建売住宅と注文住宅はどっちがいい?価格差や性能ほか5項目で徹底比較!向いている人の特徴も解説

「そろそろ家を持ちたい」と考えはじめたとき、「建売住宅」と「注文住宅」で迷う人は多いはずです。どんな違いがあるかわからないという人もいるのではないでしょうか。

この記事では、両者の価格差を皮切りに、住まい選びを左右する5つの項目を比較し、どちらが自分に向いているのかを解説していきます。これから一戸建ての購入を検討している人は、ぜひご覧ください。

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IECOCORO編集部
群馬・栃木・宮城・山形で注文住宅の情報誌「IECOCORO(イエココロ)」を発行する編集部。WEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、地域の工務店情報のほか、多数の建築実例とイベント情報を紹介しています。

目次

建売住宅と注文住宅の価格差はどれくらい?

建売住宅と注文住宅の価格差はどれくらい?

家を購入する際に最も気になるのは、やはりお金のことでしょう。建売住宅と注文住宅では、購入費用にどれくらいの違いがあるのでしょうか。

全国的に見ると約1,400万円(中央値)の差がある

住宅金融支援機構が行った調査から、地域別に住宅の取得にかかった費用の差を見てみましょう。

地域土地付き注文住宅 (万円)建売住宅 (万円)差額 (万円)
北海道4,9334,016917
東北4,2662,8451,421
北関東信越4,5192,8381,681
首都圏
(東京都を除く)
5,4053,9201,485
東京都7,3085,4581,850
東海4,9753,2491,726
北陸4,0662,9431,123
近畿5,1933,8271,366
中国4,7553,2291,526
四国4,2703,1821,088
北部九州4,8633,5091,354
南九州4,3623,2661,096
参考:住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2024年度)」※編集部により一部編集
都道府県の分類について(北海道・東京を除く)
  • 東北:青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
  • 北関東信越:茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県、山梨県
  • 首都圏(東京都を除く):千葉県、埼玉県、神奈川県
  • 東海:静岡県、岐阜県、愛知県、三重県
  • 北陸:富山県、石川県、福井県
  • 近畿:滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
  • 中国:鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
  • 四国:香川県、徳島県、愛媛県、高知県
  • 北部九州:福岡県、佐賀県、長崎県
  • 南九州:大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

建売住宅の方が安いことが見て取れますが、差額は地域によって大きく異なります。少ないところで約900万円、多いところでは約1,800万円の違いがあります。

面積を考慮すると価格差は小さくなる

ただし、上記はあくまで購入費用の比較に過ぎず、より正確な違いを知るためには面積も考慮する必要があります。そこで、全国平均における住宅・敷地面積の違いについても見てみましょう。

土地付き注文住宅 (㎡)建売住宅 (㎡)面積の差 (㎡)
住宅面積111.1100.710.4
敷地面積251.2145.5105.7
参考:住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2024年度)」※編集部により一部編集

どちらの面積でも注文住宅の方が大きく、特に敷地面積では100㎡以上の差があります。広い土地にゆとりをもって家を建てたいと考える人が多く、結果として価格差が大きくなっていると見受けられます。同じくらいの敷地面積で家を購入すると考えた場合、費用の差は縮まるため、一概に建売住宅の方が大きくコストパフォーマンスに優れているとは言えないでしょう。

1,400万円をとるか、土地の広さをとるか

1,400万円の違いは35年返済の場合で考えてみると、年間で40万円程度の負担増となります。この金額の差を判断基準の一つとしてみても良いでしょう。

建売住宅と注文住宅はどっちがいい?住まい選びの主要5項目を徹底比較

建売住宅VS注文住宅、住まい選びの主要5項目を徹底比較

本章では、住まい選びに重要な「費用・設計の自由度・土地の条件・性能・入居までの期間」の5つの要素について、両者を徹底的に比較していきます。これらのポイントを具体的に見ていくことで、どちらの住宅が自分に適しているのか、より明確にイメージできるようになるでしょう。

費用は建売住宅が有利

建売住宅は注文住宅に比べ、購入費用を抑えられる傾向にあります。複数の住宅を同じ建材や工法により建設することで、経費を削減できるためです。また、土地と建物を合わせた総額を一目で把握できる、価格のわかりやすさも魅力と言えます。

注文住宅はデザインや仕様を選べる分、費用が高くなりがちです。また、土地探しから始める場合、希望する場所や条件によっては、予算を見直す必要が出てくることもあります。

