IECOCORO NAVI

家族で叶える注文住宅、サポートします。

第10回 常識をぶっこわせ4『屋根』

皆さんこんにちは。
今回の「常識をぶっこわせ」ですが、そのタイトルの通り「あたりまえをひっくり返す」お話をしていきたいと思います。まぁ、極端な話なので話半分くらいで読んでいただければ幸いです。

「屋根」! 

これはもう、皆さんあって当たり前のものだと思っていることでしょう。当然屋根がなければ雨も防げないし、冬の寒さも半端ないことでしょう。 
が、しかし。このコラムのテーマは「常識をぶっこわせ」なのです。タイトルがアナーキーな割には大人しめな内容※1が続いていたことを今さらながら反省している筆者であります。

今回は家の「屋根」だけの話をするつもりはありません。 
最初に結論から話してしまうと、常識の向こう側には自分の知らなかった新しい素敵な価値観が待っていることを伝えたいのです。 
ですから皆様、「へー屋根のない家が良いのか」と短絡的に考えないようお願い致します※2。

まず、身近なところから「屋根がない」ところを考えてみましょう。 

まず思いつくのは、オープンテラスのカフェなんていうのがあげられます。季節の空気を感じながら美味しいコーヒーをいただくなんてとても素敵ですね※3。
オープンカーも屋根がありませんよね。筆者も若かりし頃英国の古いオープンカー※4に乗っていましたが、とても貴重な経験をできたと思っています。季節の空気感はもちろんのこと、車に乗りながら風を感じられる素敵さ。 屋根がないがゆえに、自然と空を見上げるようになります。 

空の色。 
雲の形。 
時には綺麗な星空。

そう考えていくと、表参道の年末のイルミネーションの美しさも格別ですし、 野外で行うバーベキューもグリルの周りに椅子を置けば立派な空間といえるでしょう。
こういった開放感は多くの人が味わったことのある素敵な感覚だと思います。 

屋根がないことで、失う快適さも当然ありますが、それ以上に得られる〈素敵さ〉を私たちは忘れてしまっていないでしょうか?

現代人の我々はあまりに快適さに慣れてしまっているような気がしてなりません。 
快適さをちょっと我慢することで、多くのことが得られるということをもう一度思い出してほしいな、と筆者は思っています。 

もう一度言います。
皆様に、屋根のない家をつくりましょうという提案をしている訳では決してありません。 
ただ、ちょっとした発想とほんのわずかな勇気で、素敵な空間はいつでもできるということです。

ベランダでビールを飲んでみるのもいいでしょう。雨が降ってきたらたまには濡れてみるのもいいかもしれません※5。雨の匂いと音を感じつつ普段の仕事のことを忘れてみるのも素敵なひとときでしょう。 

中庭をつくってみることもいいかもしれません。 空を見上げながら、好きな音楽を流してティータイムも心地よい時間でしょう。 

私たちは普段あまりにも現実的な世界に生きすぎているような気がしてなりません。 
ほんのちょっとの非現実的な世界が、屋根のないことで体験できるなら、こんな簡単なことはないでしょう。 
現実的な世界をまじめに生きすぎてストレスを溜めて、体に不調をきたすなんて馬鹿らしいことです※6。 
そんなときこそ、常識を吹き飛ばす遊び心を持ちたいものですね。 

あ、皆様。常識はぶっこわしてもモラルは守りましょうね。


※1 著者はこれまで4LDKに疑問を呈し、ゴルフと携帯電話について言及し、建築デザインのソフト面に切り込んできました。これらは住宅雑誌のコラムとしては「大人しくない」部類に入ります。
※2 工務店さんに「屋根はいりません」と言ってみたらどうなるかを妄想してしまいました。驚かれるというより、怒られそうですね。
※3 オープンカフェでは冬の寒さや夏の暑さも「絵」になりますよね。個人的にはマフラーを巻いた女性が、ホット缶コーヒーを飲む姿を見ると「冬が来たなぁ」と思います。
※4 大学生の頃にバブル絶頂期であった著者の「イケイケ話」は必聴の価値有りです。
※5 あのゲーテも言っています。「雨の中、傘をささずに踊る人間がいてもいい。それが自由というものだ」素敵な言葉だと思いませんか?
※6 大きな声では言えませんが、まったく同感です。決して大きな声では言えませんが…


山﨑かずお

著者プロフィール

多摩美術大学建築科卒。都内設計事務所勤務を経て、フリーランスの商業建築設計及びグラフィックデザイナーとして活躍。現在は「サラリーマン道」を究めるため、某住宅メーカーに在籍中。

ページトップへ