マイホームを検討している方の中には「せっかく家を建てるなら」と、家の広さに余裕を求める方も多いのではないでしょうか。
本記事では40坪の家の間取りに焦点をあて、 平屋や2階建ての建築実例や暮らしやすくするためのポイント、おすすめのアイデアや建築費用の相場についてご紹介します。
快適で効率的な住まいを実現するためのアイデアが満載ですので、是非参考にしていただければ幸いです。

IECOCORO編集部
群馬・栃木・宮城・山形で注文住宅の情報誌「IECOCORO(イエココロ)」を発行する編集部。WEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、地域の工務店情報のほか、多数の建築実例とイベント情報を紹介しています。
延床面積40坪の具体的な広さとは?

40坪の家づくりを検討するにあたり、坪数の具体的な広さや、何人家族に適しているかなど、イメージしづらい部分も多いのではないでしょうか。
本章では、延床面積40坪の広さや理想の居住人数についてご紹介します。
延床面積40坪は畳約80枚分の広さ

延床面積は延べ面積とも呼ばれ、「建築基準法施行令」では「建築物の各階の床面積の合計」のことを指します。2階建ての場合、1階の床面積と2階の床面積を合計したものがその家の延床面積です。
わかりやすくするため、延床面積40坪を畳サイズで見てみましょう。畳約2枚分の広さが1坪(3.31平米)にあたるため、40坪は畳約80枚(132平米)の広さということになります。
住宅金融支援機構発表の「フラット35利用者調査(2024年度)」によると、注文住宅の全国的な延床面積の平均は約35.8坪(118.5平米)です。
そのため、延床面積40坪の家は、全国平均よりやや広めの家であると言えます。
延床面積40坪の理想の居住人数は4~5人
延床面積40坪の理想的な居住人数を、国が策定した「住生活基本計画」の誘導居住面積水準で見てみましょう。
誘導居住面積水準とは、「豊かな住生活の前提となる多様な生活様式に必要と考えられる住宅の面積に関する水準」です。
住生活基本計画より算出(坪数の換算は小数点以下を四捨五入して表記)
| 世帯の人数 | 4人 | 5人 |
| 一般型誘導居住面積水準 | 125㎡(38坪) | 143㎡(約43坪) |
この資料によると、大人4人で暮らしても圧迫感を感じない広さは38坪、5人の場合は約43坪となっています。
つまり、40坪の家は家族構成4~5人の家族が快適に暮らすことができる広さと言えるでしょう。
【40坪の間取り】平屋や2階建てのおしゃれで暮らしやすい実例10選

40坪の家のイメージを掴むには、実際の建築実例を確認するのがおすすめです。
本章では、建築実例が豊富なIECOCORO(イエココロ)の家づくりサポートサイト「自慢の注文住宅集めました。」から、延床面積40坪程度の建築実例を平屋と2階建てに分けて10例ご紹介します。ぜひ参考にして、間取り作りに役立ててください。
【平屋】延床面積40坪の間取り実例3選
「ぐるり」と回れる動線にこだわった平屋【39.07坪】
間取り図を見てみる

リビング12畳とダイニングキッチン12畳、合わせて24畳の広さを持つLDKを、間仕切り壁でゆるやかにゾーニングし、回遊性を重視した独自性のある空間となっています。
無垢材の心地よさと復古調のデザインテイストが見事にマッチした、「和モダン+伝統美」の平屋の住まいです。造作のアイランドカウンターやLDKからフラットにつながるウッドデッキなど、こだわりポイントが詰まった家になっています。
オーナーの声をチェック!
オーナーの声依頼の決め手は、何でも正直に言い合える関係性が築けたからです。予算先行ではなく、私たちの想いに初めから寄り添ってくれました。間取りの自由度や快適性、内装・設備を含めた選択肢の幅の広さも抜群で、楽しみながらこだわりの平屋が完成しました。
建築会社のコメント当初、計画されていた会社の提示額が予算をオーバーした為にお声がけ頂きました。納得いくまで仕様・プランのお打ち合わせをし、約1年をかけてご夫婦が希望された年中快適に暮らせる住まいが出来上がりました。
- 工法・構造
-
木造軸組工法
- 延床面積
-
129.16㎡(39.07坪)
- 階数
-
平屋
- 設計・施工
-
ウツミ工務店
- 家族構成
-
2人(夫婦)
玄関土間で大人が遊べる平屋+αの家【40.50坪】
間取り図を見てみる

