家族が増えて生活様式が変わると、今住んでいる家から現在の生活様式に合わせた家に引っ越したいと考える方も多いのではないでしょうか。
しかしただ漠然と引っ越したいと考えても、家族の形は人それぞれで、住居の種類もたくさんあるので、自分たちに合った家を探すのは大変です。
本記事では、家族が4人の場合に焦点を当て、4人家族が快適に暮らしていくにはどのような間取りが理想なのか、様々な視点から比較して紹介します。 ぜひ、間取りを考える時の参考にしてください。
IECOCORO編集部
群馬・栃木・宮城・山形で注文住宅の情報誌「IECOCORO(イエココロ)」を発行する編集部。WEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、地域の工務店情報のほか、多数の建築実例とイベント情報を紹介しています。
4人家族で快適な生活を送れる理想の広さとは?
家族4人で暮らす場合、どのくらいの広さが必要なのかわからないという方も多いのではないでしょうか。快適な生活を送るための居住面積については様々な考え方がありますが、国の策定した「住生活基本計画」では誘導居住面積水準と最低居住面積水準という2つの水準が定義されています。
誘導居住面積水準
誘導居住面積水準は、豊かな住生活の前提となる多様な生活様式に必要と考えられる住宅の面積に関する水準です。都市の中心及びその周辺における共同住宅居住を想定した都市居住型誘導居住面積水準と、都市の郊外及び都市部以外の一般地域における戸建住宅居住を想定した一般型誘導居住面積水準に分けて計算されます。
- 都市居住型誘導居住面積水準
-
都市の中心及びその周辺における共同住宅居住を想定した水準
単身者は40㎡、2人以上の世帯は20㎡×世帯人数+15㎡で計算する
- 一般型誘導居住面積水準
-
都市の郊外及び都市部以外の一般地域における戸建住宅居住を想定した水準
単身者55㎡、2人以上の世帯は25㎡×世帯人数+25㎡で計算する
上記の計算式で算出した結果をまとめたものが以下の表になります。なお、この計算式における世帯人数の考え方として、3歳未満は0.25人、3歳以上6歳未満は0.5人、6歳以上10歳未満は0.75人として扱います。ただし、算出された世帯人数が2人に満たない場合は2人として考え、4人を超える場合は算出された面積から5%引いて考えます。
世帯の人数 | 単身 | 2人 | 3人 | 4人 | |
誘導居住面積水準 | 都市居住型 | 40㎡(約12坪) | 55㎡(約17坪) | 75㎡(約23坪) | 95㎡(約29坪) |
一般型 | 55㎡(約17坪) | 75㎡(約23坪) | 100㎡(約30坪) | 125㎡(約38坪) |
一例として、夫婦と子供2人の4人家族の例を考えてみましょう。都市の郊外に注文住宅の一戸建てを建てたい場合、一般型誘導居住面積水準に基づくと必要な面積は25㎡×4+25㎡=125㎡(約38坪)です。ただし、子供の年齢を仮に2歳と5歳と想定すると、2歳は0.25人、5歳は0.5人換算ですので25㎡×2.75+25㎡=93.75㎡(約28坪)となります。
自分の家族構成の場合はどうなるのか気になる方は、以下にシミュレーターを用意しましたので選択肢を選んで確認してみてください。
誘導居住面積水準シミュレーション
坪数で表記されても具体的なイメージがわからないという方は、1畳単位で考えると良いかもしれません。畳については実は地域ごとに大きさに差があるのですが、不動産公正取引協議会連合会の「不動産の表示に関する公正競争規約」では、1畳=1.62㎡と定められています。1.62㎡は約0.5坪ですので6畳間は約3坪、8畳間なら約4坪です。
単位の換算表 | ||
1畳 | 1.62㎡ | 約0.5坪 |
6畳 | 9.72㎡ | 約3坪 |
8畳 | 12.96㎡ | 約4坪 |
12畳 | 19.44㎡ | 約6坪 |
15畳 | 24.3㎡ | 約7坪 |
20畳 | 32.4㎡ | 約10坪 |
24畳 | 38.88㎡ | 約12坪 |
家族4人にそれぞれ6畳間を用意したいと考えると約12坪必要ということになります。これだけ見ると余裕があるように感じられますが、家には居室だけでなく最低限玄関・台所・風呂・トイレが必要ですし、それらをつなぐ廊下や階段の面積も考えなくてはなりませんので、用意できる土地の広さに制限がある場合は間取りを工夫する必要が出てくるでしょう。
最低居住面積水準
住生活基本計画では、健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準として最低居住面積水準も定められています。誘導居住面積水準が満たせなくても、最低限こちらの水準は達成したほうが良いでしょう。
