家の購入は、多くの人にとってその後の人生に影響のある、大きな出来事の一つです。しかし、初めて家を買うとき、自分の年収ではどのくらいの家を買うのが適しているのかわからない人も多いでしょう。
家を買うときに無理のない予算設定をすることはとても重要です。どれだけ素晴らしい物件でも、背伸びをしすぎた金額で購入してしまうと、後々の生活に大きな影響を及ぼしかねません。
本記事では、家を買うときの年収の目安や年収別の購入できる家の価格、年収と住宅ローンの関係や審査に落ちてしまった場合の対処法まで紹介します。理想の家を手に入れるために、まずは自分に合った予算をしっかりと見極めましょう。

IECOCORO編集部
群馬・栃木・宮城で注文住宅の情報誌「IECOCORO(イエココロ)」を発行する編集部。WEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、地域の工務店情報のほか、多数の建築実例とイベント情報を紹介しています。
家を買うときの年収の目安はいくら?

家の購入を考えるとき、まず気になるのは「家を買うのにはどれくらいの年収が必要なのか?」という点ではないでしょうか。
しかし、一口に「家を買う」といっても新築か中古か、新築の場合は注文住宅か分譲住宅かなど様々な選択肢があります。立地や広さ、素材や設備によっても値段は上下するので、簡単に「家を買うならこの年収が必要」と言い切ることはできません。
そこで本章では、国土交通省の令和7年度住宅市場動向調査から、実際に家を購入した人の世帯年収を住宅の区分別に表にして紹介します。自分の年収と比較しながら、購入する家の参考にしてみてください。
なお、住宅市場動向調査では全国と三大都市圏のデータが分けて集計されていることが多いですが、分譲住宅は三大都市圏のみのデータとなっているため、以下でまとめている表においても分譲住宅のみ三大都市圏、他は全国での集計結果となっています。
戸建て住宅を購入した人は600万円以上800万円未満の世帯年収が多い
まず最初に、戸建て住宅を購入した人の世帯年収のデータを見てみましょう。
住宅市場動向調査では、注文住宅や戸建ての分譲住宅・中古住宅を購入した人の世帯年収は、600万円以上800万円未満が最も多いという結果が出ています。
| 区分 | 注文住宅 | 分譲戸建て住宅 | 中古戸建て住宅 |
| 400万円未満 | 7.7% | 3.2% | 13.5% |
| 400~600万円未満 | 16.2% | 16.8% | 22.0% |
| 600~800万円未満 | 21.9% | 19.4% | 22.0% |
| 800~1000万円未満 | 18.8% | 18.7% | 12.9% |
| 1000~1200万円未満 | 11.0% | 11.0% | 4.7% |
| 1200~1500万円未満 | 7.0% | 6.1% | 3.3% |
| 1500~2000万円未満 | 3.7% | 2.6% | 1.4% |
| 2000万円以上 | 8.5% | 2.9% | 1.4% |
特徴として、中古戸建て住宅は600万円以上800万円未満が22.0%と最多である一方、400万円以上600万円未満も22.0%と同水準です。新築に比べて、年収600万円未満でも購入しやすい傾向がうかがえます。
新築の集合住宅を購入した人は800万円以上1000万円未満の世帯年収が多い
次に、マンションなどの集合住宅のデータを見てみましょう。集合住宅では、新築と中古で世帯年収の分布が大きく異なり、新築の分譲集合住宅を購入した人の世帯年収で最も多いのは800万円以上1000万円未満の21.1%です。
| 区分 | 分譲集合住宅 |
| 400万円未満 | 4.4% |
| 400~600万円未満 | 9.3% |
| 600~800万円未満 | 12.6% |
| 800~1000万円未満 | 21.1% |
| 1000~1200万円未満 | 11.9% |
| 1200~1500万円未満 | 10.7% |
| 1500~2000万円未満 | 5.6% |
| 2000万円以上 | 4.4% |
次点では600万円以上800万円未満(12.6%)と1000万円以上1200万円未満(11.9%)がほぼ同水準で続いており、600万円台から1200万円台まで幅広い年収層に購入者が分布していることがわかります。
中古の集合住宅を購入した人は400万円以上600万円未満の世帯年収が多い
次に、中古の集合住宅を購入した人の世帯年収を見てみましょう。住宅市場動向調査の結果では、400万円以上600万円未満が最も多いです。
| 区分 | 中古集合住宅 |