コミュニケーションを大事にするため、土間のスペースを広めにし、リビングや吹き抜けを通じて会話ができるようなプランを選択しました。
屋根の勾配を活かすことで開放感のある空間を実現している平屋です。落ちつきのある色合いに塗装された木材が大人の空間を演出します。
オーナーの声をチェック!
オーナーの声私たちの理想とする暮らしを見事に実現してくれました。夫婦それぞれの時間を大切にしながら相手の存在を感じる、そんな絶妙な距離感はこれから暮らしていくうえで、とても大事なものになる気がしています。
建築会社のコメント「ちょうどいい距離感で、それぞれの時間を大切にしながら夫婦の絆を深めていく」私達も憧れるライフスタイルです。土間にあるバイクは暮らしのアクセントになって、とてもカッコいいですね。
- 工法・構造
-
木造軸組工法
- 延床面積
-
133.89㎡(40.50坪)
- 階数
-
平屋
- 設計・施工
-
中村住宅工業
- 家族構成
-
2人(夫婦)
高級旅館のような和モダンの平屋【41.10坪】
間取り図を見てみる

家事エリアをぐるりと回遊できる動線を採用した暮らしやすい間取りです。障子の開閉による間取りの変更や、便利に活用出来る収納棚など、アイデアが満載です。
「家族を癒す、落ち着きのある住まい」をテーマに、重厚感のある瓦屋根や塗り壁、木目をバランスよく取り入れた平屋です。敷地内には迫力のある造作ガレージが建てられ、愛車を守ってくれます。
オーナーの声をチェック!
オーナーの声エアコンは朝だけ付けるのですが、まるで終日付いているような快適な空間が続き、知人が遊びに来たときは「今、エアコンついてないの?」と驚かれます。
建築会社のコメント和をモチーフとした落ち着きのある空間をご要望されていましたので、懐かしさを感じながらも高気密高断熱の性能や暮らしやすい間取りを取り入れて、現代風のアレンジを加えさせていただきました。
- 工法・構造
-
木造軸組工法
- 延床面積
-
135.80㎡(41.10坪)
- 階数
-
平屋
- 設計・施工
-
横山建設
- 家族構成
-
4人(夫婦+子供2人)
【2階建て】延床面積40坪の間取り実例7選
- 大人の趣味を楽しむスキップフロアの家【40.10坪】
- オンリーワンのデザインを求めたアメリカンスタイルの家【40.10坪】
- 伝統に新たな試みをプラスした数寄屋モダンの家【40.20坪】
- 子どもがのびのび暮らせるウッドデッキのある家【40.82坪】
- 和の伝統的な造形を惜しみなく表現した家【41.30坪】
- 快適かつ家事ラクを実現した2階リビングの家【41.37坪】
- スタイリッシュかつぬくもり溢れる美しい外観の家【44.60坪】
大人の趣味を楽しむスキップフロアの家【40.1坪】
間取り図を見てみる

複数階の立体的な空間が魅力の規格住宅プランで、仕切りが少ないため家族の存在感がわかりやすい独特のスキップフロア構造です。プライベートエリアとコミュニケーションエリアのバランスがちょうど良く、自室があっても居心地の良さから家族が自然とLDKに集まります。
モスグリーンと木目の重厚感のあるツートンカラーが印象的な外観の住まいです。ウッドバルコニーやアウトドアストッカーがカジュアルなテイストをプラスしています。
オーナーの声をチェック!
オーナーの声何も言わなくてもベストな提案をしてくれて、まったくストレスのない家づくりでした。
建築会社のコメントアウトドアストッカーをはじめ趣味を楽しめる空間や、コミュニケーションをとりやすい立体的な間取りなど、仲の良いご家族にピッタリの住まいになったと思います。
- 工法・構造
-
木造軸組工法
- 延床面積
-
132.48㎡(40.1坪)
- 階数
-
2階建て
- 設計・施工
-
中村住宅工業
- 家族構成
-
5人(夫婦+子供3人)+犬1匹
オンリーワンのデザインを求めたアメリカンスタイルの家【40.1坪】
間取り図を見てみる

