延床面積35坪の家は、日本の新築一戸建てにおいて平均的な広さです。しかし、家を初めて購入する場合、家の建て方や間取り、各部屋の広さなど判断に迷うポイントが多数あり、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、35坪の家の広さについての具体的な解説や費用相場、平屋・2階建て・総二階といった建て方の特徴とおしゃれに建てるポイントを解説します。
あわせて、35坪の家の実例を、家族構成や建て方、コンセプト別に分けて14例ご紹介しますので、ぜひ家を購入する時の参考にしてください。

IECOCORO編集部
群馬・栃木・宮城・山形で注文住宅の情報誌「IECOCORO(イエココロ)」を発行する編集部。WEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、地域の工務店情報のほか、多数の建築実例とイベント情報を紹介しています。
延床面積35坪の間取りはどのくらいの広さ?35坪の家は狭い?

35坪の家の広さはどれくらい?
単に35坪の家と言われても、広さのイメージがつかみにくい方も多いのではないでしょうか。
35坪は、平米に換算すると約115.70㎡です。一般的な公立小中学校の教室の平均面積が64㎡程度ですから、教室2つ分よりやや狭いくらいの広さになります。
2024年度フラット35利用者調査によれば、新築の住宅面積は全国平均で注文住宅は118.50㎡(約35.85坪)、土地付き注文住宅は111.10㎡(約33.61坪)、建売住宅は100.70㎡(約30.46坪)なので、35坪は新築一戸建てとして平均的な広さであると言えるでしょう。
(2024年度フラット35利用者調査)
注文住宅 | 土地付き 注文住宅 | 建売住宅 | |
全国 | 118.50㎡ (約35.85坪) | 111.10㎡ (約33.61坪) | 100.70㎡ (約30.46坪) |
首都圏 | 117.60㎡ (約35.57坪) | 108.00㎡ (約32.67坪) | 97.60㎡ (約29.52坪) |
近畿圏 | 122.00㎡ (約36.91坪) | 111.20㎡ (約33.64坪) | 102.00㎡ (約30.85坪) |
東海圏 | 119.30㎡ (約36.08坪) | 112.40㎡ (約34.00坪) | 103.90㎡ (約31.43坪) |
その他 | 117.90㎡ (約35.66坪) | 112.40㎡ (約34.00坪) | 104.10㎡ (約31.49坪) |
35坪の家の一般的な部屋数は?
35坪の家では、3~4LDK、つまりLDK以外に居室が3~4部屋ある間取りが一般的です。
部屋数について考える時は、まずLDKと居室以外の広さを検討してみましょう。35坪の家の場合、平均的な広さはそれぞれ以下のようになっています。
玄関 | 約3帖 | |
水回り (お風呂・トイレ・洗面所) | 約6帖 | |
廊下・階段 | 平屋 | 約7帖 |
2階建て | 約10帖 | |
収納 | 約9〜11帖 |
35坪は約70帖なので、これらを考慮すると、35坪の家における間取りのイメージは以下のようになります。家族の人数やライフスタイルに合わせて、どのように部屋を配置するか決めましょう。
間取り | LDKの広さの目安 | 部屋の配置のイメージ |
3 LDK | 約20〜22帖 | ・LDK以外に6~8帖の居室が3部屋ある間取り ・LDKを広くゆったり取ることが可能 |
4 LDK | 約16〜18帖 | ・LDK以外に6~8帖の居室が4部屋ある間取り ・部屋の広さと数のバランスが取れている |
5 LDK | 約14〜16帖 | ・LDK以外に5~6帖の居室が5部屋ある間取り ・部屋数は多いが、各部屋がコンパクトになる |
家の広さと間取りの関係については、以下の30坪や40坪の家の記事もあわせて参考にしてみてください。


