建築実例築50年の住まいをリノベーション
幼き頃の記憶が蘇る、遺すという選択

初谷建設 mixwax design room
築50年の平屋を譲り受けたSさん。建て替えの方が工程としては簡単だが、「先祖の想いを受け継ぐ」これこそがリノベーションの意義。屋根裏や床下の耐震・耐久性の確認から始まり、問題ない柱や梁は活かしつつ、金物と筋交いによる補強と同時に断熱改修で快適性も確保。間取り変更の際は不要な柱を外して適切な場所に追加するなど柔軟に対応。
ダイニング
青々とした床材は本来、壁紙のデニム素材。フローリングや無垢材とは違う柔らかな踏み心地が魅力。「ジーンズのように少しずつ色落ちするのが待ち遠しいですね」とご主人。
リビング
「アメカジ」というコンセプトに相応しく、アンティーク風のブリックタイルや外壁と同じ板金でデザインしたリビング。キッチンで料理中の奥様と気軽に顔が合わせられる。
外観
一般的な日本家屋が、アメリカ西海岸をイメージしたカリフォルニア・スタイルへ。周囲の豊かな緑や黒のフェンスとのコントラストを強調する、真っ白な外壁も目を引く。
ダイニング
特に旧家の面影を残すのが、勾配天井の羽目板と梁。ご主人自ら想いを込めて磨き上げたそうで、新築では決して表現できないほどの、経年変化による深い味わいを醸し出す。
ギャラリーコーナー
白いペンキを散らしたり、羽目板を擦れたようにエイジング加工したダイニングのメイン壁。上には季節物が保管できるロフトを実現するなど、限られた空間を最大限に活用。
子ども部屋
子ども部屋の入口に貼付した継ぎはぎ柄の壁紙と、落書きし放題の黒板が遊び心を感じさせる。
玄関
玄関の位置は旧家と変わらない。但し、シューズクロークを設けることで収納力は大幅にアップ。
インテリア
延床面積26坪の範囲内で部屋数を確保しつつ、窮屈さを感じないよう設計に工夫を凝らしている。お気に入りのアイテムも、家中を華やかに演出してる。
その他
以前は瓦の屋根だったが、鈑金で軽量化して耐震・耐久性が大きく向上。敷地面積は約120坪。さらに平屋のため、必要に迫られれば増築も可能。
その他
玄関のタイルや和室の長押(なげし)など、様々な素材を積極的に再利用。また、可能なところは施主施工でコストカット。親子で参加することで、貴重な思い出づくりに。
COMMENT
オーナーの声
リノベーションを選択した理由は、少しでも住宅ローンを抑えて日々の生活を充実させたかったから。家族のやりたいことや趣味を我慢したくはありませんでした。また、どことなく以前の家の面影も残っています。ソファで寛いでいる時に、ふと昔の情景を思い出すことも。私たちが『遺す』選択をしたことに、両親もどこか喜んでいる様子でしたね。
Sさんご家族
DATA
家族構成
夫婦、子ども2人
敷地面積
396.7㎡(120坪)
延床面積
86㎡(26坪)
工法・構造
木造軸組工法
階数
平屋
外観テイスト
アメリカン・サーファーズハウス
内観テイスト
和モダン
こだわり
リフォーム・リノベーション、平屋、延床面積30坪以下、ロフト・小屋裏、大黒柱・梁の現し、木造軸組工法

この家を建てたのは…

初谷建設 mixwax design room
群馬県前橋市駒形町1232-6