リビングに設置された薪ストーブはダイニングやキッチンからも目に留まり、まさに住まいのシンボルです。
玄関から続く土間スペースはシューズはもちろん、趣味のアウトドアグッズを収納するために広く設計し、ウッドデッキとの行き来も可能になっています。
板状の外壁材を一枚ずつ重ねて張った深緑色のラップサイディングと、雨でものんびり寛げる屋根付きのウッドデッキが印象的なアメリカンスタイルの住まいです。僅かに覗く薪ストーブの煙突が外観のアクセントになっています。
オーナーの声をチェック!
オーナーの声アメリカンの家に憧れがあったので、実際に手掛けた家を見学させてもらいました。薪ストーブとアウトドア用品を収納する土間スペース、そしてキッチンのブロックタイルに特にこだわりましたね。
建築会社のコメント床や梁などヴィンテージの色合いをだすために何パターンか色を作ったり、一つ一つの素材選びがとても楽しかったですね。キャンプ用品を収納する広い土間スペースや薪ストーブなど、趣味の時間を楽しむ為のオリジナルプランになっています!
- 工法・構造
-
木造軸組工法
- 延床面積
-
132.49㎡(40.1坪)
- 階数
-
2階建て
- 設計・施工
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ホビースタイル 角屋工業
- 家族構成
-
2人(夫婦)
伝統に新たな試みをプラスした数寄屋モダンの家【40.2坪】
間取り図を見てみる

開放的な勾配天井に吹き抜けのある大空間が広がり、冬は薪ストーブ1つで暖かく過ごすことができます。リビングにはステンレス製の筋交いを取り入れ、太い柱や梁の中にシャープさを加えて空間にメリハリを演出しました。
伝統的な数寄屋造りのテイストに現代の住まいの暮らしやすさやデザインを取り入れ、開放的なモダン住宅にアレンジした住まいです。梁や柱、桁、土台など構造材には全てヒノキを使用した、オール「ヒノキ」造りの家になっています。
- 工法・構造
-
木造軸組工法
- 延床面積
-
133.08㎡(40.2坪)
- 階数
-
2階建て
- 設計・施工
-
髙橋材木店 タカハシホーム
- 家族構成
-
3人(夫婦+子供1人)
子どもがのびのび暮らせるウッドデッキのある家【41.10坪】
間取り図を見てみる

1階はLDK・洗面室・玄関ホール・ウッドデッキがスムーズに行き来できる回遊性を持たせた間取りになっています。2階の勾配天井部分には3畳ほどのフリースペースを設置し、書斎や趣味を楽しむ場所として使えるよう設計しました。
家族が自然と集まる明るく開放的な空間と、木の温もりが感じられる住まいです。白を基調にした明るく開放的なリビングダイニングでは、家族の気配を感じながら、木の温もりを味わうことができます。
オーナーの声をチェック!
オーナーの声家づくり当時、遠方在住のため気軽に足を運べる環境にありませんでした。しかし、メールなど密なやり取りで常に情報を共有したことで、不安を感じることなく進められました。
建築会社のコメント遠方のため、メールやLINEなどを使っての打ち合わせでしたが、イメージを損なうことなく満足いただける住まいが完成できたかと思います。
- 工法・構造
-
木造軸組工法
- 延床面積
-
134.97㎡(40.82坪)
- 階数
-
2階建て
- 設計・施工
-
ウツミ工務店
- 家族構成
-
4人(夫婦+子供2人)
和の伝統的な造形を惜しみなく表現した家【41.3坪】
間取り図を見てみる

「動線を簡潔にして家事に費やす時間を少しでも減らしたい」という要望に応えた家事室は豊富な収納を備え、アイロン台も造作で設置されています。
将来的には1階だけで夫婦の暮らしが簡潔するよう、日常生活に必要な設備はすべて1階に集めた設計です。
「自然素材をたくさん使った家に住みたい」という希望を叶えた、家全体から素材の温もりが感じ取れる住まいです。あえて2階の高さを抑えることで、より平屋に近いイメージで仕上げています。
オーナーの声をチェック!
オーナーの声素材の質感や色などで悩むたびに、実際に建てた方の家を案内してもらい、とても参考になりました。お施主さんのご厚意に感謝していますし、もしこれから家を建てる方から見学をお願いされたら、私たちも喜んで協力します。
- 工法・構造
-
木造軸組工法
- 延床面積
-
136.62㎡(41.3坪)
- 階数
-
2階建て
- 設計・施工
-
杉内建設
- 家族構成
-
4人(夫婦+子供2人)
快適かつ家事ラクを実現した2階リビングの家【41.37坪】
間取り図を見てみる