35坪の家は何人家族まで住める?
国土交通省の「住生活基本計画」では、豊かな住生活に必要と考えられる住宅の面積として誘導居住面積水準が設定されています。
この水準は、都市の中心やその周辺でマンションなどの共同住宅に住む人と、都市の郊外や都市部以外の一般地域で戸建て住宅に住む人で分けて設定されており、家族構成別の必要面積は以下の表のとおりです。
家族の 人数 | 都市の中心や その周辺 (共同住宅) | 都市の郊外や 都市部以外の 一般地域 (戸建て住宅) |
2人 | 55.00㎡ (約16.64坪) | 75.00㎡ (約22.69坪) |
3人 | 75.00㎡ (約22.69坪) | 100.00㎡ (約30.25坪) |
4人 | 95.00㎡ (約28.74坪) | 125.00㎡ (約37.81坪) |
5人 | 110.00㎡ (約33.27坪) | 143.75㎡ (約43.48坪) |
6人 | 129.00㎡ (約39.02坪) | 167.50㎡ (約50.67坪) |
この水準を参考にすると、35坪の家は共同住宅では5人家族、戸建て住宅では3人家族であれば快適に暮らせるということになります。上記の表は家族がすべて大人であると想定しているため、子供がいる場合は人数を多めに見積もっても良いでしょう。
実際には、土地の値段を考えると、東京都内やその周辺で戸建て住宅を検討する場合には、共同住宅の水準程度で検討する方が現実的かもしれません。
ただし、家族のライフスタイルや間取りの設計によって住み心地は大きく変わるため、単純に人数だけでは判断できない部分もあります。家族それぞれの生活パターンや、将来の家族構成の変化も考慮して検討することが大切です。
35坪の家はどんな人におすすめ?
35坪の家は、広すぎず狭すぎない平均的なサイズで、日常生活を快適に営めるバランスの取れた住まいとして人気です。特に、以下のような条件に当てはまる場合は、35坪の家がおすすめと言えるでしょう。
- 3~5人家族
-
35坪の家は、3〜5人家族に最適な広さです。子供がいる場合、それぞれに居室をつくることも可能で、プライバシーも守りやすいでしょう。
- 適度な収納を求める人
-
35坪の広さがあれば、パントリー(食品庫)やウォークインクローゼットなど、3帖程度の収納スペースを無理なく確保できます。30坪よりも収納の選択肢が増え、暮らしやすい住環境を整えられるでしょう。
- 家事動線を重視する人
-
35坪の家では、水回りを一箇所にまとめたり、回遊動線を取り入れたりする間取りが実現しやすく、家事の負担を軽減できます。空間を有効活用して、効率的な家事動線を確保しましょう。
一方で、6人以上の家族や広いリビングを重視する人などは、35坪の家では手狭に感じてしまうかもしれません。家を購入する時には、住宅見学会などで実際の建物の見学を行い、広さのイメージをつかむと良いでしょう。
家の広さについて他の坪数も検討している場合は、以下の記事もあわせて参考にしてみてください。


35坪の間取り成功例14選|家族構成や建て方別の実例を写真付きで紹介

35坪の家のイメージをつかむには、実例の写真や間取り図が非常に参考になります。
以下で、多数の建築実例を紹介するWEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」から、「35坪の家(34.50坪~35.40坪)」の実例を家族の人数別・建て方別・コンセプト別に14例紹介します。
ぜひ、自分の条件に近い家の実例を詳しく見て、参考にしてください。
【家族の人数別】35坪の間取り実例8選
家族2人で暮らす35坪の家の実例2選

日常生活と趣味のスペースが、床の高さを変えたスキップフロアを通して交じり合う住まいです。吹き抜けを通る鉄骨階段は奥の景色が見えるため、間仕切りの少ない空間をさらに明るく開放的なものにしています。
要望も本音も言いやすく、わくわくしながら家づくりができました。

古い茅葺き民家の古材を採用し、周りの風景に溶け込むように設計された端正な佇まいの住まいです。新材と古材が美しく調和し、豊かな表情で楽しませてくれます。
冬は薪ストーブだけで暖かく、夏は風通しも良く、一年中快適で居心地がいいです。
家族3人で暮らす35坪の家の実例2選