最低居住面積水準の計算式は単身者25㎡、2人以上の世帯は10㎡×世帯人数+10㎡です。こちらも誘導居住面積水準と同じく3歳未満は0.25人、3歳以上6歳未満は0.5人、6歳以上10歳未満は0.75人として扱います。算出された世帯人数が2人に満たない場合は2人として考え、4人を超える場合は算出された面積から5%引いた数字を結果とします。
世帯の人数 | 単身 | 2人 | 3人 | 4人 |
最低居住面積水準 | 25㎡(約8坪) | 30㎡(約9坪) | 40㎡(約12坪) | 50㎡(約15坪) |
自分の家族構成の場合はどうなるのか気になる方は、シミュレーターの選択肢を選んで確認してみてください。
最低居住面積水準シミュレーション
1LDK・2LDK・3LDK・4LDKの間取り別特徴と実例紹介
4人家族の間取りを選ぶ時の考え方
4人家族が快適に暮らすことができる間取りを考える時、どのような視点から見ると良いのでしょうか。
住居の間取りは、一般的に「3LDK」「4LDK」のように「〇LDK」という表記を基準にして分類されています。LDKはリビング・ダイニング・キッチンの略で、リビングとダイニングとキッチンの3つが1部屋に集まっている間取りを指します。LDKの前に付いている数字は、LDK以外の居室の数です。一見すると前に付いている数字が大きいほど家の面積が広いように感じられますが、家の中にあるのはLDKと居室だけではありませんから、4LDKの住宅より2LDKの住宅の方が広いこともあります。
「〇LDK」の数字の大きさで広さを判断することはできませんが、快適な生活を送るためには面積だけでなく居室の数も重要です。居住面積が同じでも居室の数が違うと用途別に居室を分けられるため、生活がしやすくなります。ただし居室が多ければ多いほど良いという訳ではなく、使わない居室があると動線の邪魔になり生活がしづらくなるということもあります。また一般的には部屋の数が多いほど材料費が高くなり値段も上がりますので、使わない居室があると費用面でも割に合わないかもしれません。
間取りを選ぶ時には、自分たちの生活様式において何を重視するのかを明確にすることが重要です。例えば、将来のために貯金したいなら1LDK・立地や設備にこだわりたいなら2LDK・過不足のない部屋数が欲しいなら3LDK・快適な暮らしを重視するなら4LDKといったように、自分たちの希望と予算計画を照らし合わせて考えましょう。以下で1LDK・2LDK・3LDK・4LDKの間取り別の特徴と実例を紹介しますので、参考にしてください。
居室の定義について詳しく見る
居室は建築基準法第二条において「居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室」として定められており、一般の住宅の場合には「リビング」「キッチン」「寝室」が当てはまります。LDKのある間取りではリビングとキッチンはLDKの括りに入りますから、「〇LDK」の数字部分は「寝室として利用できる部屋」の数として見ることもできます。
居室は広さについての定義がありませんので、居室として書いてあるからといって「〇畳以上」が保証されているということはありません。ただし、建築基準法第二十八条によって採光と換気についての基準は設けられているため、基準を満たす窓などの開口部がなければ居室と呼ぶことはできません。例外として地下室を居室として使用する場合採光の基準は適用されませんが、別途衛生上の基準を満たす必要があります。
玄関・トイレ・浴室・脱衣室・洗面所・押入れ・納戸・廊下などはLDKにも居室にも当てはまりませんので、「〇LDK」という表記のみではどのような広さか・そもそも存在するのかを判断することはできません。
DKとLDKの違いについて詳しく見る
DKはダイニング・キッチンの略で、ダイニングとキッチンが1部屋になっているものです。LDKとの違いはリビングがあるかないかということになりますが、どの程度の広さがあればリビングとして扱われるのでしょうか。
不動産公正取引協議会連合会の定める「不動産の表示に関する公正競争規約」によれば、DKとLDKの定義はそれぞれ以下のようになっています。
- DK
-
台所と食堂の機能が1室に併存している部屋をいい、住宅の居室数に応じ、その用途に従って使用するために必要な広さ、形状及び機能を有するものをいう。
- LDK
-
居間と台所と食堂の機能が1室に併存する部屋をいい、住宅の居室数に応じ、その用途に従って使用するために必要な広さ、形状及び機能を有するものをいう。
この定義によれば、DK・LDK以外の居室の数によってDK・LDKと表記する場合に必要な広さが変わってくるということになります。
この居室数と広さの関係については「不動産の公正競争規約集」で言及があり、以下の様に定義されています。
居室数 | DK | LDK |
1部屋 | 4.5畳 | 8畳 |
2部屋以上 | 6畳以上 | 10畳以上 |
