【注文住宅を建てる】知識ゼロでも大丈夫!家づくりを成功させる5つのアイデア

マイホームは、多くの方にとって一生に一度の大きな買い物です。それも「初めて建てる」となれば、「何から考え始めたらいいかわからない」と不安に感じる人も多いはずです。

また、「せっかく建てるなら、後悔のない家を建てたい」と思う人もいるでしょう。 そんな家づくりの一歩を踏み出した人へ向けて、この記事では「家を建てるための基本的な知識」と「家づくりを成功させるための5つのアイデア」を解説します。

さらに、家を建てる際に利用できる補助金や減税制度コストダウンをする方法についても紹介します。理想のマイホームを建てるために、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

IECOCORO編集部
群馬・栃木・宮城・山形で注文住宅の情報誌「IECOCORO(イエココロ)」を発行する編集部。WEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、地域の工務店情報のほか、多数の建築実例とイベント情報を紹介しています。

目次

家が建つまでの流れ

家を考え始めてから、竣工・引き渡しまでには9つのステップがあり、全体で9ヶ月~1年ほどかかるのが一般的です。ただし、土地探しや建築会社の決定に難航したり、間取りやデザインにこだわって打ち合わせの回数が増えたりすると長引くこともあります。個人差があるため、あくまで目安として捉えておきましょう。

そのため「子どもの入園や入学に合わせて、新居での生活を始めたい」など、引き渡しの希望時期がある場合は、早めに家づくりをスタートさせることが大切です。

家を建てるベストなタイミングは?

家を建てる判断基準の1つとして「子どもの成長」が挙げられます。なかでも、家づくりのタイミングは「子どもが小学校に入学する前」が多いそうです。学区に縛られることなく住む地域を選べるほか、教育費などの支出もそれほど多くないため、費用を準備しやすいことが理由です。

また、住宅ローンの観点から考えると、年齢的には「30代前半」が良いタイミングと言えます。ローンの審査では完済時の年齢も重視され、多くの金融機関が70~80歳を基準としています。一般的な住宅ローンの返済期間は35年であるため、余裕を持った返済計画を立てるには最適な年齢と言えるでしょう。

建築会社の種類と特徴

「家を建てる会社」として真っ先に思い浮かぶのは、大手のハウスメーカーではないでしょうか。

しかし、家を建てるときの「依頼先」には、ハウスメーカー以外に工務店設計事務所という選択肢があります。それぞれの特徴を見ながら、自分に合った依頼先はどこか考えてみましょう。

すべてがシステム化された 安心の家づくり

インターネットをはじめ、テレビや住宅展示場など、幅広く広告活動を行って全国に営業展開しています。部材の生産から設計・施工に至るまでシステム化されており、どこで建てても安定した品質と性能の「規格型住宅」を得意としています。

担当者

営業担当、設計者、現場管理と移り変わる。それぞれの担当者に、要望がきちんと伝わるように気を付けたい。

契約方法

設計・施工を一括して「建築工事請負契約」をかわす。設計については「重要事項説明」を受け、設計・監理契約を別にかわすこともある。

工期

部材の工場生産により短期化されている。一般的工期は3ヶ月~4ヶ月ほど。

設計

品質面は安定しており、性能面も信頼できる。ただし、コストダウンのアイデアがあまりない。

コスト

「標準仕様+オプション」というシステムが多く、個性的な家を目指すとコストは高くなる。

保証

瑕疵(かし)保証や定期点検など一般的な保証はクリアしている。また、独自のメンテナンスやサービスを展開していることも。

瑕疵(かし)とは

一般的にきずや欠陥のことを指します。注文住宅の場合は「建てたばかりの家の外壁にひびがある」「住み始めたばかりなのに雨漏りが発生する」など、「住宅として本来備わっているべき性質(品質)が欠けていること」を指します。

瑕疵保証とは、そのような欠陥が見つかった際に、家を施工した業者が施主(建てた人)に対して修繕費用を保証することを言います。

モデルハウスの見学やイベントへ参加しよう

建築会社を探すとき、ほとんどの人はインターネットを利用するでしょう。しかし、写真や動画だけではわからないこともたくさんあります。そこで、気になる会社を見つけたら、モデルハウスやイベントへ足を運んでみましょう。