性能にこだわり、猛暑・厳冬でも快適な室内環境を保つ住まいです。立地条件から東側をオープンにした設計ですが、吹き抜けや開口部からの光により室内は心地よい明るさになっています。
吹き抜けがあることで温度差の心配がありましたが、特に問題なく快適に過ごせています。

ビルドアーク
一級建築士事務所
建物の天井・壁・床を、断熱・気密性の高い「スーパーウォール」のパネルで囲んで一体化させる工法でつくられた住まいです。内装は工業的なイメージの「ブルックリン」や「インダストリアル」をテーマにデザインしています。
性能をしっかりと担保しながら金額も予算内に収まり、コスパが抜群でした。
家族4人で暮らす35坪の家の実例2選


隣家が近いため採光が取りづらいという課題を、窓の大きさや配置の工夫でクリアした住まいです。家事動線や適材適所の収納計画にもこだわり、抜群の暮らしやすさになっています。
アイデアの引出しが豊富で、とことん希望を追求してくれて嬉しかったです。

木肌の美しい無垢材と、開放感のある勾配天井が際立つ大空間リビングが特徴の住まいです。大窓から降り注ぐ陽の光が、家族みんなが自然と集まる理想の心地よい空間を実現しています。
夏も冬も快適に過ごすことができ、思い描いた通りの「理想の暮らし」ができていると感じています。
家族5人で暮らす35坪の家の実例2選

旅行がきっかけで気に入ったバリのテイストを取り入れた住まいです。「家が家族にとってのパワースポットになるように」と癒しや住みやすさ、機能性もこだわっています。
言えば何でもやってくれるんじゃないかと思う程、ダメ・無理は一切言わず色々と提案して頂きました。

自然素材をふんだんに使用したウッドデッキのある平屋の住まいです。内外をつなぐ大きなウッドデッキには、家族が自然と集まります。
元気いっぱいの子供たちがのびやかに過ごせ、家族の時間を大切にできる住まいを実現できました。
【建て方別】35坪の間取り実例4選
35坪の平屋の実例

一級建築士事務所
回遊動線の間取りで、家の中の移動がしやすい住まいです。電気代の削減効果が期待できる太陽光と蓄電池に加えて、暖房効率が格段に良くなる床断熱を採用し、快適な室内環境を実現しています。


「普通の平屋ではつまらない」という方は必見の、立体的な設計の住まいです。スキップフロアの活用で、柔軟性と高い機能性を併せ持った家を実現しています。
35坪の2階建ての家の実例


広大な吹き抜けのリビングとスケルトン階段が特徴的な住まいです。白で統一された床材や壁がスタイリッシュで洗練された空間を演出しています。

全館空調により快適性も抜群の、自然素材の豊かな表情を楽しめる住まいです。住空間から外構まで細部にわたり緻密にアイデアを積み重ねたことで、デザイン・暮らしやすさ・快適さを兼ね揃えています。
社長をはじめ、スタッフの皆さんの家づくりに対する実直さにとても安心感がありました。
【コンセプト別】35坪の間取り実例2選

(バースハウス)

一見シンプルな平屋ですが、邸内の中央に中庭があるロの字型の住まいです。中庭があることで、採光の工夫と空間の変化を楽しめる間取りになっています。
初めてのことが多くて間取りには苦戦しましたが、家族全員が納得する最高の家になったと思います。


無垢材・漆喰壁・珪藻土壁などの健康素材を使用し、自然エネルギーを最大限に活用するパッシブデザインを取り入れた、長く安心して暮らせる住まいです。間取りの工夫により、登記上は35坪ですが、実際に使える面積は44坪あります。
35坪の家に必要な土地の広さと費用相場

35坪の家を建てるのに必要な土地の広さ
住宅を建築する土地には、「建ぺい率」と「容積率」という数字が設定されています。すでに持っている土地や購入する土地の建ぺい率や容積率によっては、土地の広さが35坪より広くても延床面積35坪の家が建てられない可能性がありますので、十分注意しましょう。
建ぺい率