DK・LDK以外の居室が1部屋しかない場合は4.5~7畳までがDK、8畳以上の広さがLDKという表記になり、DK・LDK以外の居室が2部屋以上ある場合は6~9畳までがDK、10畳以上の広さはLDKということになります。DKに満たない広さの場合は単にK(キッチン)と表記します。
S・N・DEN・WICについて詳しく見る
間取りを調べていると、S・N・DEN・WICといった記号を目にすることがあります。これらはすべて略称で、Sはサービスルーム・Nは納戸・DENは書斎・WICはウォークインクローゼットです。共通しているのは「居室としての採光や換気の要件を満たしていない部屋」であるという点です。ウォークインクローゼットについては専用の構造をしていることが多いですが、サービスルーム・納戸・書斎については間取りに使われている場合ほぼ同義語です。
居室の要件に広さの定義はありませんので、場合によっては6畳あるサービスルームというものも存在します。
1LDKの間取りの特徴
1LDKは、8畳以上のLDKと居室が1つの間取りです。4人家族で住む場合基本的にはLDKを生活空間とし、居室を4人全員の寝室として使うことになります。
1LDKの間取りを選ぶ場合、LDKと居室はなるべく広さを確保したいところです。また、広さだけでなくどのように私的な空間を確保するかも課題になるため、家族間で居室の使用方法についてよく話し合うことが重要です。
単身~2人家族に人気のある間取りのため、選択肢が豊富にあります。ただし単身~2人家族を想定して入居者を募集している賃貸は、物件自体がそもそも複数人で住むことを想定して作られていない場合が多いです。騒音などのトラブルや物件の大きな損耗を避けるため、4人家族での入居は断られる可能性がありますのでよく確認しましょう。
4人家族で賃料を低く抑えるために1LDKを選ぶ場合、納戸などの収納が付いた1LDK+SやLDKではなくDKと居室が2部屋ある2DKを選ぶという方法もあります。居住面積が同じでも部屋が2つあると私的な空間が確保しやすくなるため、生活様式によっては1LDKより快適に暮らすことができるでしょう。
- 賃貸の場合、支払う賃料を低く抑え浮いたお金を生活資金や貯金に回すことができる
- 人気のある間取りのため、選択肢が豊富にある
- 私的な空間の確保が難しい
- 収納場所が少なく荷物を多く置くことはできない
- 子供が大きくなると最低居住面積水準を下回る可能性が高い
1LDKの間取りは何㎡が多い?
賃貸の1LDKで多い専有面積は30~50㎡です。国の定める最低居住面積水準は全員10歳以上とした場合2人で30㎡、4人で50㎡となっていますから、家族のうち10歳以下が2人いるのであれば多くの物件で最低居住面積水準は満たすことができます。
1LDKの賃料の相場はいくら?
賃貸の1LDKはおおむね4~8万円程度の価格であることが多いです。地域による差が大きく、地方の市区町村では4万円以下で借りられる物件も多く存在する一方で、東京都ではほとんどの物件が最低でも6万円からとなっており主要な価格帯は10~16万円程度です。
1LDKはどんな家族に向いている?
1LDKが向いているのは子供2人がまだ小さく、貯金するために住宅にかける費用を抑えたい家族です。子供2人が小さいうちは生活空間にも余裕がありますが、ある程度大きくなったら最低居住面積水準を満たせなくなる可能性が高いので注意が必要です。
2LDKの間取りの特徴
2LDKは、10畳以上のLDKと居室が2つの間取りです。4人家族で大人2人と子供2人という構成の場合、大別して①1部屋を4人全員の寝室にしもう1部屋を収納・仕事部屋にする②大人と子供で部屋を分ける③性別で部屋を分けるという3つの形が考えられます。
4人家族で大人2人と子供2人の場合、広さの面でも私的な空間の確保の面でも1LDKでは子供が10歳以下でないと難しいことが多いです。しかし2LDKであれば、子供の成長とともに部屋の使い方を変えることである程度対応できます。例えば上の子供が1人部屋を欲しがった場合、大人2人と下の子供が1つの寝室を使い上の子供に1部屋使わせるということも可能です。あるいは、居室にある程度の広さが確保できるのであれば子供部屋を間仕切りで仕切って個人の空間を確保するという方法もあります。
2LDKは幅広い家族構成から人気のある間取りのため、物件数が多く立地や設備にこだわることが可能です。4人家族で住む場合には部屋の数が物足りないですが、使用方法を工夫することで対応することができるでしょう。
- 幅広い層から人気のある間取りのため、立地や設備・賃料の選択肢が豊富にある
- 部屋の使い方を工夫することで家族の生活様式の変化にもある程度対応できる
- 収納場所と私的な空間の確保の両立は難しい
- 誘導居住面積水準を下回る可能性が高い
2LDKの間取りは何㎡が多い?