| 400万円未満 | 14.2% |
| 400~600万円未満 | 20.2% |
| 600~800万円未満 | 18.6% |
| 800~1000万円未満 | 12.7% |
| 1000~1200万円未満 | 8.0% |
| 1200~1500万円未満 | 4.9% |
| 1500~2000万円未満 | 2.9% |
| 2000万円以上 | 1.5% |
400万円未満(14.2%)と600万円以上800万円未満(18.6%)を合わせると、年収800万円未満の層が全体の半数以上(53.0%)を占めており、新築の集合住宅に比べて年収が低めでも購入しやすい傾向が見て取れます。予算を抑えて住宅を購入したい場合、中古の集合住宅は有力な選択肢になりそうです。
このように、購入する住宅の種類によって購入者の年収層には差があります。
ただし、これらはあくまで実際に購入した人たちの年収の実績データですから、誰にでも当てはまるものではありません。次の章では、購入する家の価格を年収から考えるときの、実際の考え方について紹介します。
購入する家の価格を年収倍率から考える方法

本章では、年収から購入する家の価格を考える方法のひとつである「年収倍率」について紹介します。
年収倍率を使って考えることで、自分の年収からどのくらいの価格の家が購入できそうか、また購入したい家の価格からどのくらいの年収が必要かを、具体的な数字で予測することが可能です。
年収倍率とは?
年収倍率は、所要資金を世帯年収で割った数値です。住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」では、フラット35を利用して家を購入した人の年収倍率のデータを毎年公表しています。
住宅の区分別に見る年収倍率
住宅金融支援機構の「2025年度フラット35利用者調査」から、住宅区分別の年収倍率をまとめたものが以下の表です。
| 住宅の区分 | 年収倍率 |
| 中古戸建て住宅 | 5.3倍 |
| 建売・分譲住宅 | 6.9倍 |
| 注文住宅 | 6.9倍 |
| 土地付き注文住宅 | 7.8倍 |
あくまで平均値ですが、この調査によればフラット35の利用者は自分の年収に対して中古戸建て住宅の場合5.3倍、建売・分譲住宅と注文住宅の場合6.9倍、土地付き注文住宅の場合は7.8倍の家を購入していることになります。
一般的に家の購入予算は年収の5倍程度が良いと言われることが多いですが、フラット35の利用者のデータでは少し高めの数値が出ているようです。
年収倍率から計算する購入できる家の価格一覧
年収倍率を利用して世帯年収別に購入できる家の価格(住宅ローンで借り入れする金額)を計算してみましょう。
フラット35利用者調査から中古戸建て住宅の5.3倍、建売・分譲住宅と注文住宅の6.9倍、土地付き注文住宅の7.8倍の各年収倍率を指標として算出すると、以下の表のようになります。
| 世帯年収 | 購入できる家の価格 | ||
| 年収倍率5.3倍 | 年収倍率6.9倍 | 年収倍率7.8倍 | |
| 300万円 | 1,590万円 | 2,070万円 | 2,340万円 |
| 400万円 | 2,120万円 | 2,760万円 | 3,120万円 |
| 500万円 | 2,650万円 | 3,450万円 | 3,900万円 |
| 600万円 | 3,180万円 | 4,140万円 | 4,680万円 |
| 700万円 | 3,710万円 | 4,830万円 | 5,460万円 |
| 800万円 | 4,240万円 | 5,520万円 | 6,240万円 |
| 900万円 | 4,770万円 | 6,210万円 | 7,020万円 |
| 1,000万円 | 5,300万円 | 6,900万円 | 7,800万円 |
また、年収倍率を利用した計算では、購入したい家の価格から逆算して必要な年収を考えることもできます。
例えば、5,000万円の家を買える人の年収は年収倍率7.8倍では約641万円、年収倍率6.9倍では約725万円、年収倍率5.3倍では約944万円です。
表にすると以下のようになります。
| 購入できる家の価格 | 世帯年収 | ||
| 年収倍率5.3倍 | 年収倍率6.9倍 | 年収倍率7.8倍 | |
| 2,000万円 | 約377万円 | 約290万円 | 約256万円 |
| 3,000万円 | 約566万円 | 約435万円 | 約385万円 |
| 4,000万円 | 約755万円 | 約580万円 | 約513万円 |
| 5,000万円 | 約943万円 | 約725万円 | 約641万円 |
