い方です。
4LDKのメリット・デメリットを解説!
4LDKは、部屋数が多いことで得られるメリットだけでなく、注意すべきポイントもあるのです。
ここでは、4LDKのメリットやデメリットを解説し、住まい選びの参考にしていただける情報をご紹介します。
4LDKのメリット3選
4LDKの間取りは部屋数が多く、各自に専用の空間を持つことができるため、家族全員が程よい距離感を保ちながら快適に暮らせます。
居室の用途は様々で、家族それぞれの部屋以外にも、書斎や趣味を楽しむ空間にしたり、家族全員が利用できる多目的スペースにしたりと、自由なアレンジが可能となります。
生活スタイルに応じて、住まいの使い方を最適化できる点が魅力です。
将来の家族構成やライフステージの変化に柔軟に対応できる間取りです。
子供の成長に合わせて部屋の用途を変更できるほか、子供が独立した後は、複数の部屋をつなげて広々としたリビングにリフォームすることも可能でしょう。
こうした柔軟性により、長く快適に暮らせる住まいを実現します。
4LDKのデメリット3選
部屋数が多いと、冷暖房や照明の使用量が増え、光熱費が上昇する傾向にあります。
また、家全体の空調効率が低下し、エネルギーコストが余計にかかる可能性も考えられるでしょう。
部屋数が増えるにつれて、収納が必要なスペースも増えます。
適切な収納計画を立てないと、収納スペースが足りず、生活スペースが狭く感じる可能性もあるでしょう。
部屋数が多いと、掃除する面積が増えるため、自ずと掃除にかかる時間が増えるでしょう。
家族の暮らしやすさを実現する4LDK間取りのポイント3選
4LDKの間取りを考える際には、家族全員が快適に暮らせる工夫を取り入れたいものですね。
本項では、快適な住まいをつくる上で押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。
それぞれの配慮点と対処法を踏まえ、あなたの理想の住まいづくりに役立ててください。
音とプライバシーの配慮を考える
部屋の配置によっては生活音が他の部屋に響くことがあります。
特にリビングに隣接する部屋には、音が伝わりやすいので配慮が必要です。
子供が遊ぶ音やテレビの音、家事の音などが日常的に聞こえると、リラックスや集中を妨げる要因となります。
プライバシーの確保は、視覚的な面でも配慮すると良いでしょう。
たとえば、リビングや共有スペースから個室が見えやすい配置だと、部屋でリラックスしづらく、精神的なストレスの要因となることもあります。
また、ゲストが訪れた際にプライベート空間が丸見えになるのは、家族にとっても居心地が悪いものです。
収納を考える
収納が不足すると、物がリビングや廊下に溢れ、生活感が目立つ原因になります。
特にリビングや廊下は家族全員が頻繁に利用するほか、来客の目にも触れる場所です。散らかっているとストレスを感じたり、住まい全体の印象が損なわれたりする可能性があります。
ライフステージが変化するにつれて、衣類や趣味の道具、子供の学用品など、持ち物が増えることがあります。
このような変化に対応できる収納計画がないと、物があふれて住まい全体が手狭に感じられることもあるでしょう。
家事動線を工夫する
家事動線が悪いと、移動に余計な時間や体力がかかり、日々の家事が負担に感じられることがあります。
たとえば、洗濯スペースから物干し場までの距離が遠い場合、作業が煩雑になるだけでなく、家事の効率も低下するでしょう。
建築費用相場はどれくらい?
これから住宅の建築を検討されている方であれば、一体どれくらいの費用がかかるのか気になるところではないでしょうか。本項では、4人家族が快適に暮らせる38坪の家を建てる場合の建築費用相場について解説します。
住宅金融支援機構発表の「フラット35利用者調査(2023年度)」によると、土地取得費用を含まない建築費のみの平均は3,861万円で、延床面積は119.5㎡(約36坪)でした。
平均坪単価を計算すると約107万円になるため、38坪の建築費用相場は全国平均4,066万円(土地取得費用は含まない)となります。
下記の記事で、40坪の注文住宅について詳しく解説しています。38坪よりやや広めではありますが、4LDKの間取りや費用を考える際の参考になるはずです。
また、別の記事で注文住宅の相場や予算の考え方、費用の内訳や住宅ローンについても解説しています。こちらもぜひあわせてご覧ください。
まとめ
4LDKの間取りは、家族の成長やライフスタイルの変化に対応しやすいのが特徴の間取りです。リビング・ダイニング・キッチンを中心に、4つの部屋を自由に使い分けることで、さまざまな用途に応えることができます。
たとえば、4人家族の場合、それぞれが快適に過ごせる個室を確保し、プライベート空間を確保できることはもちろん、将来的に家族構成が変わる場合は、間仕切りを取り入れ簡単に部屋数を変更できるつくりにするのもひとつのアイデアです。また、書斎や趣味部屋を設けることで、家族それぞれの時間を大切にすることもできるでしょう。
本記事でご紹介した4LDKの基礎知識、間取りの実例やアイデア、費用相場を参考に、家族にとって最適な間取りや使い方を検討し、理想の住まいを実現するためのヒントを見つけていただければ幸いです。
- 住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2023年度)」
- 国土交通省「住生活基本計画」
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