賃貸の2LDKで多い専有面積は50~70㎡です。国の定める最低居住面積水準は全員10歳以上とした場合4人で50㎡となっていますから、多くの物件で最低居住面積水準は満たすことができます。ただし、誘導居住面積水準を満たそうとすると全員10歳以上の場合都市居住型で95㎡、一般型では125㎡必要になります。
2LDKの賃料の相場はいくら?
賃貸の2LDKは条件にもよりますが、4~10万円程度の価格であることが多いです。1LDKよりさらに地域による差が大きく、地方の市区町村では4~8万円程度が主流の価格帯である一方で、東京都では8~30万円台まで幅広い選択肢が存在しており50万円以上の物件も多くあります。
2LDKはどんな家族に向いている?
2LDKが向いているのは、立地や設備にこだわりがある家族です。賃料についても豊富な選択肢があるため、希望の条件を見つけられる可能性は高いと言えます。ただし、子供2人が大きくなってくると多くの場合手狭に感じるでしょう。
以下はWEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」から抜粋した2LDKの間取りの実例です。注文住宅の2LDKですので賃貸マンションの2LDKとは少しイメージが違いますが、基本的に部屋の配置に複雑さはありません。
2LDKの間取りで重要なのは、リビングと2つの部屋の位置関係です。賃貸や分譲のマンションでは、バルコニーなどの大きな開口部にどの部屋が面しているかを確認すると良いでしょう。
3LDKの間取りの特徴
3LDKは10畳以上のLDKと居室が3つの間取りで、4人家族という構成においては最も人気があります。4人家族で大人2人と子供2人という構成の場合、①大人2人で1部屋・子供2人で1部屋・収納や仕事に使う1部屋に分ける②大人2人が1部屋を使い子供2人が1部屋ずつ使うという2つの形が一般的です。
子供が大きくなって個人の部屋を欲しがった場合、2LDKでは間仕切りを用意するかどちらか片方だけ個室にするということになってしまいますが、3LDKであれば2人にそれぞれ個室を与えることが可能です。特に子供2人の年齢が近く異性である場合は早いうちから部屋を分けることも考えられますので、居室が3つあるのは大きな利点です。また、子供部屋を分けない場合でも収納や仕事などに使える部屋が1部屋あると生活がしやすくなります。
1LDKや2LDKはマンションやアパートが多く一戸建ては少ないですが、3LDKの場合は一戸建ても選択肢に入ってきます。マンションにするか一戸建てにするか、賃貸にするか持ち家にするかなども生活様式に合わせて考える必要があるでしょう。
- 子供2人にそれぞれ部屋を用意することが可能になるなど、私的な空間の確保がしやすい
- 賃貸の場合、1LDK・2LDKに比べて選択肢が少ない
3LDKの間取りは何㎡が多い?
賃貸の3LDKで多い専有面積は60~80㎡です。国の定める最低居住面積水準は全員10歳以上とした場合4人で50㎡となっていますから、最低居住面積水準を満たすことは容易です。ただし、誘導居住面積水準を満たそうとすると全員10歳以上の場合都市居住型で95㎡、一般型では125㎡必要になります。
3LDKの賃料の相場はいくら?
賃貸の3LDKは6~12万円程度の価格であることが多いです。都市部では土地が高額な分価格が高騰する傾向にあり、東京都では12~35万円台が主流の価格帯です。
3LDKはどんな家族に向いている?
