家を買うべき年齢とは?平均年齢と年代別メリット・デメリット

家を買うべき年齢とは?平均年齢と年代別メリット・デメリットを紹介

住宅の購入はその後の人生にも影響のある大きな出来事ですが、様々な要因が絡んでいるため、いつ購入するのが良いのか、タイミングに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

金額の大きな買い物であり、一般的には住宅ローンを組んで支払うことになりますから、返済の計画にも気を使わなければなりません。

本記事では、一般的な住宅購入時の年代や平均年齢の紹介から家を買うタイミングの考え方それぞれの年代におけるメリット・デメリットまで解説します。 ぜひ、住宅購入の年齢を考える時の参考にしてください。

この記事を書いた人

IECOCORO編集部
群馬・栃木・宮城・山形で注文住宅の情報誌「IECOCORO(イエココロ)」を発行する編集部。WEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、地域の工務店情報のほか、多数の建築実例とイベント情報を紹介しています。

目次

家を買う年代と平均年齢はどの位?

家を買う年代と平均年齢の解説

家の購入を考える時、一般的に家を買う年代や平均年齢はどの位なのか気になる人も多いのではないでしょうか。

国土交通省が公表している令和5年度住宅市場動向調査では、調査に参加した人の家を買った時の年代や平均年齢を見ることができます。以下で表にしましたので、詳しく見てみましょう。

なお、注文住宅は全国、それ以外は三大都市圏での調査結果です。無回答は含めず、それぞれ最も多い年代の背景を着色してあります。

家を買う時の年代

区分30歳未満30歳代40歳代50歳代60歳代以上
注文住宅10.1%36.7%21.6%10.5%20.4%
分譲戸建住宅13.5%48.0%26.4%5.1%4.2%
分譲集合住宅6.0%42.7%25.8%12.5%12.1%
中古戸建住宅3.0%29.8%29.8%17.4%17.7%
中古集合住宅2.8%33.6%25.6%17.0%20.4%
令和5年度住宅市場動向調査より抜粋

この表を見ると、住宅の購入の主要な層は30歳代と40歳代です。

おおまかな傾向として、30歳未満は新築物件を好む傾向にあり、30歳代は全体的に住宅購入に積極的です。40歳代になると中古物件の購入にも関心が高まり、50歳代ではさらに中古物件の割合が増加しますが、60歳代以上になると定年後の住み替えの需要から注文住宅や分譲集合住宅の割合が再び高まるようです。

家を買う時の平均年齢

それぞれの住宅購入時の平均年齢は以下の様になります。

注文住宅44.8歳
分譲戸建住宅38.2歳
分譲集合住宅43.0歳
中古戸建住宅46.7歳
中古集合住宅46.7歳
令和4年度住宅市場動向調査より抜粋

それぞれの平均年齢は注文住宅が44.8歳、分譲戸建住宅が38.2歳、分譲集合住宅が43.0歳、中古戸建住宅と中古集合住宅が46.7歳です。

平均年齢からみても、若い層ほど新築物件を好み、年齢が上になるにつれて中古物件も視野に入ってくる傾向にあります。また、年代の分布と合わせて考えると、注文住宅と分譲集合住宅が分譲戸建住宅よりも平均年齢が高くなっているのは60歳代の住み替えの需要が影響していると言えるでしょう。

家を買うタイミングの考え方

住宅を購入するタイミングの考え方には、大きく分けて①年齢に応じた考え方②年収に応じた考え方③ライフイベントに応じた考え方という3つの軸が存在します。

①年齢に応じて考える

1つ目の軸は、年齢に応じた考え方です。住宅購入における主要な層は30歳代と40歳代になります。

住宅購入時には多くの人が住宅ローンを利用しますが、住宅ローンには一般的に20歳以上65歳未満という年齢制限があります。ローンの返済期間は最長で35年、完済期限は80歳までに設定されている場合が多いので、単純に逆算すると45歳までにローンを組めば住宅ローンを最大限に利活用できることになります。