建ぺい率は敷地面積に対して建物が占める面積(建築面積)の割合で、「建築面積÷敷地面積×100」で計算します。
以下で、建ぺい率別に35坪の平屋を建てるのに必要な土地の面積を表にしました。ただし、建てられる面積をすべて家の建物に使うと庭や外構のスペースがなくなるため、「必要最小限の敷地面積」とその1.2倍で算出した「実用的な敷地面積」を併記しています。
建ぺい率 | 必要最小限の敷地面積 | 実用的な敷地面積 |
30% | 116.70坪 (385.70㎡) | 140.00坪 (462.80㎡) |
40% | 87.50坪 (289.30㎡) | 105.00坪 (347.10㎡) |
50% | 70.00坪 (231.40㎡) | 84.00坪 (277.70㎡) |
60% | 58.30坪 (192.80㎡) | 70.00坪 (231.40㎡) |
70% | 50.00坪 (165.30㎡) | 60.00坪 (198.30㎡) |
80% | 43.80坪 (144.80㎡) | 52.50坪 (173.60㎡) |
建ぺい率は土地に占める平面上の広さの制限ですから、所有する土地が上記の条件に合わなくても、1階部分の面積を減らし、2階建てや3階建てなどにして延床面積を35坪にすることは可能です。
35坪の2階建てで、1階と2階の面積がほぼ等しい総二階で家を建てると仮定した場合、必要な土地の広さは以下のようになります。1階部分の面積は17.5坪の想定です。
建ぺい率 | 必要最小限の敷地面積 | 実用的な敷地面積 |
30% | 58.33坪 (192.83㎡) | 70.00坪 (231.40㎡) |
40% | 43.75坪 (144.63㎡) | 52.50坪 (173.55㎡) |
50% | 35.00坪 (115.70㎡) | 42.00坪 (138.84㎡) |
60% | 29.17坪 (96.42㎡) | 35.00坪 (115.70㎡) |
70% | 25.00坪 (82.64㎡) | 30.00坪 (99.17㎡) |
80% | 21.88坪 (72.31㎡) | 26.25坪 (86.77㎡) |
しかし、階数を増やせば延床面積をいくらでも増やせるというわけではありません。なぜなら、建ぺい率のほかに、延床面積を制限する「容積率」が定められているためです。つまり、2階建ての場合、1階と2階を合計した面積が容積率の範囲内に収まっている必要があるのです。
容積率