設計の自由度は注文住宅が有利

建売住宅はほとんどの場合、完成した状態で販売されます。契約後に着工する場合でも、設計や規格が統一されているため、変更できるのは壁紙や建具といった内装の一部に限られ、基本的に間取りや外観、設備などを自由に選ぶことはできません。そのため、希望する条件によっては、物件探しに時間がかかることがあります。

一方で、注文住宅はデザインや間取りだけでなく、使用する建材や工法なども自由にカスタマイズできます。趣味に特化した空間を取り入れたり、生活を快適にする設備を導入したりするなど、理想の家づくりが可能です。ただし、施工会社によっては設備や仕様に標準プランを設けている場合があり、変更する際に追加費用が発生することもあるため、事前によく確認しておくことが大切です。

土地の条件は一長一短

建売住宅は好立地であることが多いです。不動産会社が専門的な視点で、周辺環境や将来の資産価値の面で優れた土地を選定し、購入しているためです。しかし、効率的な分譲を目的として、限られた土地にできるだけ大きな家を建てる傾向にあり、敷地面積に余裕のないケースも多く見られます。

注文住宅は場所や広さを選べることが利点です。通勤・通学の距離や居住環境のほか、庭や駐車場を設けるために敷地の広さを優先するなど、条件に合わせた土地選びができます。一方で、好立地な土地は建売住宅用に押さえられてしまっていることも多く、希望するエリアで理想の土地を見つけるのが難しい場合もあります。

性能は注文住宅が有利

建売住宅は間取りなどと同様に、住宅性能を左右する構造部分や設備もあらかじめ決められていることがほとんどで、自由に選べません。建築基準法により一定の水準は担保されますが、機能性よりもコストが優先される傾向にあるため、性能面では注文住宅に及ばないことがあります。

注文住宅は希望に応じて仕様を決められる点が魅力です。断熱性や気密性の高い構造や耐震性に優れた工法、光熱費を節約できる省エネ設備など、住む場所やライフスタイルに合わせた住宅を実現できます。高性能住宅に特化した施工会社もあり、より快適に安心して暮らせる住まいを求めるのなら、注文住宅がおすすめです。

入居までの期間は建売住宅が有利

建売住宅は土地と建物をまとめて購入するため、手続きが少なく、短い期間で入居できます。建物が完成済みなら、売買契約や住宅ローンの決済を経て、最短で1ヶ月ほどで引き渡しが可能です。契約後に着工するケースでも、規格通りに建てるため完成が早く、4ヶ月ほどで入居できるでしょう。

注文住宅を建てる場合、情報収集・予算計画・土地を探す、という流れは建売住宅とおおよそ同じです。しかし、そこからさらに家を建てるための建築会社を探し、打ち合わせを重ねて、ようやく着工に至ります。このように多くの時間と手間を要し、建築期間も含めて入居までに1年ほどかかるのが一般的です。各工程が長引けば、それ以上の時間が必要になることもあります。

建売住宅と注文住宅のメリット・デメリット【特徴一覧】

ここまで解説してきた内容に「建築工程のチェック」と「完成イメージ」を加え、建売住宅と注文住宅の特徴を10項目で一覧にまとめました。

建売住宅と注文住宅のメリット・デメリット

本章では、両社の特徴をメリット・デメリットの形に整理し、それぞれの住宅の強みや注意点を解説していきます。ぜひ選ぶ際の判断材料として活用してください。

建売住宅の特徴

建売住宅の利点は、費用を抑えやすく、利便性の高い立地に、少ない時間と手間で新居を構えられることです。また、購入前に実際の完成物件やモデルハウスの間取りや全体の雰囲気を自分の目で確認し、納得したうえで選ぶことができます。

一方で、画一的で似たようなつくりの家が多いため、満足のいく住まいを見つけるのに時間がかかることがあります。また、完成前の物件であっても変更可能なのは内装や設備の一部に限られ、ほとんど選ぶことができません。

メリット注文住宅よりも安価で買えることが多い
土地と建物を合わせた価格が明確で、予算計画が立てやすい
利便性の高いエリアの土地が手に入りやすい
住宅を取得するまでの手間が少ない
手続きが終わり次第、すぐに入居できる
購入前に内観などの仕様を確認できる
デメリット間取りやデザインの自由度が低い
敷地面積に余裕がなく、広い庭や駐車場を確保しにくい
似たような家が多く、個性を出しにくい
一定の性能は保証されているが、高性能住宅は少ない
工事の過程が見られないため、構造や土地など見えない部分は確認できない