しかし、定年退職があることを考えると80歳での完済は収入面で不安を伴う可能性が高いため、将来の収入面を考慮するとなるべく早い段階での購入が推奨されるでしょう。

参考として、国土交通省の令和5年度住宅市場動向調査によれば、住宅の購入時の平均価格は新築の場合注文住宅(土地なし)が4,319万円、注文住宅(土地込み)が5,811万円、分譲住宅が4,290万円、集合住宅が4,716万円です。中古の場合は戸建ての平均価格が2,983万円、集合住宅が2,793万円になります。

新築中古
戸建て注文住宅4,319万円(土地なし)2,983万円
5,811万円(土地込み)
分譲住宅4,290万円
集合住宅4,716万円2,793万円

例としてこの表の平均価格に準じた新築の分譲住宅を購入すると仮定すると、頭金(自己資金)が全くない場合、住宅ローンを35年で組むと単純計算で4,290万円÷35年=122.6万円となり、1年に支払う金額は約123万円です。実際には住宅ローンには利息がかかりますから、金額はもっと大きくなります。

働いている間は収入がありますが、仕事を引退して年金で生活している場合毎年約123万円かかるのはなかなかの負担です。仕事を引退する年齢を考えて、逆算していつまでに購入するのが良いのか計算してみましょう。

②年収に応じて考える

2つ目の軸は、年収に応じた考え方です。国土交通省の令和5年度住宅市場動向調査によれば、住宅購入における世帯年収は主要な層が400~800万円未満になります。

世帯年収
区分注文住宅分譲戸建住宅分譲集合住宅中古戸建住宅中古集合住宅
400万円未満9.6%3.0%3.6%11.4%14.2%
400~600万円未満19.1%23.1%19.8%29.1%21.5%
600~800万円未満22.2%20.7%18.1%17.4%18.7%
800~1000万円未満17.4%20.4%19.0%12.7%12.1%
1000~1200万円未満9.0%10.2%10.9%5.0%6.9%
1200~1500万円未満6.4%4.5%7.7%3.3%4.8%
1500~2000万円未満5.3%1.8%4.0%3.0%1.4%
2000万円以上4.8%0.6%3.2%1.0%1.7%

年収を軸に考える時に重要になるのは、年収倍率と返済負担率です。

住宅金融支援機構の2023年度フラット35利用者調査では、所要資金を世帯年収で割った数値を年収倍率として公表しています。

住宅の区分年収倍率
中古戸建て住宅5.3倍
建売・分譲住宅6.6倍
注文住宅7.0倍
土地付き注文住宅7.6倍
住宅の区分別に見る年収倍率

あくまで平均値ですが、フラット35の利用者は自分の年収に対して中古戸建て住宅の場合5.3倍、建売・分譲住宅の場合6.6倍、注文住宅の場合7.0倍、土地付き注文住宅の場合は7.6倍の家を購入していることになります。

例として分譲戸建住宅の場合で考えてみましょう。一番多い層である600~800万円の年収の場合、6.6倍で計算すると600万円では3,960万円、800万円では5,280万円が購入価格の目安ということになります。

返済負担率は、年収に対する1年間の返済額の割合で、「1年間の返済額÷年収×100」で計算することができます。一般的に無理なく返済しやすい返済負担率は25%以下と言われています。参考として、令和5年度住宅市場動向調査では年収に対する住宅ローンの返済負担率の平均は19.4%です。

年収倍率と同様に分譲戸建住宅を例として、頭金なしの35年ローンを組むことを考えて計算してみましょう。600万円の年収で3,960万円の物件を購入した場合と800万円の年収で5,280万円の物件を購入した場合、返済負担率はどちらも約18.9%になります。

年収を軸にして考える場合、自分が購入を考えている家の価格に対して年収が無理のない範囲に収まっているか、十分に検討することが重要です。

③ライフイベントに応じて考える

3つ目の軸は、ライフイベントに応じた考え方です。

ライフイベントに応じた考え方では、結婚・出産・子供の進学・子供の独立・定年退職など、その後の人生に影響のある、生活上の大きな出来事に対応して住宅の購入を考えます。