| 6,000万円 | 約1,132万円 | 約870万円 | 約769万円 |
| 7,000万円 | 約1,321万円 | 約1,015万円 | 約897万円 |
| 8,000万円 | 約1,509万円 | 約1,159万円 | 約1,026万円 |
| 9,000万円 | 約1,698万円 | 約1,304万円 | 約1,154万円 |
| 1億円 | 約1,887万円 | 約1,449万円 | 約1,282万円 |
なお、この計算では年収のみで考えているため、元々の貯金などによる自己資金(頭金)を含めていません。また、実際に住宅ローンで借り入れできる金額は様々な条件によって変わってきますので、参考程度の金額と考えてください。
このように、年収倍率を使うと自分の年収から購入できる家の価格の目安や、購入したい家の価格に必要な年収を具体的な数字で把握できます。ただし、年収倍率はあくまで所要資金を年収で割った平均値であり、貯金などの自己資金や借入時の条件は考慮されていません。
次の章では、もうひとつの目安となる「返済負担率」から購入する家の価格を考える方法を紹介します。年収倍率と合わせて確認することで、より実態に近い予算感を掴めるでしょう。
購入する家の価格を返済負担率から考える方法

年収倍率から購入できる家の価格を考える場合は「どのくらいの金額の家まで購入できるのか」という視点で見てしまいがちですが、住宅ローンの返済が長期間にわたることを考えると、「一年の返済額が年収に対してどのくらいの割合までなら無理なく返済が続けられるか」という視点が大切になってきます。
この時に重要になるのが、「返済負担率」です。
返済負担率とは?
返済負担率(返済比率)は、年収に対する1年間の返済額の割合で、「1年間の返済額÷年収×100」で計算することができます。
例として、500万円の年収で2,000万円の融資を受けたい場合を考えてみましょう。
2,000万円の借り入れ金額を10年で返済する計画を立てると、1年間の支払い金額は200万円です。この計画を倍の20年にすると、1年間で支払う金額は半分の100万円になります。
- 2,000万円÷10年=1年間に返済する金額は200万円
- 2,000万円÷20年=1年間に返済する金額は100万円
この時、年収500万円に対する返済負担率は、10年の場合40%、20年の場合20%です。
- 1年間に返済する金額200万円÷年収500万円×100=返済負担率40%
- 1年間に返済する金額100万円÷年収500万円×100=返済負担率20%
| 10年で返済する計画 | 20年で返済する計画 | |
| 1年で返済する金額 | 200万円 | 100万円 |
| 返済負担率 | 40% | 20% |
次に、2,000万円を10年で返済する時、年収が違うとどのように変わってくるのか見てみましょう。
2,000万円の借り入れ金額を10年で返す計画を立てると、1年間の支払い金額は200万円です。
- 2,000万円÷10年=1年間に返済する金額は200万円
この時、年収が500万円の人の返済負担率は40%ですが、年収1,000万円の人の返済負担率は20%になります。
- 1年間に返済する金額200万円÷年収500万円×100=返済負担率40%
- 1年間に返済する金額200万円÷年収1,000万円×100=返済負担率20%
| 年収500万円の場合 | 年収1,000万円の場合 | |
| 1年で返済する金額 | 200万円 | 200万円 |
| 返済負担率 | 40% | 20% |
このように、返済負担率は年収と借り入れ金額、返済期間で変わってきます。同じ年収や借り入れ金額であっても返済計画の立て方で負担は変わりますから、自分に合った無理のない計画を立てることが重要です。
なお、今回の計算ではわかりやすくするために金利を考慮していませんが、実際には利用する住宅ローンの金利によって数字は細かく変動します。
返済負担率が高すぎると住宅ローンの審査に落ちることがある
住宅ローンの借り入れ可能金額は年収によって変動します。基本的には、年収が多いほど貸した金額を無事に返してくれる可能性が高くなりますから、借り入れ可能金額も大きくなります。
しかし、年収から考えて妥当に見える金額であっても、融資を受け付けてもらえないことがあります。それは、年収に対して返済負担率が高すぎる場合です。返済負担率が高すぎると、日々の生活に悪影響を及ぼし返済が滞る可能性があると判断されることがあります。
金融機関はそれぞれ独自に返済負担率の基準を設定しており、基準を超える返済負担率で住宅ローンに申し込むと、審査を通過できなくなってしまうのです。
