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第15回 〈伝える〉ということ。(3) ―笑顔のチカラ―

皆様4ヶ月ぶりでございます。

実は筆者、前回の原稿※1に思いの丈を詰めこみ、その結果「燃えたよ…真っ白に…燃え尽きた…真っ白な灰に…」状態※2になってしまい、今回の原稿の案が全く思い浮かばない状態になっておりました。
「これはいかん」と前号の原稿を読み直したら、なんと同じようなことが書いてあるではありませんか!燃え尽きたわけではなく、毎回くる「ネタ不足」状態だっただけなのですね。 

困った筆者…そこに救いの女神は舞い降りるのでした。 

前回は筆者が笑顔の受け手となった話をしましたが、今回は前号に登場した〈素敵な笑顔のキミ〉が笑顔の受け手となる話を書こうと思います。 
編集長と編集会議でこの話をしたところ、良い話過ぎて注釈で突っ込むのが難しいから考え直してくれと言われましたが※3、やっぱり書いてしまいます。どのように編集されているか楽しみです。

「上棟の時、お客様が棟(むね)を見上げた時の笑顔って素敵ですね」 

それは彼女が営業担当として、お客様の上棟式※4に参加していたときの感想です。著者自身はその上棟式にはおりませんでしたが、彼女のそのひと言を聞いて上棟式の光景がありありと目に浮かびました。お客様である家族の上棟までのドラマまでもが想い描かれるような素敵な言葉です。

実際にご家族はここまでの道のりを思い出し、形となって眼の前に出現した我が家を見上げ、本当に自然な笑顔が湧きだしてきたのでしょう。 その姿を見て、彼女も自然に笑顔になったに違いありません。
家族の笑顔を「素敵だな」と感じ取れるそんな彼女の心もとても素敵だ、と著者は思います。きっと彼女は普段から「お客様の笑顔のために」と仕事をしているからこそ、この笑顔に深い感動と共感をおぼえたのです。
営業を志した人は誰しも「このお客様の笑顔のために」と一生懸命仕事を始めます。しかし、その純粋な想いは年月とともに徐々に薄まる※5ことがあるかもしれません。ただ彼女は数年経ってもこの「最初の気持ち」を忘れずに仕事を続けています。そんな彼女こそ「会社の宝」といっても過言でないと思う筆者です。 
そして、こんな素敵な社員がいる我が社を誇る気持ちさえ生まれてきます。決して自分の会社の宣伝をしているわけではないのですが、お客様目線で見れば、こんなにも真摯な気持ちを持った営業と出会えた瞬間に、家づくりは成功への道を歩み始めたと言ってもいいのかなと思うわけです。 

家づくりというと、どうしても設計さんに目がいきがちです。しかし、ある程度の規模の住宅会社で家を建てる場合、営業担当がお客様につくことが一般的です。住みたいイメージの共有や資金計画、そして契約してからお引渡しまで、ご家族と最も多くの時間をともにするのがこの営業担当となります。 
その営業担当がお客様に対してどのような気持ちでいるかは、家づくりで一番大切な要素と言えるかもしれません。お引渡しまでの間、小さなことから大きなことまで、時には事件と呼べるような出来事まで、それこそ色々な事が起こるわけですが、その判断基準が「お客様の笑顔のために」仕事をしている営業担当とそうでない営業担当とでは結果が大きく違ってくるわけです。 
「一生に一度の大きな買い物を、ウチの会社からしてくれるんだから絶対に後悔はさせたくないんだよね」とも言う彼女。 
もし自分が家を建てるなら、こんな営業さんと契約したいなと本気で思います。 

これから家を建てる皆様は会社の規模や工法、デザインや設備の充実さなど、選択肢が色々とあり、きっと迷うことでしょう。 
ひとつ言えることは、最後は人と人。それをしっかり繋げるのが「笑顔」なんじゃないのかなって感じています。
やっぱり素敵は笑顔には〈チカラ〉※6があるんだなぁとしみじみ思います。 
笑顔で始まり、笑顔で終わる家づくりができたら幸せですね。 
皆様の笑顔を感じ取ってくれる人、皆様を笑顔にしてくれる人。そんな営業さんと出会えることを願っています。


※1 前回は著者が「笑顔」をもらい、そのパワーで多くの人たちが繋がっていけるのではないか、という話でした。
※2 この台詞は「あしたのジョー」最終回でおなじみですね。ホセ・メンドーサとの激闘の後のこの独白。ジョーは生きているのか、それとも本当に燃え尽きてしまったのか、その余韻を引きずり物語は終わるのです。
※3 良い話というのはそれだけで完結しています。なので、横槍を入れたくないのが本音です。良い漫才には良いツッコミが必要ですが、ジンとくる噺にツッコミは邪魔になりがちです。
※4 上棟式とは、竣工後も建物が無事であるよう願って行われる祭祀。柱・棟・梁などの基本構造が完成して棟木を上げるときに行われるのが一般的です。調べてみると、アメリカ・イギリスではトッピングアウトなる上棟式に似た式典があるようです。新居への想いは万国共通だと知り、なぜかホッとするのは私だけでしょうか。
※5 この「初心」の大切さを説いたのが能の世阿弥です。その著である「花鏡」の結びには【初心不可忘(初心忘るべからず)】という有名な言葉が残されています。本来の意味は「段階ごとに経験する芸の未熟さ」の戒めとのことですが、何事にも「慣れ」が心を鈍くしていくことを教えています。編集部一同「初心」を忘れず精進してまいりたいと思います…
※6 何度も繰り返しますが、良い話に注釈は必要ありません。良い話はそれだけで「チカラ」を持つのです。ツッコミが弱いのは決して編集部の怠慢ではありません(多分)。この話が誰かの「チカラ」になってくれることを切に願っております。


山﨑かずお

著者プロフィール

多摩美術大学建築科卒。都内設計事務所勤務を経て、フリーランスの商業建築設計及びグラフィックデザイナーとして活躍。現在は「サラリーマン道」を究めるため、某住宅メーカーに在籍中。

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