結婚

結婚は、将来の計画を2人で考えながら住宅を選ぶ良い機会です。夫婦でペアローンを組むことも可能で、年齢によっては定年退職前に返済を終わらせることも可能になるでしょう。このタイミングで住宅を購入する場合、子供のことや仕事上の制約など、将来的な変化に備えて家を選ぶ必要があります。

出産

出産を機に家を購入する場合には、子育てを円滑に行うための要因が重要になってきます。教育環境だけでなく、周辺の安全性や公共施設の充実度なども考える必要が出てくるでしょう。

子供の進学

子供の進学に合わせて家を購入する場合もあります。特に有名な小学校の学区内などは人気のある土地であり、将来的な資産価値の維持も期待されます。子供の進学を機に家の購入を検討する場合、教育環境に焦点を当てて選択すると良いでしょう。

子供の独立

子供が独立し、子供部屋が必要なくなったタイミングで老後の生活を考えて家を購入することも考えられます。こうした場合には、老後の資金計画をよく検討する必要があるでしょう。年金収入や月々の支出を考慮した、慎重な計画を立てることが重要です。

定年退職

定年退職を契機に新しい家を購入する場合もあります。仕事を辞めた後の新しい人生を楽しむために新たな環境を求める人が多いようです。生活を充実させるだけでなく、身辺整理を考えて小さな家に住み替えるという考え方もあります。

20代でマイホームを購入、後悔しない?

住宅ローンの返済を考えると、返済開始年齢は早ければ早いほど完済の年齢も早くなりますから、20代で返済を始めれば老後の暮らしの負担が少なくなることが予想されます。一方で、20代で家を買うなんてまだ早いのではないか、後悔してしまいそうで不安だと考える人も多いでしょう。

20代で家を購入する場合、どんなメリットやデメリットが考えられるでしょうか?以下で見てみましょう。

20代で家を購入する場合のメリット

住宅ローンの返済期間を長く設定できる

20代で家を購入すると、住宅ローンの返済期間を長く設定することができます。月々の返済額を抑えることで生活上の経済的な負担を軽減することができるでしょう。

家賃を支払う期間が短くなる

20代で家を購入すれば、賃貸住宅に住む期間が短くなり、家賃を支払う期間も減少します。家賃はずっと支払い続けると莫大な金額になりますから、支払う期間が短いほど貯蓄には余裕ができます。

老後の資産形成に余裕が生まれる

20代で返済を始めることができれば、定年退職までには住宅ローンを完済できている可能性が高いです。定年後の生活に余裕が生まれ、老後の資産形成が容易になります。

20代で家を購入する場合のデメリット

借入可能額が少なくなる

20代は一般的に年収が高くないため、金融機関からの融資額が制限され、理想の家を購入するための十分な資金を用意できないかもしれません。

生活上の不確定要素が多い

多くのライフイベントがまだ訪れていない為、購入した家が将来の自分の需要とズレてしまう可能性があります。仕事の転勤や家族の変化などがあると、せっかく購入した家を手放すことになる場合も考えられます。

35歳で家を買うのは遅い?

令和5年度住宅市場動向調査によれば、30代は最も多く住宅を購入している年代です。多くの人が30代で住宅を購入する理由は何が考えられるでしょうか?

以下で、30代で家を購入する場合のメリット・デメリットと30代の前半・後半で変化する要素について解説します。

30代で家を購入する場合のメリット

資金にゆとりができる

30代は20代と比べて年収が増加し、資金に余裕ができます。これにより、理想の家が建てやすくなります。

住宅ローンの審査が通りやすく、返済計画の見通しが立てやすい

30代になると年収や生活が安定してくるため、住宅ローンの審査が通りやすくなり、返済計画も立てやすくなります。

30代で家を購入する場合のデメリット

生活の変化で家に求める条件が変わる可能性がある

30代はまだ若く、転職や転勤、結婚や出産などを機に生活様式が変化するかもしれません。それに伴って、家に求める希望条件が変わる可能性があります。

繰り上げ返済が必要になる可能性がある

返済期間の設定によっては定年後にも住宅ローンの返済が残っている場合があります。老後の生活のことを考えて繰り上げ返済を検討する必要があるかもしれません。

35歳で家を買うのは遅い?