3LDKは、3~4人家族の場合最も過不足がない間取りです。1LDKや2LDKでは子供が大きくなると手狭になってしまう可能性が高いですが、3LDKであれば子供が大きくなっても狭さを感じにくいでしょう。
以下はWEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」から抜粋した3LDKの間取りの実例です。3LDKになると部屋の配置の自由度がかなり上がることがわかります。また、注文住宅においては居室以外の設備の配置も生活する上で重要になってきます。
4人家族で3LDKに住む場合、賃貸よりも建売・分譲住宅を購入したり注文住宅を建てたりして一軒家の持ち家を選ぶ家族の割合が多くなってきます。一度に多くの金額が必要になり予算計画を綿密に立てなければなりませんが、自分たちの要望に沿った家を選びやすくなるので3LDKを検討するなら住宅の購入も視野に入れて考えてみましょう。
4LDK の間取りの特徴
4LDKは10畳以上のLDKと居室が4つの間取りで、4人家族の場合全員に個室を用意することが可能です。部屋の位置取りや使用方法についての選択肢が豊富にありますが、一般的に部屋数が多く広さがあるほど値段は上がりますので生活の利便性と住居にかける費用が釣り合っているかどうかは考える必要があります。
賃貸の場合、4LDKの間取りは広さを必要とするため高額になりやすく、単身~2人家族からの需要も少ないため選択肢は少なくなります。部屋数を増やすために1部屋あたりの面積が少なくなっている場合も多いです。特に都心部では好立地の4LDKを見つけるのは難しく、広さを求めるなら郊外や地方で物件を検討したほうが良いでしょう。
4LDKの間取りはマンションやアパートよりも一戸建てが多く、賃貸で借りるより建売・分譲住宅を購入するか新築で注文住宅を建てるという選択肢を選ぶ人が多くなっています。部屋の配置や設備の自由度が高いため費用や立地の問題を解決できるのであれば快適な生活を送ることができるでしょう。
- 家族全員に個室を用意することができる
- 収納が多く、荷物が多くても物が溢れにくい
- 部屋の使い方によっては趣味の部屋などを確保することも可能になる
- 賃貸の場合、選択肢が少ない
- 広さや立地にこだわると値段が高額になる
4LDKの間取りは何㎡が多い?
賃貸の4LDKで多い専有面積は80~110㎡です。国の定める最低居住面積水準は全員10歳以上とした場合4人で50㎡ですから、4LDKの時点で満たしているといって良いでしょう。誘導居住面積水準も全員10歳以上の場合都市居住型では95㎡ですから都市部では多くの物件が条件を満たします。一般型で誘導居住面積水準を満たすには125㎡が必要です。
4LDKの賃料の相場はいくら?
賃貸の4LDKは6~16万円程度の価格であることが多いです。東京都では12~50万円台まで幅広い選択肢があり、広さと立地を求めるとかなりの高額になってしまいます。
4LDKはどんな家族に向いている?
4LDKが向いているのは、家族全員に個室が欲しい・趣味の部屋や仕事の部屋を無理なく1部屋確保したい・将来的に家族を増やしたい・来客用の部屋が欲しい・荷物が多いので収納がたくさん欲しい・マンションより一戸建てに住みたいといった希望がある家族です。部屋数が多くなることでかかる費用も増えますが、希望に沿った利便性の向上が見込めます。
以下はWEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」から抜粋した4LDKの間取りの実例です。4LDKになると部屋の配置や設備の自由度がかなり高く、様々な工夫が凝らされていることがわかります。
4LDKは部屋数が多い分、動線についてもよく考えておかないと家の中で無駄な動きをすることになってしまうので注意が必要です。
自分たちが生活の上で必要としているものは何なのかを整理し、優先事項の軸を決めることが快適な間取りにするための鍵になります。
4人家族で暮らすなら一軒家とマンションどちらが良い?
住宅には様々な選択肢がありますが、4人家族で住むにはどのような形態が向いているのでしょうか?以下で、一軒家とマンション、新築と中古、賃貸と持ち家について各住宅の特徴を紹介し、賃貸と持ち家については30年住んだ時の試算も紹介しますので、間取りを考える時の参考にしてください。
一軒家とマンションはどちらが良い?