容積率は、敷地面積に対する建物の延床面積の割合で、「延床面積÷敷地面積×100」で計算します。用途地域や前面道路の幅員などによって制限され、都市計画に基づいて定められています。
用途地域は、計画的な市街地を形成するために都市計画法で定められた、住居・商業・工業などのエリアの分類です。全部で13種類あり、建築できる建物の種類や用途、容積率、建ぺい率、高さなどが制限されています。
住宅用地の容積率は一般的に100~200%が主流ですが、低層住宅地では80〜100%と低くなることがありますので注意が必要です。
例えば、用意した土地が35坪ぴったりの場合、「建ぺい率50%以上、容積率100%以上」であれば、2階建てで35坪の家を建てることが可能です。しかし、容積率が100%を下回る場合は、延床面積の上限が35坪未満となるため、階数を増やしても35坪の家は建てられません。
土地を購入するときは、必ず建ぺい率と容積率をチェックし、希望する広さの家が建てられるか確認するようにしましょう。
35坪の家を建てるのにかかる費用の相場
35坪の家の建築費用はハウスメーカーのグレードや地域によって異なりますが、以下の表が相場の目安になります。家の建築には本体建築費用の他に付帯工事費用や諸費用が必要になるため、これらを合わせた概算の総建築費用も併記しています。土地を持っていない場合は、これに加えて土地の購入費用も必要です。
想定 坪単価 | 本体 建築 費用 (35坪) | 総建築 費用 (35坪) | |
ローコスト ハウス メーカー | 40〜60 万円 | 1,400〜2,100 万円 | 2,000~3,000 万円 |
中堅 ハウス メーカー | 60〜80 万円 | 2,100〜2,800 万円 | 3,000~4,000 万円 |
大手 ハウス メーカー | 80〜120 万円 | 2,800〜4,200 万円 | 4,000~6,000 万円 |
建築費用の計算方法を詳しく見る
一般的に、住宅の建築費用は「住宅本体の建築費用÷住宅面積」で算出した「坪単価(1坪あたりにかかる費用)」を使って計算します。坪単価に建てたい坪数を掛け算すれば、おおまかな本体建築費用がわかるでしょう。
ただし、住宅の総建築費用には「本体建築費用」だけでなく周辺の工事にかかる「付帯工事費用」や様々な手続きにかかる「諸費用」が含まれます。総建築費用の内訳は、おおよそ本体建築費用が7割、付帯工事費用が2割、諸費用が1割程度です。
本体建築費用から総建築費用を割り出したい時は、「本体建築費用÷0.7」でおおよその金額を出すことができるでしょう。
上記の表は一般的な相場ですが、2024年度フラット35利用者調査によれば、注文住宅の全国平均の住宅建築費用は3,932.10万円、住宅面積は118.50㎡です。土地付き注文住宅の場合は住宅建築費用は3,512.00万円、住宅面積は111.10㎡になります。これを35坪にあてはめて計算すると以下のようになります。
坪単価 | 本体 建築費用 (35坪) | 総建築費用(35坪) | |
注文住宅 | 約76.78 万円 | 約2,687.30万円 | 約3,839.00万円 |
土地付き 注文住宅 | 約73.14 万円 | 約2,559.90万円 | 約3,657.00万円 |
ただし、住宅の価格は間取りや工法、素材に大きく左右されるため、あくまで目安として参考にしてください。

土地代を含めた予算の目安と考え方
土地を持っておらず、建てる時に購入する場合、土地代を含めて予算を考えなければいけません。
一般的に土地:建物の予算配分は3:7程度が良いと言われており、フラット35利用者調査の全国平均費用もこの範囲内に収まっています。
仮に総予算が5,000万円だとすると、土地と建物を3:7で配分した場合、土地の予算が1,500万円で建物の予算が3,500万円です。以下で、総予算別に土地と建物の比率を変えた場合の金額の一覧表を用意しましたので、ぜひ参考にしてください。
予算比率 (土地:建物) |
土地予算 | 建物予算 | 本体工事費 (建物予算×0.7) |
坪単価 (35坪想定) |
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建物の坪単価は本体建築費用が建物予算の7割で、35坪の家を建てる場合で計算しています。
現実的には、坪単価が40万円を下回ってしまうと、家を建てるのは非常に難しいです。土地の値段は地方と都市部でかなり変わるため、希望する土地が高額すぎる場合は、立地を再検討しましょう。
【平屋・2階建て・総二階】建て方の特徴とおしゃれに建てるポイント