30代での購入は平均的と言えますが、35歳以降では遅いと聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

30代前半と後半で変わってくる要素として一番大きなポイントは、「35年ローンを組んだ時、定年退職するまでの間に完済できるかどうか」という点です。

35年は、多くの住宅ローンで設定されている返済期間の上限の年数です。同じ金額を借りた場合、返済期間を長く設定した方が年単位の負担は少なくなりますから、多くの人が上限の35年を返済期間として設定します。

現在、日本の多くの企業は60歳または65歳を定年としていますから、35年のローンを利用すると60歳で完済したい場合は25歳、65歳で完済したい場合は30歳までにローンを組まないといけない計算になります。このため、多くの人が30代前半でローンを組みたいと考えるのです。

しかし、絶対に35年ローンを利用しなければいけないわけではありません。返済期間が長いということはメリットだけではなく、利息を支払う期間も増えるため最終的な総支払額が大きくなってしまうというデメリットがあります。利息をなるべく支払わないようにするために、短い返済期間に設定したり繰り上げ返済を選択したりする人もいます。

自分自身の生活様式をよく考えて検討する必要があるでしょう。

45歳で家を買うべきか

令和5年度住宅市場動向調査によれば、40代は30代の次に住宅を購入している年代です。さらに、40代になると30代と比較して新築物件だけでなく中古物件の需要も増えてきます。

40代で家を購入する場合のメリット・デメリットにはどんなものがあるでしょうか?以下で見てみましょう。

40代で家を購入する場合のメリット

住宅ローンの借入額を減らすことができる

40代で家を建てる場合、30代よりも年収が増加している可能性が高いため、住宅ローンを借りる場合でも多くの頭金を用意できます。結果として借入額を減らすことができ、総支払い額も減少します。

生活が安定し、建築計画が立てやすくなる

40代になると職業や生活様式が安定していることが多く、不確定要素が少なくなるため、無駄のない間取りや設計の建築計画を立てやすくなります。

40代で家を購入する場合のデメリット

35年ローンは組みづらい

40代で住宅ローンを利用する場合、35年の長期ローンを組むのが難しいことがあります。これにより、返済期間を短く設定せざるを得なくなり、月々の返済額が増加する可能性があります。

賃貸住宅への家賃支払いが増加する

家を購入せずに賃貸住宅に長く住んだ場合、住めば住むほど賃貸住宅への家賃支払いは累積で増加していくことになります。

③家族形態が変化する可能性がある

子供がいる場合、ある程度子供が大きくなってからの購入になるため、子供部屋を用意しても数年もしないうちに子供が独立して部屋が必要なくなったり、生活様式が大きく変化したりしてしまう可能性があります。初めから子供部屋は作らないか他に流用可能な作りにするなどの工夫が必要です。

④他の大きな出費と支出のタイミングが重なる

子供がいる場合、大学進学などの大きな費用がかかるタイミングとの兼ね合いに注意しなければなりません。

45歳で家を買うべきか

45歳まで家を買わずに暮らしてきた場合、家の購入はタイミングを逃してしまったのではないかと不安になる人も多いのではないでしょうか。

45歳は35年ローンを組む時の実質的なタイムリミットの年齢です。多くの住宅ローンでは完済時の上限年齢が定められており、80歳前後が多くなっています。完済年齢が80歳ということは80-35=45歳までに申し込む必要があるということになります。

住宅金融支援機構の提供するフラット35などでは、80歳-申込時の年齢(1年未満切上げ)」という設定になっていますから、35年ローンが組めるのは44歳までです。

上記の理由から、45歳以上になってしまうと住宅ローンの最大限の活用は難しくなります。しかし、実際には多くの人は45歳であればある程度の頭金が準備でき、20代や30代よりも借入金額を少なくすることが可能であると考えられます。