年収に対する住宅ローンの返済負担率の平均は18.1%
金融機関がそれぞれ独自に設定している返済負担率の基準は、一般的に具体的な数字が公開されていません。しかし、フラット35では年収400万円を基準として、返済負担率の上限の数値を公開しています。
| 年収 | 返済負担率の上限 |
| 400万円未満 | 30%以下 |
| 400万円以上 | 35%以下 |
上記の表のとおり、フラット35では年収400万円未満の人は返済負担率が30%以下、年収400万円以上であれば返済負担率が35%以下になるよう返済計画を立てれば、融資を受けることが可能です。
しかし、これはあくまで「融資を受けられるかどうか」の基準であり、実際に無理なく返済できるかどうかは別の問題になります。国土交通省の令和7年度住宅市場動向調査では、年収に対する住宅ローンの返済負担率の平均は18.1%です。
個別の状況にもよりますが、一般的には無理なく返済しやすい返済負担率は25%以下と言われています。返済負担率が30%を超えてしまうと、生活費のやりくりが苦しくなる可能性が高いでしょう。
返済負担率からの購入価格シミュレーション
ここまで返済負担率の平均や目安となる数値を紹介してきましたが、返済負担率は「○%」が良いと言われても、自分の年収にどのようにあてはめて考えたら良いのかイメージがわかない人も多いのではないでしょうか。
本項では、これらの数値を実際の年収にあてはめた場合、具体的にどのくらいの価格の家を購入できるのかをシミュレーションしていきます。
返済負担率の年収へのあてはめ方
まず、返済負担率が令和7年度住宅市場動向調査の平均である18.1%や、一般的に無理なく返済しやすいと言われている25%の場合、1年間の返済金額はどれくらいになるのか考えてみましょう。
たとえば、年収500万円の場合、返済負担率が18.1%なら1年間の返済金額は90.5万円です。25%では125万円になります。
- 年収500万円×18.1%=1年間の返済金額90.5万円
- 年収500万円×25%=1年間の返済金額125万円
この金額で30年間支払いを続けた場合、つまり30年ローンを組んだ場合に購入できる家の価格はいくらになるのかをシミュレーションしてみましょう。
1年間の返済金額を単純に30倍すると、返済負担率が18.1%の場合は2,715万円、返済負担率が25%の場合は3,750万円になります。
- 1年間の返済金額90.5万円×30年=30年間の返済金額2,715万円
- 1年間の返済金額125万円×30年=30年間の返済金額3,750万円
| 1年間の返済金額 | 30年間の返済金額 | |
| 返済負担率18.1% | 90.5万円 | 2,715万円 |
| 返済負担率25% | 125万円 | 3,750万円 |
しかし、実際には単純に1年の返済額に返済年数をかけた金額が借り入れ金額になるわけではありません。なぜなら、この計算は金利を考慮していない、金利0%の結果だからです。実際の住宅ローンには金利があり、金利が高いほど最初の借り入れ金額(元本)は少なくなります。

年収・返済負担率・返済年数が同じで、最終的な総返済金額が一緒でも、金利が違えば借り入れ金額や購入できる家の価格は変わってしまうのです。
以下に、元利均等返済方式(返済期間中、毎月一定の金額を返済する方式)で全期間固定金利1%・2%・3%の場合の年収別の比較表も用意しましたので、目安として参考にしてください。
【金利別】年収と返済負担率で考える借り入れ金額⽐較シミュレーション
返済負担率18.1%の場合
| 世帯年収 | 1年間の 返済金額 |
30年間の 総返済金額 |
借り入れ金額 (元本の目安) |
|---|---|---|---|
| 300万円 | --- | --- | --- |
| 400万円 | --- | --- | --- |
| 500万円 | --- | --- | --- |
| 600万円 | --- | --- | --- |
| 700万円 | --- | --- | --- |
| 800万円 | --- | --- | --- |
| 900万円 | --- | --- | --- |
| 1,000万円 | --- | --- | --- |
返済負担率25%の場合
| 世帯年収 | 1年間の 返済金額 |
30年間の 総返済金額 |
借り入れ金額 (元本の目安) |
|---|---|---|---|
| 300万円 | --- | --- | --- |
| 400万円 | --- | --- | --- |
| 500万円 | --- | --- | --- |