まずは戸建てと集合住宅のそれぞれの特徴とメリット・デメリットを比較してみましょう。それぞれの長所と短所を知ることで、どちらが自分に合っているのか検討しやすくなります。
一軒家とマンション、それぞれの特徴
- 建物と土地のすべてを所有者が独立して所有する
- 建物と土地の管理は所有者自身が行う
- 保守・点検についても所有者自身で計画し、費用を負担する
- 暮らし方や設備の使用についてのルールがなく、自由な生活ができる
- 複数の住戸が同じ建物と土地を所有する
- 専有部分(個別の住戸)と共用部分(建物自体の出入り口や廊下、駐車場など)に分かれる
- 管理組合が共用部分の保守・点検を行い、住人は管理費・修繕積立金を支払う
- 管理規約でルールが定められ、資産を共有するための取り決めがある
一軒家とマンション、それぞれのメリット・デメリット
一軒家のメリット
騒音トラブルが起きにくい
集合住宅と比べて、生活音が上階・下階の部屋や隣人に響く可能性が少ないため、騒音トラブルが起きにくくなります。特に小さな子供がいる家庭では、子供が室内を走り回ったり、大きな声を出したりするのを制御するのは難しいですから、生活音に必要以上に気を配らずに済むのは大きなメリットになります。
専用の庭と駐車場を持つことができる
専用の庭があれば、家庭菜園やバーベキューなど様々な用途に使用できます。また、駐車場を設置すると駐車料金を支払う必要がなくなるため、将来的に見た金銭的なメリットが大きいです。
環境を選ぶことができる
集合住宅と比べて立地の選択肢が幅広くなっているため、自分の希望に合わせた環境が選びやすいです。特に、静かな環境で暮らしたい、広い庭が欲しい、自然が豊かな場所が良いなどの希望がある場合は戸建てが向いているでしょう。
土地の資産価値は下がりにくい
戸建てでも集合住宅でも、建物本体の価値は経年とともに下がっていってしまいます。しかし、土地は経年での価値変動は起こりにくいというメリットがあります。
一軒家のデメリット
維持・管理は自己責任で行う必要がある
集合住宅には管理組合が存在し、維持・管理の計画に基づいて費用を徴収し、定期的な保守・点検を行います。一方戸建ての場合は、定期的な管理費・修繕積立金を支払う必要はありませんが、建物の維持・管理についてはすべて自分で計画して手続きも行わなくてはいけません。
防犯上のリスクが高い
戸建ては集合住宅と比べて外部からの侵入が容易となっており、空き巣などの犯罪に対する脆弱性が高いです。防犯対策設備を導入する場合も費用はすべて自己負担となるため、集合住宅と比べてコストが高くなります。
戸建てを新築で買う場合、注文住宅か分譲・建売住宅かという選択肢も発生します。
注文住宅は、土地を用意してその上に新しく住宅を建てる形態です。すでに所有している土地の上に建てたり、好きな土地を購入して建てたりします。土地の選定や家のデザイン・間取りなどを自由に選択できますが、費用は高くなる傾向にあります。
分譲・建売住宅は、すでに完成している住宅が土地とセットで販売されている形態です。分譲住宅と建売住宅はほぼ同義ですが、土地が分譲地で複数戸をまとめて建てているのが分譲住宅、個別に建てているのが建売住宅です。建物が規格化されていることが多く、自由度は低めですがその分費用は抑えられています。
マンションのメリット
防犯面で安心感がある
集合住宅では要所に防犯カメラを設置したり、鍵をオートロックにしたりするなどの防犯上の対策が取られていることが多く、安心感があります。集合住宅によっては警備会社と契約して24時間の警備体制を取っている場合もあります。
維持・管理を外部委託できる
定期的に管理費・修繕積立金を支払う必要はありますが、自分で保守・点検を考える必要がなく、維持や管理について大部分を外部委託できます。一般的には建物自体の玄関や廊下などの共用部分の清掃・管理も管理会社が行います。
マンションのデメリット
騒音トラブルが起きやすい
上下左右が他の住戸と隣接している構造上、生活音でのトラブルが発生しやすくなっています。小さな子供がいたり、室内での運動を考えたりする場合には特に注意する必要があるでしょう。
駐車場の利用に料金がかかる
集合住宅の場合、駐車場も共用になるため利用するには駐車料金を支払う必要があります。通常1台ごとに計算しますので、複数台所有している場合はその分だけ費用が発生することになるでしょう。
新築と中古はどちらが良い?