また、設定として可能であっても、実際には多くの人が80歳まで返済を続けるのは避けたいと考えます。最初から短めに返済期間を設定したり繰り上げ返済を利用したりする人も増えますので、35年のローンを組めないことはそこまで意識しなくとも良いでしょう。

ただし、子供がいる場合は大学進学費用などの教育費との兼ね合いや子供が独立した場合に部屋をどうするのかなどのタイミングが難しい時期ではあります。自分自身だけでなく家族のライフイベントのこともよく考えて検討する必要があるでしょう。

50歳で家を買う時の注意点

令和5年度住宅市場動向調査を見ると、50代は中古住宅の需要が高い年代です。他の年代と比べて新築志向が低いのは、経済面だけでなく、生活の質や家族との関係、健康面での配慮など、多角的な視点から判断した結果だと考えられます。

50代で住宅を購入する場合に考えられるメリットとデメリットは何があるでしょうか?以下で見てみましょう。

50代で家を購入する場合のメリット

①家族形態によって家の広さが最小限で済む

50代になると子供がいても独立している可能性が高いため、家の広さを最小限に抑えることができます。これにより、建設費用を削減できます。

生活様式に大きな変化がないため、設計しやすい

50代以降は生活様式に大きな変化がないことが予測されるため、無駄のない設計がしやすくなります。

③住宅ローンの借入額が少なくて済む

50代はある程度の年収と貯蓄があると考えられるので、住宅ローンを借りる場合でも多くの頭金を用意できます。結果として借入額を減らすことができ、総支払い額も減少します。

50代で家を購入する場合のデメリット

住宅ローンの利活用が難しい

50代以降では返済期間がどうしても短くなってしまうため、無理のない返済計画を立てるのが難しく、用意できる頭金の金額や年収によっては住宅ローンを組めない可能性があります。

老後の資金に不安要素が残る

住宅購入に多額の資金を割いてしまうと生活費に影響し、老後の資金に不安要素が残る可能性があります。

50歳で家を建てる時の注意点

50代で家を買う場合に考慮しなくてはならない点として、団体信用生命保険の年齢制限があります。

団体信用生命保険は、住宅ローンを利用している人が返済の途中で死亡したり事故や病気で重大な障害が残ってしまったりして返済が困難になった場合に、生命保険会社が残代金分を肩代わりして金融機関に支払ってくれる保険です。

この団体信用保険には、基本的な保障に加えて保障範囲にがんや3大疾病を含める特約が付いているものなど様々な種類があります。しかし、特約付きのものの多くは加入時の年齢に「40歳まで」「50歳まで」といった制限が付いているのです。

このような年齢制限によって特約付きの団体信用生命保険に加入できないけれど、がんや3大疾病には備えたいという場合は、別途民間の特定疾病保険に加入する必要があります。

60歳からの家づくり

令和5年度住宅市場動向調査を見ると、60代以上になると50代と比べて定年後の住み替えの需要から注文住宅や分譲集合住宅を購入する割合が高くなる傾向にあります。子供が独立した後に終の棲家として自分たちだけの家を購入できるのは魅力的ですが、住宅ローンの借入に制約があるなど60代ならではの不安要素もあります。

60代で家を購入する場合、どんなメリットやデメリットが考えられるでしょうか?以下で見てみましょう。

60代で家を購入する場合のメリット

家の広さが最小限で済み、バリアフリーに配慮するなど自分たちの生活に合わせた家が建てられる

子供のことを考えず、自分たちの利便性を追求した家を建てることが可能になります。

住宅ローンの借入額が少なくて済む

退職金や年金、貯蓄を活用することで住宅ローンの借入額を少なくすることができます。場合によっては借入をせずに購入することも選択肢に入るでしょう。

相続税対策になる

不動産は取引される時価(実勢価格)と相続税がかかる基準となる価格(相続税評価額)に大きな差があります。そのため、将来子供や孫に相続する際に相続税が発生する金額の財産がある場合、現金で相続するより不動産で相続した方が相続税の負担が小さくなります。