毎日の掃除や洗濯が楽になるよう、間取りや動線、適材適所の収納にこだわったつくりです。
1階には回遊動線を設けており、脱衣室→ウォークインクローゼット→主寝室→廊下へと通り抜けできるようになっているため、家事・生活ともに効率的な間取りとなっています。
家事ラク動線や間取りに配慮した、インナーガレージのある2階リビングの家です。太陽光発電・蓄電池システムなどエコ設備も充実しており、四季を通して快適に暮らせる住まいになっています。
建築会社のコメントをチェック!
建築会社のコメント毎日の掃除や洗濯がラクになるよう、間取りや動線、適材適所の収納にこだわったお住まいです。太陽光発電なども搭載しており、おしゃれで暮らしやすい機能が満載のお家になりました。
- 工法・構造
-
木造軸組工法
- 延床面積
-
137.04㎡(41.37坪)
- 階数
-
2階建て
- 設計・施工
-
渡辺工建建設
- 内観テイスト
-
シンプルモダン・モダン
スタイリッシュかつぬくもり溢れる美しい外観の家【44.6坪】
間取り図を見てみる

玄関からパントリーを通り、バックヤードまで土間続きの間取りは、買い物からの帰宅時や家事の効率を高めます。テラスとキッチンをユーティリティールームに隣接させた配置も家事効率を上げるポイントです。
ユーティリティールームで洗濯や家事をしながら、キッチンで調理をすることができ、家事の同時進行にもおすすめの間取りと言えるでしょう。
家事動線やライフスタイルを考慮して設計し、機能性と利便性を追求した住まいです。家族と自然につながれるよう、リビングには立体的かつ開放的なデザインの格子やストリップ階段を採用しています。
- 工法・構造
-
木造
- 延床面積
-
147.39㎡(44.6坪)
- 階数
-
2階建て
- 設計・施工
-
シグマ建設 ONO一級建築士事務所
- 家族構成
-
2人
40坪の間取りを暮らしやすくする4つのポイント

40坪の間取りを考える時は、広さを有効に活用し、快適な住環境を実現するための工夫が必要です。本章では、特に注目したい4つのポイントについてご紹介します。
間取りと収納はセットで考えよう

快適な住まいづくりを実現するために、あらかじめ収納場所を計画しておくこともひとつの手です。しかし、収納が多ければ良いというわけではありません。収納を広く取れば、そのぶん居住空間が狭くなります。快適な居住空間を確保するためには、適切な収納面積を知ることが大切です。
収納を検討する際に参考にしたいのが「収納率」です。収納率とは、住宅の床面積に対してクローゼットや押入といった収納が占める面積の比率を指し、次の計算式で求められます。
「収納率(%)=収納面積÷延べ床面積×100」
床面積を100%とした場合の一戸建ての理想的な収納率は、12~15%とされており、延べ床面積40坪の場合であれば4.8坪(15.8平米)~6坪(19.8平米)程です。
もちろん、この広さは一つの目安なので、衣類や趣味の品がたくさんある方や、反対に物が少ない方、そして家族構成によっても変わります。
ひとえに収納と言っても、アウトドア用品や掃除用具などを玄関周りに置くのに最適な土間収納や、キッチン脇のパントリー、家族で使えるファミリークローゼットなど様々です。ライフスタイルに合わせた収納を検討することが、暮らしやすい家づくりに欠かせないポイントになるのではないでしょうか。
国土交通省が発表する「令和6年度住宅市場動向調査報告書」の住宅内設備リフォームの具体的内容によると、収納スペースの改善や増加を行った世帯は12.7%にのぼります。後のリフォームにかかる手間や出費を抑えるためにも、用途や可変性を見越した事前の収納計画をおすすめします。

気密性と断熱性にこだわって冷暖房の効率をUPしよう

快適な室内環境を実現するために、家の気密性と断熱性にこだわるのもひとつの手です。気密性は外の空気の侵入を防ぎ、断熱性は室内の温度を外気温の影響から守ることで、一年中快適な室温を保つことができます。
気密性と断熱性に優れた家では、夏は涼しく冬は暖かく保たれ、エネルギー効率の良い冷暖房が可能です。気密性と断熱性を高めることは、エネルギー効率を改善し、年間を通じて快適な生活を手に入れるための鍵と言えるでしょう。
コンセントの配置を見落とさないようにしよう

注文住宅ではコンセントの位置を自由に決めることができますが、あとから足りずに後悔するケースも多いです。見落としがないよう、設計段階でしっかり計画しておく必要があります。
コンセントを適切に配置するためには、次のような手順で考えるのがおすすめです。
- 現在の家電とコンセントの使用状況を把握し、リストアップする
- 新居で使用する家具と家電を間取り図に書き込み、 それをもとにコンセントの配置を決める
- 書き込んだ間取り図を参考に、コンセントの位置と数を決定する
将来的なことを見越して、上記以外の場所に余分に配置して置くのも良いでしょう。また、廊下や階段の踊り場、玄関、屋外は忘れがちなので、漏れなく配置できるようチェックしておきたい所です。
生活動線と家事動線のバランスを考えよう