注文住宅の特徴

注文住宅のメリットは何といっても自由度の高さです。建築場所や依頼する会社、間取りやデザインなど、あらゆる面で自分の希望を反映させることができます。また、基礎や構造といった完成後には見えなくなる重要な部分を、建築途中にチェックできるため、安心して家づくりを進められる点も利点と言えるでしょう。

デメリットとしては、こだわりを追求するほど費用や手間がかかることです。計画から完成までに時間がかかり、打ち合わせや決定事項が多いため、ある程度の労力と時間的な負担が伴うことを理解しておく必要があります。しかしその分だけ、完成した住まいに対する愛着や満足感は高くなるはずです。

メリット費用の調整がしやすい
間取りやデザイン、建材、住宅設備まで自由に決められる
建てる場所・建築会社を好きに選べる
断熱・気密、耐震、省エネなどに優れた高性能住宅にすることもできる
建築過程を見られるため、基礎や構造部分を確認できる
デメリットこだわりすぎると費用が高くなる
費用相場がわかりにくく、予算計画を立てにくい
土地や建築会社探し、打ち合わせなどがあり、手間と時間がかかる
完成するまで外観や内装の確認ができず、暮らしをイメージしにくい

建売住宅と注文住宅のどちらが自分に向いている?

建売住宅と注文住宅、どちらが自分に向いている?

ここまで紹介してきた両者の特徴から、建売住宅と注文住宅のどちらがあなたに向いているかを示していきます。家に対して何を求めているのか、どんな暮らしを実現したいのかを深く考えてみることで、あなたにとって最適な住まいの形が見えてくるはずです。

建売住宅に向いている人

建売住宅は「手間をかけず理想に近い住まいを手に入れ、できるだけ早く新生活をスタートさせたい」という人におすすめです。

建売住宅に向いている人
  • コストを抑えたい
  • すぐに入居したい
  • 手間や時間をかけたくない
  • 土地を探したり、建築会社を探したりすることが面倒に感じる
  • 間取りやデザインが、ある程度決まっていた方が安心

注文住宅に向いている人

注文住宅は「細部までこだわり抜いた、自分だけの理想の家づくりをとことん楽しみたい」という人におすすめです。

注文住宅に向いている人
  • 間取りや設備だけでなく、住み心地や性能にも徹底的にこだわりたい
  • 費用や手間がかかっても構わない
  • 住みたい場所が決まっていて、土地を見つけている
  • 家づくりを依頼したい建築会社が決まっている
マイホームを取得する際に「何を重視するか」がポイント

建売住宅と注文住宅のどちらが適しているかは、家族それぞれの価値観やライフスタイルによって異なります。大きなポイントとしては、「手間と時間、そしてコストをかけられるか」「こだわりの家に住みたいか」の2つが挙げられます。判断に迷ったときは、「何を重視するか」を考えてみると良いでしょう。

建売住宅と注文住宅の購入割合と選択理由

この章では統計データをもとに、実際に住宅を購入した人の割合をはじめ、住宅を選ぶまでの経緯や最終的な決め手になったことを見ていきます。住宅需要や購買傾向はライフスタイルや価値観の多様化といったさまざまな要因により、少しずつ変化しつつあります。こうした変化を踏まえつつ、どのような人がどのような理由で住宅を選んでいるのかを知ることで、自分自身の優先順位の整理や判断の参考にもなるでしょう。

購入割合の推移

建売住宅と土地付き注文住宅の購入割合

住宅金融支援機構の2024年度「フラット35利用者調査」に占める新築戸建住宅取得者のうち、建売住宅と土地付き注文住宅の割合はどちらも約50%でした。10年前の2014年度と比較すると、注文住宅が57%とやや優勢だったのに対し、近年は建売住宅の需要が増加していることがわかります。この背景には、物価や建築資材の高騰により住宅価格が上昇していることがあると考えられます。

選ぶまでの経緯と決め手になったこと

国土交通省の「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」をもとに、実際に住居を取得した人の動きを見てみましょう。

建売住宅と注文住宅を取得した人が、比較検討した新築住宅と希望した順位は以下の通りです。

比較検討した住宅・希望順位が高かった住宅

建売住宅を購入した人のうち、約半数は注文住宅も検討しており、4人に1人は分譲マンションも候補としていました。また、希望順位を見ると、検討を重ねた後も注文住宅を意識している人がいることから、最終的に建売住宅を選ぶまでさまざまな選択肢を考えているようです。