35坪の家づくりでは、平屋にするか2階建てにするか、そして2階建てなら総二階にするかで、住み心地や使い勝手が大きく変わってきます。どの建て方にもそれぞれメリット・デメリットがあり、家族構成やライフスタイルに合わせた選択が重要です。
以下で平屋・2階建て・総二階の3つの建て方について、メリット・デメリットと向いている人の特徴、おしゃれに建てるためのポイントを紹介しますので、ぜひ建て方を考える時の参考にしてください。
平屋のメリット・デメリットと建て方のポイント
平屋はすべての居住空間を1階のみに配置した住宅で、階段がなく平面的に広がる間取りが特徴です。
延床面積35坪の家の場合、平屋は広い敷地を必要とするため、郊外や土地価格の低いエリアでの建築が適しています。基礎や屋根の面積が広くなる分、建築費用が高くなりやすいことに注意が必要です。
- 小さな子供や高齢者がいる家庭
- 長く住みやすい家を重視する人
大きな窓で庭との一体感を出すのもおすすめですが、防犯面には注意する必要があるでしょう。
2階建てのメリット・デメリットと建て方のポイント
2階建ては、1階と2階に居住スペースを垂直に分離して配置する住宅で、限られた土地面積で広い居住空間を確保できます。
特に家族向け住宅で人気があり、部屋数を増やすことでそれぞれのプライベート空間を確保できます。
- 限られた敷地で十分な居住空間を確保したい人
- プライベート空間をしっかり確保したい人
内装は吹き抜けで上下階を繋げると開放感のあるおしゃれな空間になりますが、2階部分の居住スペースが減ってしまう点に注意しましょう。
総二階のメリット・デメリットと建て方のポイント
総二階は1階と2階の面積がほぼ同じ2階建てです。延床面積35坪の家の場合、1フロアの面積は17.5坪前後になるでしょう。
構造がシンプルでコストを抑えやすく、耐震性も高いですが、凹凸(おうとつ)が少ないため外観デザインは画一的になりやすいです。
- コストを抑えつつ耐久性を重視したい人
- 部屋数を多めに確保したい大人数家族
外壁にアクセントカラーやツートンカラーを使い、メリハリを付けるのもおすすめです。
35坪の家づくりで気になるポイントをQ&Aで解説

自分や家族に合った家を建てたいと考えた時、注意しなければいけないポイントが多岐に渡り、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
本章では、ここまで紹介してきた35坪の家に関する広さや家族構成、必要な費用やおしゃれに建てるポイントについて、重要なポイントを改めてQ&A形式で解説します。家づくりの参考として、ぜひご活用ください。
35坪の家は広いですか?狭いですか?
35坪は、日本の新築一戸建ての平均的な広さです。
広い・狭いという感じ方は現在の住まいや家族構成、ライフスタイルによって異なりますが、3~4LDKの間取りが一般的で、適切な収納計画と間取りの工夫があれば、ゆとりある暮らしが実現できます。
35坪の家は何人家族に向いていますか?
35坪の家は、3〜5人家族に適した広さです。
特に夫婦と子供1~2人の4人家族の場合、35坪は最適なサイズと言えるでしょう。子ども3人の5人家族でも、間取りを工夫すれば十分に暮らせますが、個室の広さや収納には制約が出てきます。
35坪の家を建てる費用はいくらですか?
2024年度フラット35利用者調査の結果から計算すると、注文住宅で35坪の家を建てる場合の本体工事費の平均費用は、約2,687万円です。付帯工事費と諸費用を概算で加えると、約3,839万円になります。
土地を持っていない場合は、これに加えて土地を購入する費用も必要になります。
おしゃれで広く見える間取りは、どうやって作りますか?
LDKを広めに取り、小上がりや勾配天井、スキップフロアなどを活用して空間に変化をつけると良いでしょう。
35坪の間取りでは特に動線の無駄をなくすことが重要で、水回りを集約させることで、限られた空間でも余裕を生み出せます。
子供や高齢者が安心して長く住める間取りを作るためのポイントは?
子供や高齢者が安心して長く住める間取りを作るには、平屋で建てるか、2階建てでも1階で日常生活が完結できるようにしておくのがおすすめです。
また、兼用スペースや間仕切り部屋を採用して一つの空間に複数の機能を持たせると、家族構成が変わっても柔軟に対応することができます。
家族の現在の生活だけでなく、将来のことも考えた家づくりを
本記事では35坪の家に着目し、家族構成や建て方・コンセプト別に分けた35坪の間取りの実例や、広さについての具体的な解説、平屋・2階建て・総二階といった建て方の特徴とおしゃれに建てるポイントを紹介しました。
同じ35坪の間取りでも、家族構成やライフスタイル、優先したい条件によって、最適な間取りは大きく変わります。どの建て方を選ぶにしても、現在の生活だけでなく将来の変化も想定した間取り計画が重要になるでしょう。
ぜひ、本記事を参考に、後悔のない家づくりを実現してください。
- 国土交通省「住生活基本計画」
- 住宅金融支援機構「2024年度フラット35利用者調査」
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