延床面積が40坪あると、家事動線や生活動線が複雑になりやすい傾向があります。
動線とは、人が移動する経路を線で表したものです。家事動線は炊事や洗濯、掃除などの家事全般に関わる移動経路を指し、生活動線はお風呂に入る、歯を磨く、トイレに行くなど日常生活での移動経路を表します。
効率の良い動線を考えることは重要ですが、「家事動線」と「生活動線」はバランスが大事なので、どちらかにかたよることなくセットで計画することをおすすめします。
しかし、「動線のバランスを取る」と言っても具体的なイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。以下で、バランスがかたよった動線例とその解決法をご紹介します。
かたよった動線例とその解決法
家事動線に比重を置いたことで、生活動線に不便さを感じているAさんのお宅を例にご紹介します。
Aさん私の家は共働きなので、少しでも家事効率をあげたくて、水回りを一ヶ所に集約させた間取りを取り入れました。

水回りが一ヶ所に集約してあると、洗濯や料理、子供のお風呂のお世話など様々な家事が効率よく同時進行できてとても便利ですよね。
Aさんそうなんです。仕事前の忙しい朝や、晩御飯の支度時などは大変助かっていて、満足もしています。でも……。

何か困りごとでもあるのですか?
Aさん実は、動線上で不便さを感じていることが一つだけあります。我が家は、お風呂に出入りする際、必ずリビングを経由するつくりになっています。夫が頻繁に友人を家に招くのですが、急に連れてくることも多く、そうするとお風呂上りに鉢合わせしてパジャマ姿のままご挨拶することもしょっちゅうで、それがとてもストレスなんです。


その気持ちとても良くわかります。それでは、このように来客の多いAさんのようなお宅で、取り入れると便利な動線をご紹介しましょう。
家族が客人を頻繁に招く、親戚の集まりが多いなど、あらかじめ来客の頻度が多いとわかっている場合は、回遊動線を取り入れることをおすすめします。
回遊動線とは、玄関からリビング、リビングからお風呂、お風呂から廊下を抜けて玄関、といったように家の中に行き止まりをつくらず、部屋から部屋へスムーズに移動できる動線のことです。出入り口を複数設けることにより、Aさんのような悩みに至らず済むでしょう。
世間一般で人気の高い間取りでも、生活スタイルに合わなければ逆に使いづらさを感じ、結果として後悔につながる可能性もあります。間取りを検討する際には、日常生活をしっかりと考慮し、できる限り具体的なイメージを持つことが大切です。
40坪の間取りに取り入れたいおすすめアイデア7選

せっかく注文住宅を建てるなら、家族全員が快適に生活を送れるような間取りを考えたいものです。本章では、暮らしやすさと便利さに着目した、最近人気の間取りアイデアをご紹介します。
ファミリークローゼットで家族全員の衣類荷物を一元管理

ファミリークローゼットは、家族全員の衣類や荷物を1ヶ所にまとめて収納できる大容量のクローゼットです。衣類を集約することで、洗濯物を各自の部屋に片付ける手間を省き、家事効率を向上させます。
また、ファミリークローゼットを1階に配置することで、朝の身支度をクローゼット内で済ませられるため、生活の効率もあがるでしょう。
ただし、家族全員の衣類や荷物を収納し、中で着替えることも考慮すると、相応の広さが必要となります。例えば、4人家族が同時に着替えるためには、約4畳分ほどの空間が理想的です。
40坪の広さがあれば、ファミリークローゼットを設けるのに十分なスペースを確保できます。広さを有効に活用し、家事と生活の効率を高める、ファミリークローゼットを取り入れてみてはいかがでしょうか。
玄関付近の手洗い場で菌やウイルスの拡散防止

玄関から手洗い場へ直行できる間取りは、衛生的な観点から最近人気が高くなってきました。家の中の扉の開閉を行わないことで、外出先から持ち込まれる菌やウイルスの拡散を防ぎ、帰宅後の手洗い習慣の促進にも役立ちます。
玄関付近に手洗い場があるとゲストも気兼ねなく利用しやすいため、来客が多い家庭にもおすすめです。
2階リビングで光と風を取り入れる