注文住宅の場合、検討段階から強い関心があり、希望する順位でもそれが大きく変わらないため、初めから一貫して「注文住宅で家を建てたい」という意志があることが見て取れます。

建売住宅は「現実的な選択肢の中で、理想に近い最適解を求める」層から、注文住宅は「こだわりを持って理想を追求する」層に支持されていると言えるでしょう

続いて、建売住宅と注文住宅を選択した理由を見てみましょう。

住宅の選択理由

建売住宅では、「立地環境の良さ」や「価格が適切である」ことが上位ですが、「デザインや設備が良い」という項目がそれを上回っています。画一的で自由度は低いと紹介してきた建売住宅でも、実際には満足度が高い傾向にあるようです。

イエココロのWEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」で紹介している注文住宅を専門とする建築会社の中にも、建売住宅を販売する会社が見られるようになってきています。建売住宅と注文住宅で悩んでいる人は、「工務店が手掛ける建売住宅」という選択肢があることを覚えておくと良いでしょう。

注文住宅では、信頼できる依頼先を見つけたことから家づくりをスタートさせた人が最も多くなっています。理想の注文住宅を叶えるには自分たちの希望をしっかりと理解し、共感してくれるパートナーを選ぶことが何より重要と言えるでしょう。

建売住宅と注文住宅のよくある質問

注文住宅を建てるときのポイントは?

注文住宅を考え始めてから入居するまでに、約1年の時間が必要です。まずは全体の流れを把握し、入居したいタイミングから逆算して、スケジュールを立てましょう。

「注文住宅の流れ」については、別の記事で詳しく解説しています。注文住宅を検討している人は、ぜひご覧ください。

建売の購入を成功させるコツは?

内覧時に建物を確認することが大切です。内覧では感じたことをメモしたり、気になる箇所を撮影したりしておくと比較や検討する際の参考になります。また、疑問点があれば、些細なことでも引き渡しの前に全て伝えるようにしましょう。見た目や立地はもちろん、以下のポイントを参考に隅々までチェックしましょう。

内覧時のチェックポイント
外壁・内装の傷や不具合、建物の傾き

外壁の傷や隙間は、雨漏りや劣化の原因になる。内装は壁紙やフローリングの傷、汚れをチェック。さらに、ビー玉や水平器を持参して、傾きがないか確認するとなお良い。

駐車場の広さ、入れやすさ

家の前の道路状況や駐車場の広さなど、車の出入りがしやすいか、駐車しやすいかどうか。

間取り

部屋の位置や数、移動のしやすさはもちろん、隣家や外から室内の様子が見えないか、窓の位置が隣家と重なっていないかなど、「プライバシーが確保されているかどうか」も確認する。

時間帯ごとの日当たり

日当たりは周囲の建物に影響されるため、重視する場合は午前中の内覧が最適。また、西日の差し込みが強いと夏の暑さの原因になるため、窓の位置の確認や夕方の内覧もおすすめ。

ドアなどの建具や設備の動作

ドアや窓などの建具がきちんと開閉できるかどうか、インターホンやキッチンなどの設備が動作するか。

コンセントの数や位置

部屋ごとに使いやすい位置にあるか、また、家具や建具で隠れてしまわないかなど、普段の生活をイメージしながら確認する。

床下

点検口を開け、床下にゴミが溜まっていたり、水漏れがしていたりしないかチェック。

土地選びで気を付けることは?

建売住宅と注文住宅のどちらを選んでも、物件や土地を探すときに意識したいのが「周辺環境」です。駅や商業施設へのアクセスが良く、交通の便が良いといった利便性は大きな魅力ですが、それだけで判断してしまうと、暮らし始めてから問題点に気づくこともあります。たとえば、騒音や治安、子育てや医療環境が整っていないなど、生活の質に直結する部分です。快適な暮らしを実現するためにも、実際に足を運んで地域の雰囲気を確認するなど、周辺環境のチェックを怠らないようにしましょう。

周辺環境のチェックポイント
治安を確認する

周辺環境のチェックにおいて欠かせないのが、「治安」の確認です。インターネットで調べるのはもちろん、現地を実際に歩いてみることが大切です。

交通量の多い道路や交差点は事故が起きやすく、見通しの良さも安全に影響します。歩道の有無や路側帯の広さも確認し、歩く時の安全性が確保されているかも見ておきましょう。