| 600万円 | --- | --- | --- |
| 700万円 | --- | --- | --- |
| 800万円 | --- | --- | --- |
| 900万円 | --- | --- | --- |
| 1,000万円 | --- | --- | --- |
自分が借りることができる限度額の上限まで借りて理想の家を購入することができても、その後の返済が苦しく生活に悪影響が出ては困ります。「自分が無理なく返済できる金額はいくらなのか」という視点を大切にしましょう。
なお、実際に返済計画を立てる際は、住宅ローン減税(住宅ローン控除)の存在も念頭に置いておくと良いでしょう。
住宅ローン減税は、一定の条件を満たす住宅ローンを組んだ場合、 年末のローン残高に応じて所得税(および一部の住民税)が控除される制度で、この分を返済に充てられると考えれば、実質的な負担は表面上の返済負担率よりもやや軽くなります。
ただし、年収(所得)の上限や住宅の性能基準など細かい適用条件があるため、自分が対象になるかどうかは事前に確認しておきましょう。住宅ローンのホームページなどでも試算ができますので、複数のパターンを比較検討してみるのがおすすめです。
次の章では、住宅ローンの審査に通るために必要な年収の目安と、審査に落ちてしまった場合の対処法を紹介します。
住宅ローンの審査に通るには?必要年収の目安と落ちた時の対処法

家を買う予算を年収から計算できても、実際に住宅ローンの審査に通るかどうかは別の問題です。
本章では、住宅ローンの審査と年収の関係や、審査に通過するために必要な年収の目安、万が一審査に落ちてしまった場合の対処法について解説します。あわせて、ボーナス払いを利用するときのメリットと注意点も紹介するので、無理のない返済計画を立てる参考にしてください。
住宅ローンの審査と年収の関係
住宅ローンは誰でも申し込みさえすれば貸してくれるわけではありません。申し込みをしたら審査があり、それを通過することで融資を受けられるようになります。この審査にはいろいろなチェックポイントがありますが、その中の一つが年収です。
国土交通省が行っている民間住宅ローンの実態に関する調査の令和7年度の調査結果では、融資を行う際に考慮する項目として94.2%の金融機関が年収を考慮すると回答しています。
審査に通過するために必要な年収の目安は300万円
一般的には、審査に通過するための年収の下限の目安は300万円と言われています。年収が300万円以上であれば、住宅ローンの審査を通過できる可能性は高いです。
年収の他には、現在の職場での勤続年数や住宅ローン以外のローンの借り入れ、信用情報に問題がないか(過去に支払いを滞納していないか)などが審査に関係してきます。年収が十分に高くても、これらに問題があると返済能力が足りないとみなされて審査を通過できないかもしれません。
審査に落ちてしまった時の対処法
住宅ローンの審査に落ちてしまった場合、申し込んだ金融機関に理由を聞いても教えてもらえないことがほとんどです。一般的には、以下のような対処法で審査に通りやすくなると言われています。
- ①他の金融機関・住宅ローンを検討する
-
審査基準は金融機関によって異なります。申し込んだ金融機関の審査で落ちても、別の金融機関では審査に通るかもしれません。
ただし、審査に落ちた後に別の金融機関で申し込む場合は、通常3~6カ月ほど期間を空けるのが良いとされています。
住宅ローン審査を申し込むと、金融機関は信用情報機関に信用照会を行い、その記録が残ります。短期間に複数の照会記録が残ると、「借り入れを急いでいる」「複数の金融機関から借りようとしている」と判断され、信用リスクが高いと見なされる可能性があるので注意が必要です。
- ②借り入れ内容を見直す
-
年収と借り入れ金額のバランスが悪く、返済負担率が高すぎると審査に落ちてしまうことがあります。このような場合は、借り入れ金額や返済期間を見直したり、頭金を増やしたりすると審査を通る可能性があります。
- ③信用情報を改善する
-
クレジットカードや携帯料金の支払いを延滞したり、他にカードローンなどで大きな借り入れをしている場合、信用情報に問題があるとみなされて審査に落ちることがあります。
支払いに遅延がある場合は早急に返済し、他に借り入れがある場合はなるべくそちらの返済を終わらせてから審査に申し込むようにしましょう。
特に心当たりがないのに信用情報で落とされていると感じた時は、個人で信用情報機関に申し込んで調べてもらうことも可能です。
- ④収入を安定させる
-