従来は1階に配置されることの多かったリビングですが、近年2階リビングの間取りを目にする機会が増えました。
住宅密集地では、1階は近隣住宅の陰になりやすく、日当たりや風通しが悪くなる可能性があります。リビングが薄暗くなってしまうのを避けるため、2階に配置して、光や風を取り入れやすくするアイデアです。
家族が長時間過ごすリビングを2階に設け、寝室を1階に配置することで、住空間を効率的に活用できるのではないでしょうか。
パントリーで効率的な食品管理を実現

パントリーは、キッチンに隣接して設けられた、食品や調理器具、食器を収納するスペースです。収納力が高く、米や水、保存食など、様々な食品を1ヶ所に集約して保管できます。
まとめ買いをする方や、大量にストックを抱えておきたい方は、パントリーのメリットを強く感じやすいでしょう。
また、収納したものはパントリー内で一元管理できるため、どこに何があるのか一目でわかりやすく、探し物に割く時間も短くできます。
土間収納で汚れが気になる物や外で使う物を収納

土間収納は、玄関から土間続きになっている部分に設けられた収納スペースで、靴を脱がずに利用できるメリットがあります。
ベビーカーや自転車、ゴルフバックやアウトドア用品など、汚れが気になって家の中に入れるのに抵抗がある物や、外で使うけれど劣化や盗難防止のため置きっぱなしにしたくない物を収納しておくのに便利です。日常的に使う傘や靴、コートなども収納できます。
また、ゴミの一時保存場所としても非常に重宝するでしょう。
ランドリールームで家事時間を短縮

ランドリールームは、洗濯に関する家事をまとめて行える部屋です。洗濯機や乾燥機、物干しざおやアイロン台など、洗濯から乾燥の工程に必要な物を集約して設置することで、作業を一室で一貫して行うことができます。
作業ごとに移動する手間が省けるため、家事の負担が軽減でき時短にもつながるでしょう。乾燥を室内で行うため、急な雨や強風を心配する必要がなく、花粉や黄砂などの付着を防ぐことも可能です。
ワークスペースの設置で生活スタイルを向上

ワークスペースは、仕事をする空間や場所のことです。限られたスペースを有効に活用し、個々の生活スタイルに合わせて柔軟に使い分けすることができます。
最近では単に仕事をするだけの空間にとどまらず、趣味や勉強、パソコンでの調べごとや書き物といったように多目的な利用を目的に設置するケースも多いです。
ワークスペースを設けることで、仕事や作業に集中できるため効率を高めることができます。また、作業途中でもそのままの状態で置いておけるので、作業を再開しやすく、隙間時間を有効に活用できるでしょう。
何よりオンオフの切り替えがしやすいので、仕事とプライベートをできるだけ切り離したいという方にはおすすめです。
40坪の間取りの建築費用相場はいくら?

これから住宅の購入を検討されている方であれば、建築費用相場も気になるところではないでしょうか。
住宅金融支援機構発表の「フラット35利用者調査(2024年度)」によると、土地取得費用を含まない建築費のみの平均は3,932万円で、延床面積は118.5㎡(約35.8坪)でした。平均坪単価を計算すると約110万円になるため、40坪の建築費用相場は全国平均4,400万円(土地取得費用は含まない)と言えます。
費用についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。こちらの記事では、建築費以外の必要諸費用や、坪単価ごとの建築費用、施工会社の選び方なども紹介しています。

おわりに
本記事では、40坪の家づくりにおける暮らしやすさと機能性を兼ね備えた間取りについて紹介しました。
40坪の家は、全国平均よりやや広く、大人4人でもゆったりと生活できる広さです。家事や生活の効率を重視するなら、間取りを検討する際に40坪の広さと居住人数を意識すると良いでしょう。
広さを生かして、ファミリークローゼットやパントリー、ランドリールームのような間取りを設けるのもおすすめです。一緒に収納や動線もあらかじめ検討しておくことで、居住人数が多くても窮屈に感じづらく、スムーズな家事が実現します。
ただし、家族構成やライフスタイルによって、理想的な間取りや快適な空間の要件は異なります。各家庭の必要性に合わせた間取りを考えることが、家族全員が快適に過ごせる家づくりの鍵となるでしょう。
- e-Gov法令検索「建築基準法施行令」
- 住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2024年度)」
- 国土交通省「住生活基本計画」
- 国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書」
イエココロのWEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、群馬・栃木・宮城・山形を中心とした工務店情報やモデルハウス情報のほか、多数の「建築実例」を紹介しています。お近くにお住まいの方は、ぜひチェックしてください。