新築と中古にも、それぞれメリットとデメリットがあります。自分の現在の経済状況や希望条件と照らし合わせて、どちらが自分に合った選択肢か考えてみましょう。
新築物件のメリット・デメリット
新築物件は建物や設備が新しいため、きれいな環境で快適な生活を送ることができます。注文住宅の場合には、内装やデザイン・間取りを自分の好みで選ぶことも可能です。保証期間も長いことが一般的で、建物の品質に対する信頼性が高いです。
一般的に、中古物件に比べて購入費用が高額になります。また、注文住宅や建設中の建物を購入する場合、入居までに待機期間が発生します。人気のある地域では、希望に合う新築物件を見つけることが難しいこともあるでしょう。
中古物件のメリット・デメリット
一般的に、新築住宅に比べて購入費用が抑えられます。また、多様な物件が市場に出ているため、好みや予算に合わせた物件を見つけやすいでしょう。近年ではSDGs(持続可能な開発目標)に対する関心が高まっており、環境への負荷を削減する選択肢として中古住宅の再利用が推進されています。
多様な物件がありますので一概には言えませんが、経年劣化による修繕や改装の必要性がある場合があります。また、売買契約時にはわからなかった隠れた問題や修復が必要な事項が後から発覚する可能性がありますので、物件の選定には注意が必要です。
近年では、中古物件をリフォーム1・リノベーション2して売りに出している会社や、中古物件をそのまま買って自分でリフォーム・リノベーションするという選択肢を取る人も出てきており、中古物件の選択肢はより多様化しています。
賃貸と持ち家はどちらが良い?
住宅は、賃貸で借り続けるのと自分で家を購入するのとではどちらが良いのでしょうか?以下で、賃貸と持ち家についてもそれぞれメリットとデメリットを紹介します。
賃貸のメリット・デメリット
引っ越し費用はかかりますが、賃貸住宅であれば人生の様々な節目や状況の変化に応じて気軽に引越しをすることができます。また、建物の維持管理は建物の所有者が行うため維持管理の計画を立てる必要がなく、不動産を購入しているわけではないので不動産を所有する時にかかる税金も支払う必要がありません。
多くの場合、内装や設備に変更の自由がなく、賃料を支払っても資産形成には結びつきません。一般的に短期的には賃貸住宅の方が当座の支払いが安く済みますが、長期的には持ち家の方が総支払い額が安く済みます。また、高齢になると自由に物件を借りることが難しくなる場合があります。
持ち家のメリット・デメリット
持ち家は自分の資産になるので、将来子供に相続したり売却したりすることができます。内装や設備も自由に変えることが可能で、住宅ローンを完済してしまえばその後の支出は大きく削減できます。
住宅の購入には多額の費用が必要となります。住宅ローンを利用する場合金利が発生するため総支払い金額は実際の住宅の金額より高くなり、多くの場合火災保険などに入ることが融資の条件になっていますから保険料もかかります。また、不動産を所有すると固定資産税などの税金がかかるため、住宅ローンの返済以外にも毎年費用が発生します。建物の維持管理も自分で計画的に行わなければならず、引越しも気軽にはできません。
30年住んだ時の金額シミュレーション
賃貸か持ち家かを決める時には、金額も重要になってきます。以下で、賃貸と持ち家のそれぞれについて、30年住むことを仮定したシミュレーションを用意しました。
賃貸
以下は賃貸において月額の家賃がそれぞれ8万円・10万円・12万円・15万円・20万円の場合、30年住んだ時の支払金額がいくらになるかを試算した表です。管理費・修繕積立金・駐車場代・保険料は物件ごとにかなり差があるため、わかりやすいように金額を固定しています。更新料については明確な規定はありませんが、一般的に2年に1回、月額の家賃の1~2か月分を支払うことが多いので、今回の表では家賃の1.5か月分の金額で試算します。
家賃(月額) | 6万円 | 8万円 | 10万円 | 12万円 | 15万円 | 20万円 |
管理費・ 修繕積立金(月額) | 2万円 | 2万円 | 2万円 | 2万円 | 2万円 | 2万円 |
更新料(2年に1回) | 9万円 | 12万円 | 15万円 | 18万円 | 22.5万円 | 30万円 |
駐車場代(月額) | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 |
保険料(月額) | 1250円 | 1250円 | 1250円 | 1250円 | 1250円 | 1250円 |
1年でかかる金額 | 114万円 | 139.5万円 | 165万円 | 190.5万円 | 228.75万円 | 292.5万円 |
30年でかかる金額 | 3420万円 | 4185万円 | 4950万円 | 5715万円 | 6862.5万円 | 8775万円 |
より細かく金額を指定して試算したい場合は、以下のシミュレーターを使用して金額を選ぶと概算の支払い金額が算出されます。ただし、いろいろな条件によって金額は変わってきますので、あくまで目安として参考にしてください。