転職直後の場合は、1年程度の勤続実績を積んでから再度審査を受けることをおすすめします。住宅ローンの審査では継続して安定した収入があることが重視されるので、勤続年数が1年未満の場合審査に落ちてしまう可能性が高いです。
フリーランスや個人事業主など、自営業の場合はさらに審査が厳しくなるため、3年程度の事業実績が必要であると考えておいた方が良いでしょう。
- ⑤収入合算やペアローンを検討する
-
収入合算やペアローンは夫婦や親子の収入を合わせて考えるため、借り入れ可能金額が増え、返済負担率の計算も有利になります。また、両者とも最低限の基準を満たしている必要はありますが、片方が自営業で収入が安定していなくても、もう片方が会社員で安定した収入があれば収入の安定性が担保されているので審査に通りやすいです。
ただし、夫婦で同じ会社に勤めている場合、会社の業績が悪化した時のリスクが高まったり、返済途中で離婚した場合にトラブルの元になったりするので、検討は慎重に行いましょう。
住宅ローンの審査に落ちてしまった場合、落ちた理由を理解し、適切な対策を取ることが重要です。次の審査に通る可能性を高めるために、状況に応じた対処法を検討しましょう。
ボーナス払いのメリットと注意点
住宅ローンの審査に落ちてしまった時、返済計画の見直しとして、「ボーナス払い(ボーナス返済併用)」を検討する人もいるのではないでしょうか。
ボーナス払いとは、住宅ローンで借りたお金を「毎月返済する分」と「ボーナスが出る月に返済する分」の2つに分けて返済していく方法です。総返済額に対する2つの割合は住宅ローンを契約する時に設定します。多くの金融機関では、ボーナス払いの割合は借り入れ額の40〜50%が上限です。

ボーナス払いを利用すると支払いを2つに分割できますので、ボーナス払いを利用しない場合と比較して月々の支払いの負担を減らすことができます。毎年安定してボーナスが支払われるなら、ボーナス払いを利用することで日々の生活費のやりくりを楽にすることができるでしょう。
一方で、多くの場合ボーナスが出るのは1年に2回になりますから、ボーナス払い分の返済も1年に2回だけです。結果的に元金の返済ペースは遅くなり、その分利息の支払いが増えて、最終的な総支払額はボーナス払いを利用しない返済より多くなることに注意が必要です。
また、ボーナスが将来にわたって一定ではないことを念頭に置き、ボーナスがなくても返済できる計画を立てることも大切です。返済が厳しくなった場合は、金融機関に相談してボーナス払いの返済割合を変更したり、ボーナス払いを利用しないプランへ変更したりすることを検討しましょう。
ただし、契約当初に決めたボーナス払いの割合やプランなどを後から変更できない金融機関もありますから、あらかじめ変更が可能かどうかを確認しておくことが重要です。
家の購入予算と年収に関するよくある質問をQ&A形式で解説

ここまで、年収倍率や返済負担率をもとに、購入できる家の価格や住宅ローンの目安を紹介してきました。
ただし、実際に予算を考えるときは、年収の捉え方や頭金の額など、計算だけでは判断しきれない疑問も出てくるでしょう。本章では、家の購入と年収に関するよくある質問にQ&A形式で回答します。
年収と家の購入価格の関係を知って自分に合った返済計画を立てよう
本記事では、家を買う時の年収の目安や年収と住宅ローンの関係、返済計画の考え方などを紹介しました。年収は家の購入価格を決める重要な指針ですが、予算計画を立てる時は年収だけでなく様々な要素を加味した長期的な視野を持つことが大切です。
人それぞれ違う形の生活様式がありますから、一律にこの年収ならこの値段の家が買えると断言することはできません。しっかりとした予算計画を立てるためには、シミュレーションツールを活用したり専門家に相談したりすることが重要です。 自分の現状を把握して具体的なイメージを固め、理想に合った家が購入できるよう準備しましょう。
注文住宅の相場や必要な費用を、下記の記事で詳しく解説しています。注文住宅を検討している方は、本記事とあわせてぜひ参考にしてください。


- 国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査」
- 国土交通省「令和7年度民間住宅ローンの実態に関する調査」
- 国土交通省「住宅ローン減税」
- 住宅金融支援機構「2025年度 フラット35利用者調査」
イエココロのWEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、群馬・栃木・宮城・山形を中心とした工務店情報やモデルハウス情報のほか、多数の「建築実例」を紹介しています。お近くにお住まいの方は、ぜひチェックしてください。