落書きやポイ捨てが多い場所は、軽微な問題が見過ごされる環境とみなされ、犯罪が起きやすくなると言われています。街の雰囲気をしっかりチェックしましょう。

各県警のウェブサイトや犯罪発生マップ・交通事故発生マップなどで、地域の安全性や事故リスクの高い場所を知ることができます。

そのほか、「子育て支援サービスの有無」や「学校・公園などの施設がどれくらい充実しているか」についても調べることをおすすめします。

時間帯を変えて現地を見に行く

同じ場所でも、昼と夜では全く違う雰囲気になることがあります。日中と夜間以外にも、平日と休日で環境が変化する場合もあるので注意が必要です。家族の行動に合わせた曜日・時間にチェックすると、より参考になるでしょう。

商業施設がある地域では、日中に人通りが多い場所でも、店舗が閉まると極端に静かで暗くなる場合があります。一方で、夜の交通量が多いと、住んでから騒音に悩まされる可能性があります。夜間の人や車の量、そして街灯の数を確認しておきましょう。

居酒屋やカラオケ店など、夜遅くまでお酒を提供する店舗が多い場所は治安が悪くなる傾向にあります。また、近所にコンビニがあると便利な反面、車の騒音や喧騒に悩まされるケースがあります。

用途地域を考慮する

さまざまな用途の建物が混在しないように、都市計画法に基づいて「用途や建てられる建物の大きさ・種類を定めたもの」を用途地域と言い、住居系・商業系・工業系の3つに大きく分類され、さらに全13種類に分かれます。これにより、周辺がどのような環境なのか、どんな建物が建つ可能性があるかを知ることができます。ただし、用途地域は「市街化区域」以外では指定が義務付けられていないため、「無指定」の場合もあります。

住宅は「工業専用地域」を除く全てのエリアで建築可能です。そのため、住んでから近くに工場が建ったり、大きな商業施設ができたりすることがあります。物件や土地が有る場所の用途地域を確認し、自分が望む住環境か判断すると良いでしょう。

ハザードマップで災害のリスクを調べる

治安や周辺施設に加えて、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」を活用して、その地域で起こりうる災害のリスクも忘れずに確認しましょう。災害時の避難場所も確認しておくと、いざという時に備えることができます。ぜひ利用してください。

分譲住宅とは?建売住宅との違いは?

結論から言うと、「建売住宅」と「分譲住宅」に大きな違いはありません。完成した建物と土地がセットで販売される点は同じであり、呼び方が異なる理由は販売方法の違いにあります。

分譲住宅の場合、不動産会社が広い土地を購入して区画を整理した「分譲地」に、同じような工法・仕様の家が何棟も建てられます。それを一棟ごとに分割して販売するため、「分譲住宅」と呼ばれています。数棟の小規模なものから100棟を超える大規模なものまでさまざまです。大規模な分譲地はデザインの揃ったきれいな街並みが形成されるほか、道路や植栽もエリアに合わせて整備され、暮らしやすい環境が整います。

費用面では、一般的な建売住宅よりも安くなる傾向があります。同じ規格の家を複数建てるために、資材を大量に仕入れることでコストダウンができ、一棟ごとの建築費が抑えられるためです。さらに、開発元のハウスメーカーなどが売主として直接販売することが多く、仲介手数料が発生しないことも理由の一つです。

また、分譲住宅はトラブルが起きにくいという隠れたメリットがあります。同じ分譲地内であれば価格に大きな差がないため、同じような年収・家族構成の世帯がまとまる傾向があります。家の完成後はほぼ同時期に新生活を始めることから、「価値観の近い住人同士が、一から交流をスタートさせるため良好な関係が築きやすい」ことが理由と言えるでしょう。知り合いのいない地域や、土地勘のない場所でマイホームを購入する場合には、分譲住宅を検討してみると良いかもしれません。

建築条件付き土地とは?