賃貸物件支払額シミュレーション
持ち家
持ち家の場合、購入金額は初めからわかっていますので賃貸よりは費用がわかりやすいです。ただし、「購入したら自分の物になるのでそれ以降の出費が発生しない」ということはなく、賃貸にはなかった固定資産税3や都市計画税4を負担することになります。
持ち家支払額シミュレーション
物件の合計金額:0円
管理費・修繕積立金、駐車場代、保険料を加えた合計支払額:0円
固定資産税と都市計画税を加えた総支払額:0円
※固定資産税評価額5は各自治体の評価により変動し正確に設定することができないため、土地の場合は公示価格の約70%、建物の場合は購入金額の60%に仮設定して試算しています。
※実際には建物本体の固定資産税評価額は経年に伴い減少するため支払う固定資産税・都市計画税も合わせて減っていきますが、このシミュレーターではわかりやすくするため固定資産税評価額は変動させていません。
※戸建ての場合は新築から3年間、マンションの場合は新築から5年間は家屋の固定資産税が1/2に軽減されます。
※住宅用地は特例による固定資産税・都市計画税の減税措置があります。土地の広さによって減額の割合は異なり、200㎡以下の部分については固定資産税が1/6・都市計画税が1/3に、それを超える部分については固定資産税が1/3・都市計画税が2/3になります。このシミュレーターでは土地が住宅用地かつ200㎡以下であるものとして固定資産税・都市計画税を算出しています。
税金以外の賃貸との大きな違いが住宅ローンです。住宅の購入には大きな金額がかかりますから、多くの人は住宅ローンを借りて購入します。住宅ローンには利子が発生しますので、金利に応じた支払いが必要となり借入金額よりも多くの額を返済する必要があります。
ただし、住宅ローンに対しては国が住宅ローン減税という減税制度を設けています。これは無理のない負担での住宅確保を促進するため、住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得又は増改築などをした場合に年末のローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除する制度です。住宅ローンの金利や年収・借入金額にもよりますが、住宅ローンの利子返済金額よりも住宅ローン減税による控除金額の方が大きくなる場合もあります。
それぞれの住宅の特徴を把握し、将来のことも含めて考えよう
家族の形態は人それぞれ違いますから、自分たちにどのような家が適切か見極めるのは難しいところです。 賃貸にしても持ち家にしても多くの出費になりますから、現在の自分たちの生活と将来の展望を合わせて考えて、慎重に選ぶことが重要です。
夫婦2人と子供2人の4人家族の場合、子供たちが小さいうちと大きくなってからでは必要な設備も変わってきます。いろいろな住宅の形態の特徴をよく比較して、理想の家の計画について考えてみましょう。
- リフォームとは老朽化した建築物を新築に近い状態に戻すことを指し、キッチンの改装・浴室の改修・部屋の仕切り壁の撤去・床の張り替え・塗装などを行います。建物の構造を大幅に変更することは一般的でなく、主に内部の仕上げや設備の交換が中心です。 ↩︎
- リノベーションとは既存の建築物に工事を加えて既存のものよりも価値を高めることを指し、外壁の修理・屋根の交換・断熱材の追加・電気や配管の更新・建物全体の構造の補強などを行います。建物の基本的な構造に対する変更を伴う、大規模な工事になることがあります。 ↩︎
- 固定資産税は、自己所有の土地や建物にかかる毎年の地方税です。毎年1月1日時点の所有者が納税義務者となるため、年の途中で売買が行われた場合は売主が当該年の固定資産税を納付する義務があります。 ↩︎
- 都市計画税は都市計画事業や土地区画整理事業を行う市町村が、都市計画区域内にある土地や家屋に対してその事業に必要となる費用に充てるために課する税金です。課税するかどうかは市町村の自主的な判断に委ねられているため、課税がない市町村もあります。 ↩︎
- 固定資産税評価額は固定資産税を計算するための基準となる固定資産の価値で、購入価格や販売価格とは異なります。土地の場合は公示価格の約70%が目安とされ、地域や形状などが評価に影響します。建物の場合は工事請負契約の50%から70%が目安です。公示価格は3年に1度見直され、固定資産評価額もそれに伴い変動します。 ↩︎
- 国土交通省「住生活基本計画」
- 国土交通省「住宅ローン減税」
- 不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約」
- 不動産公正取引協議会連合会「不動産の公正競争規約集」
- e-Gov法令検索「建築基準法」
イエココロのWEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、群馬・栃木・宮城・山形を中心とした工務店情報やモデルハウス情報のほか、多数の「建築実例」を紹介しています。お近くにお住まいの方は、ぜひチェックしてください。