60代で家を購入する場合のデメリット

資金が固定化され、すぐに動かせなくなる

現金であれば何か不測の事態が起きた時でもすぐに資金が動かせますが、不動産として所有している場合柔軟性の低下は避けられません。

②家の維持・管理が負担になる可能性がある

家は購入して終わりではなく、長く快適に住むためには定期的なメンテナンスが必要です。年齢とともに増加する住宅メンテナンスが、身体的・経済的に負担に感じることが多くなるかもしれません。

住宅ローンの利活用が難しい

住宅ローンは借入時の年齢は65~70歳前後、完済時の年齢は80歳前後を上限として設定していることが多いため、60代であれば借入自体は可能なことが多いです。しかし、健康面での審査が厳しくなったり、返済期間を短く設定せざるを得なかったりして十分な金額を借りることができない可能性があります。

60歳からの家づくり

60歳で家を買う時に住宅ローンを利用したいけれど、健康面や資金面で通常の住宅ローンの契約が難しいという人もいるでしょう。そのような場合に、「親子リレーローン」「リバースモーゲージ型住宅ローン」を利用してはどうかと勧められることがあります。

普段あまり耳にすることのない用語ですが、親子リレーローンやリバースモーゲージ型住宅ローンとはどのような形態の住宅ローンなのでしょうか?以下で簡単に解説します。

親子リレーローン

親子リレーローンは、親子で1つの住宅ローンを契約し、二世代に渡りリレー方式で返済を行う住宅ローンです。親子で持ち分を決めて初めは親が返済を開始し、親が持ち分を完済する・親が退職する・親が亡くなるなどした後は子供が残りの返済を引き継ぎます。

子供の年齢をもとに借入期間を算出するため、60歳以上でも長期の借入が可能です。

契約には条件がありますが、親子それぞれが住宅ローン控除を受けられる可能性があるなど、うまく利活用できれば様々なメリットがあります。

ただし、子供が新たに別の住宅ローンを組みにくくなるなどの懸念点もありますので、契約する時は家族で十分に話し合って将来的なライフプランをよく考え決定しましょう。

リバースモーゲージ型住宅ローン

リバースモーゲージ型住宅ローンは、自宅を担保にして借入を行い、契約者が生きている間は利息分のみ返済を行い、契約者が亡くなったら自宅を売却して元本を返済する特殊な住宅ローンです。

住宅金融支援機構が保証を行うため、売却時の金額が借入金額を下回っても不足分が請求されることはありません。

自己資金が少なくても住宅を購入でき、月々の支払いも少なくて済みますが、返済は契約者が生きている間ずっと続きます。また、返済金額はその時々の金利に左右されて上下するので、資金計画が立てにくいという側面もあります。

契約する時は仕組みをよく理解して、納得してから契約するようにしましょう。

家を買ってはいけない年齢はない

家をいつ購入するべきかはそれぞれの生活様式や経済的な状況、将来の計画に大きく依存するため、何歳なら良くて何歳以上はダメといったような、一概に家を買ってはいけない年齢というものはありません。

しかし、住宅ローンを借りる場合、年収とローンのバランスが重要であることはどのタイミングであっても間違いないでしょう。理想の家が完成しても、ローンの返済に追われて生活が苦しくなってしまっては元も子もありません。ローンの返済が生活費や他の貯蓄目標を圧迫しないように注意する必要があります。

家の購入はその後の人生にも影響のある大きな出来事で、慎重な検討が必要です。ぜひ、本記事を参考に自分の生活様式や経済的な状況、将来の計画と照らし合わせて、購入に最適な時期を考えてみてください。

参考文献
群馬・栃木・宮城・山形で注文住宅を建てるなら

イエココロのWEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、群馬・栃木・宮城・山形を中心とした工務店情報やモデルハウス情報のほか、多数の「建築実例」を紹介しています。お近くにお住まいの方は、ぜひチェックしてください。

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