「建築条件付き土地」とは、購入にあたって以下の二つの条件が設けられている土地のことです。

  • 売主または売主が指定した会社と工事請負契約を結ぶこと
  • 一定期間内に工事請負契約を結ぶこと

簡単に言えば「一定期間内に、予め決められたハウスメーカーや工務店で家を建てはじめること」が条件となります。一定期間という表現は曖昧ですが、およそ3ヶ月程度に定められていることが多いです。

条件付きの土地は、建築会社が保有し、自社との契約を前提に販売している場合によく見られます。土地と依頼先を別々に探す手間が省けるほか、価格が割安であることが多いため、「少ない手間で、コストを抑えて家を建てたい」と考える人にはおすすめと言えるでしょう。

しかし、間取りからデザイン、キッチンやトイレなどの住宅設備まで全てを自由に決められる場合、3ヶ月という期間はかなり短いと考えて良いでしょう。この期間を過ぎてしまうと、土地の売買契約は無効となり、家が建てられなくなってしまうため、家づくりへのこだわりが強い人や、じっくり考えたい人には不向きと言えます。

建売住宅と注文住宅で耐久性や安全性はどれくらい違うの?

「建売住宅はコストが低いため、耐久性や安全性も劣るのでは?」と考える人もいるかもしれません。しかし、現在では建売住宅も十分な性能を有しており、両者に大きな違いはないと言われています。その理由として、「建築基準法」と「住宅品質確保促進法(品確法)」の二つの法律の存在が挙げられます。

建築のルールを定めた「建築基準法」

建築基準法とは、「建物を建築する際に守るべき、最低限のルールを定めた法律」のことです。着工前の建築確認や、着工後の中間検査、建物が完成した際の完了検査なども建築基準法によって定められており、しっかり遵守している建物であれば「検査済証」が発行されます。そのため、「検査済証」が確認できれば、耐震性や耐久性などの一定の住宅品質は保証されていると判断できるでしょう。

10年間の瑕疵(かし)担保責任を義務付けた「住宅品質確保促進法(品確法)」

住宅の品質を確保し、取得後に安心して住めることを目的に、2000年に施行された法律です。正式には「住宅と品質確保の促進等に関する法律」と言います。この法律は、以下の三つの内容で構成されています。

「住宅品質確保促進法(品確法)」について
新築住宅の瑕疵担保責任に関する特例

新築住宅において、引き渡し後10年以内に「柱や梁などの基礎構造部分」や「屋根や外壁などの雨水の侵入を防止する部分」に瑕疵(工事の不備、欠陥)が見つかった場合には、売主または施工会社が無償で補修をしなければならないと定められています。

住宅性能表示制度

第三者の専門機関が、耐震性などの住宅性能を評価し、購入者に分かりやすく表示する制度です。評価・表示方法は全国共通の基準が定められています。ただし、利用は任意であり、売主または買主が決めます。

住宅専門の紛争処理体制

住宅性能評価を受けた住宅において、引き渡し後に不具合や欠陥が見つかってトラブルになった場合、「指定住宅紛争処理機関(弁護士会)」に紛争処理を依頼できる制度です。裁判をすることなく、迅速かつ円滑に処理されます。

参考:国土交通省 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」のポイント

この2つの法律により、新築住宅は一定の品質が確保されます。そのため、建売住宅でも性能面に不満を感じることはほどんどないと言えるでしょう。

【まとめ】建売住宅と注文住宅 それぞれの特徴や違いを把握しよう

  • 建売住宅と注文住宅の価格差は、設計自由度の差だけでなく、建物や敷地面積によって左右され、コストパフォーマンスにそれほど大きな隔たりはない
  • 建売住宅は「できるだけ手間をかけずに、早く住まいを手に入れたい」という人に向いている
    注文住宅は「予算の許す限り、自分の理想を追求した家づくりがしたい」という人に向いている
  • 建売住宅は費用や購入までの手間を抑えやすく、好立地なことが多い。
    注文住宅は建築場所や設計などの自由度が高く、高性能な家を建てることもできる。
  • 建売住宅は需要が高まりつつあり、自由度の高い注文住宅と比べても、性能やデザインの面で遜色のないものが増えている

建売住宅と注文住宅のどちらが適しているかは、家族の価値観などによって異なるため、一概に「こちらの方が良い」とは言えません。判断に迷ったときには、手間やコスト、こだわりなど「何を最も重視するか」を考えてみることで答えが見つかるでしょう。それぞれの特徴や違いを把握して、自分に合った住宅を選んでください。

参考文献
群馬・栃木・宮城・山形で注文住宅を建てるなら

イエココロのWEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、群馬・栃木・宮城・山形を中心とした工務店情報やモデルハウス情報のほか、多数の「建築実例」を紹介しています。お近くにお住まいの方は、ぜひチェックしてください。

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