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第5回 『色考1』

2015年初のFlip Side Designとなります。今年も読者の皆様よろしくお願いいたします。

前回は筆が走り(正確にはキータッチが走りですが…)規定文字数を大幅に超過してしまい、おもしろい部分をばっさりカットされるという哀しい結果を招いてしまったので※1、今回は文字少なめでカットを回避してみたいと思っております。

さて、今回のテーマですが、編集長からのリクエストを受け「色」について考えてみたいと思います。 「色」というと様々な意味合いがありますね。筆者としては「色っぽい」的な方向が好きなわけですが※2…ここは建築雑誌、襟を正して本道的な内容をお送りしたいと思います。 色というのはデザインの世界・建築の世界でも当たり前のように使われているものですが(世の中そのものがカラーの世界なので当たり前といえば当たり前の話ですが)、筆者から言わせると飛び道具的な存在ですらあります。 学生時代※3には「色」が飛び道具であるということを嫌というほど実感させられる勉強が続くのです。デッサンは当然鉛筆のみでモノトーン※4の世界。デザインの勉強でも最初はモノクロでのデザインから始まります。 それは何故かというと「色」によっていかようにもごまかしが効いてしまうからなのです。まずは色を使わずに表現をしっかり学ぶことによって、基本がつくられていくのです。 そうして、基本ができた上でようやく「色」の使用となるわけですが、その「色」の勉強はもっと大変であります。まずは色の3大要素〈色相〉※5〈明度〉〈彩度〉※6から始まり、カメラマンやデザイナーであれば〈ホワイトバランス〉※7であったり、加法混合・減法混合※8…そして色彩心理学的なものもでてきます。 それらを踏まえた上でプロは様々な提案を出すわけです。決して行き当たりばったりで色を決めているわけでは無いのですね。 ただ「色」が加わることで、構成がメチャクチャなデザインであったりしてもそこに色を入れることで何となく見られるデザインになってしまったりするわけです。ゆえに「飛び道具」という表現を使ったわけです。 飛び道具がゆえに使い方がとても大事。使う以上は知識を持った上でないと危険極まりないわけです。

ひとこと言わせてもらえば、最近の住宅業界は無難な色使いが多すぎるのではないかと感じています。その一方で、デザインにおいてはむやみやたらに色を使い過ぎる、といった二極化が見受けられるようです。

住宅の中で色といえば「クロス」が真っ先に思い浮かびます。 読者の皆様、なんで部屋の壁・天井とも白のクロスがいいんですか?

こんな質問を自分自身に向けられたら「全部白なんて“嫌”です。」と即座に答えるところですが…

建売住宅ならクロスも選びようがありませんが、注文住宅なら当然クロス選定の打ち合わせが入ってきます。 ということは、お客様の要望が入った家が建てられるということです。 プロからの提案であれば上記のように色んな知識を踏まえて「色」が決定されていくわけですが、注文住宅のクロスであればお客様の意思で選ぶケースがほとんどでしょう。 クロスの貼替えはリフォームの中でも一番リーズナブルで手軽にできる部分です。もし気に入らなければ、将来的にリフォームすることも容易です。他の人の家が白だったから白にするというような他力本願的な決め方ではなく、せっかくの注文住宅。自分の意思で決めてみましょう。

次回は「クロスの選び方」についてお話したいと思います。


色

※1 おもしろい部分というのは、えてして編集部に都合の悪い内容であることが多いので、検閲にゴホンゴホン…。
※2 この文章の枕に「編集部一同及び読者の皆さんもわかっているはずが…」と追記しようかと思いましたが、やめておきます。
※3 著者は美術大学で建築を専攻しておりました。詳しくはプロフィールをご覧ください。
※4 英語では「monotone」と表記。〈mono(モノ)〉は『ひとつ』の意味で、〈tone(トーン)〉は『色』になるので「単色」という意味となる。
※5 色相とは「赤、青、緑…」といった色味・色あいの違いを表す。「暖色系・寒色系」に大別される。
※6 彩度とは、「鮮やかさ」のことで、高いほど鮮やかに見え、低いほどグレーに近くなる。明度は、「明るさ」を表し、高いほど明るく、低いほど黒っぽくなる。
※7 一般的に被写体に当たる光の種類に応じて変わる色味を調整して、白いものを白に近い色に仕上げることを指す。
※8 加法混合とは主に「赤・緑・青」の三色で色を表現すること。減法混合はインクなどを塗る場合、シアン・マゼンタ・イエロー(これに黒が加わる)を使うことで表現する。…今回は真面目に解説してみました。


山﨑かずお

著者プロフィール

多摩美術大学建築科卒。都内設計事務所勤務を経て、フリーランスの商業建築設計及びグラフィックデザイナーとして活躍。現在は「サラリーマン道」を究めるため、某住宅メーカーに在籍中。

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