特におすすめしたいのが、夏や冬のモデルハウス見学です。暑い日や寒い日はエアコンの効き目を確認するのに最適なため、会社ごとの性能への取り組みがチェックできます。断熱性や気密性についてよく知らなくても、実際に肌で感じてわかることもあるでしょう。
また、モデルハウスは、会社が掲げるコンセプトを最もわかりやすく形にしたものです。素材や設備、間取りは「実際に建てるときのお手本」となるケースも多く、さらにプロのコーディネーターによるインテリアや外観の見せ方なども参考になるはずです。

ほかにも、入居前の建物を見学できる「完成見学会」や、専門家のアドバイスが受けられる「相談会」などのイベントを開催している会社もあります。いずれもスタッフと直接話ができるチャンスです。積極的に参加してみましょう。

群馬・栃木・宮城・山形で注文住宅を建てるなら

イエココロのWEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、群馬・栃木・宮城・山形を中心とした工務店情報のほか、モデルハウスやイベントも紹介しています。お近くにお住まいの方は、ぜひチェックしてください。

家を建てる費用の目安

住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査(2022年)」では、家を建てる費用の全国平均は、土地を購入して建てる場合は4,694.1万円持っている土地に建てる場合は3,716.7万円という結果が出ています。

ただし、土地の価格は地域によって大きく異なります。なかでも、東京や都市部は高い傾向があります。土地を探す際は、通勤・通学への影響を考えながら、広い範囲で探すと良いでしょう。

持っている土地に家を建てる場合の注意点

すでに土地を持っている場合、土地代はかかりません。しかし、家を新築する際には「地盤調査」が必要です。この調査で地盤が弱いと診断された場合には、さらに「地盤改良費」がかかります。また、実家を建て替えるケースでは、古い建物を壊す「解体費」が必要になります。

必要な費用をしっかりと把握して、お金の用意を忘れずにしておきましょう。

地盤調査とは

建物を建てる前に、「住宅が建てられる地盤かどうか」を確認するための調査です。地盤が弱い地域に住宅を建てると、地盤沈下や家が傾くなどの危険性があります。2000年の建築基準法改正や住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)などにより、家を新築する場合は原則として地盤調査を行うことになっています。

家を建てる費用については、別記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

家づくりを成功させる5つのアイデア

流れや費用など、家を建てるための基本的ことがわかったところで、ここからは「実際に建てる家をどのように考えていくか」について、5つのアイデアをご紹介します。

これを押さえておけば、初めてでも満足な家づくりができるはずです。

アイデア 1:生活スタイルや家への希望を整理しよう

まずは、家族それぞれの考えを整理することから始めてみましょう。「書斎がほしい」「対面キッチンがほしい」など、はじめは予算や条件などは深く考えずに、楽しみながら自由に意見を出し合うことが大切です。そうすることで、間取り・設備のイメージが少しずつ見えてきます。

「家づくりノート」をつくろう

建築会社と打ち合わせを進めるなかで家族の意見が食い違い、打ち合わせが長引いたり、必要なものが増えて見積もりの金額が高くなったりというケースは多いものです。
そんな事態を避けるために、家族のライフスタイルや要望をまとめた「家づくりノート」の作成がおすすめです。打ち合わせで要望を具体的に伝えられるほか、担当者とイメージの共有ができるため、スムーズに話が進められるでしょう。

家づくりノート作成のポイント
できるだけ多くの考えや要望を書き出す

家族ごとの行動パターンや家での過ごし方、趣味や興味のあることまで、家に対する考えや要望を余すことなく書き出します。なかなか思いつかない場合には、今の住まいへの不満点を挙げてみると必要なものが見えてくるかもしれません。最後に、実現したい順に、要望の優先順位を決めておきましょう。

デザインに関する要望は、ビジュアル化する

雑誌を切り取ってノートに貼り付ける、インターネットやSNSで見つけたお気に入りのデザインを保存するなど、いつでも見られるようにしておきましょう。「カフェみたいな空間」「ナチュラルな雰囲気」などの曖昧な表現では、担当者とイメージの食い違いが起こる可能性があります。画像でイメージを共有すれば、はじめから理想に近い提案を受けられるはずです。

モデルハウスの印象をメモする

モデルハウスの良いところや真似したい部分はもちろん、「自分ならこうしたい」と感じた点をメモしておきます。リビングの広さや雰囲気、水回りの動線、間取りや収納のアイデアは、特にチェックしておきましょう。その後、間取りを考える際の参考になります。

打ち合わせ内容を記録する

打ち合わせには必ず持参して、「誰と、何について、何を決めて、どんなアドバイスをもらったか」を記録しましょう。そうすることで、打ち合わせで起きがちな「言った・言わない」のトラブルを回避することができます。また、気になった点や確認したいことを書けば、次回の打ち合わせに活かすことができます。

デザインのイメージ探しは、イエココロのサイトを活用しよう!

イエココロのWEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、建築実例の写真だけを集めた「フォトギャラリー」を公開しています。「リビング」や「キッチン」などジャンルごとに見られるほか、「クリップ機能」で気に入った画像を保存すれば、あなただけのスクラップノートが簡単に作れます。好みのデザインを探す際に、ぜひ活用してください。

将来の家族の変化を想像する

家づくりノートと並行して、「将来的な家族構成の変化」についても考えると良いでしょう。なぜなら、新築時に必要な間取りや部屋数が、10年、20年経ったあと、今と同じように使いやすいとは限らないためです。

特に「子ども部屋」は、成長を見越した計画が必要です。新築時に人数分の個室をつくっても、数年間使わないことはよくあります。そのため、はじめはスペースを広く確保しておき、個室が必要になったら「可動式の間仕切り」で分けるというのも1つの手段です。大がかりなリフォームが不要で、子どもが独立したあとにも間仕切りを取って別の用途に使えるなど、将来にわたって無駄なく活用できます。

「何年経っても暮らしやすい家」は、「暮らしの変化に柔軟に対応できる家」とも言えます。建てる前から、未来への準備をしておきましょう。

アイデア 2:土地の形から家を考えよう

家を建てる時に意識したいのが、土地の形です。形状や位置によって、建物の設計で制限を受けたり、間取りに工夫が必要になったりすることがあります。ここでは、形の整った「整形地」と、変形地と呼ばれる「不整形地」や「旗竿地」、接する道路の位置が特徴的な「角地」と「北面道路」の5つに分けて、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

長方形や正方形など、ある程度形が整っている土地のこと。

メリット
  • 敷地全体を有効に使える。
  • 建物の形状やデザイン・間取りの自由度が高い。
デメリット
  • 立地にもよるが、南道路に面している場合は特に価格が高め。

いくつか良い土地を見つけたら、住環境で重視することと、上記のメリット・デメリットを照らし合わせてみてください。間取りを考える前に、自分が建てる土地の形をしっかり把握しておくことが大切です。

また、変形地に建てる場合、ハウスメーカーでは対応できないケースもあります。依頼先を決めるときには、建てようとしている土地に対応できるか確認しましょう。

土地を探すときはハザードマップも確認

土地を探すときは、立地や周辺環境のほか、その地域で起こりうる災害のリスクも確認しておきましょう。国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」を使えば、簡単に調べられるので、ぜひ活用してください。

アイデア 3:間取りの考え方、つくり方を知ろう

暮らしやすい間取りづくりに必要なのは、各スペースをパズルのように組み合わせることではありません。
まずは全体のバランスを考えながら、家を構成する要素の位置を大まかに決めて、空間を分けていく「ゾーニング」という作業を行いましょう。

ゾーニングが終わったら、「いかにデッドスペースをつくらずに、南に面する部屋を多くするか」を考えましょう。リビングや子ども部屋、寝室などはできるだけ南のゾーンに配置し、北側に階段やトイレ・浴室などを持って行きます。そうすることで、キッチンなどの水回りをまとめることが可能になり、暮らしやすい間取りをつくることができます。

このように考えていくと、建物の中心に廊下を置き、その周囲に各ゾーンを連結させる「中廊下」の採用が、機能的な間取りをつくるための基本だとわかります。中廊下を採用した例を紹介しますので、検討してみてください。

不整形地(変形地)や細長い土地などの場合は、片側一方に廊下を配置する方法もおすすめです。また、「とにかく開放的な家がいい」という人は、廊下を排除して、全てが一体となった空間を考えてみても良いでしょう。

採光(日当たり)の考え方とポイント

日当たりは生活するうえで重要なことの一つです。しかし、間取り図だけでは「日中にどのように光が入るのか」までは想像しにくいものです。

そんなときは、間取り図に方位を書き込み、矢印で太陽の動きを記入してみましょう。日の当たる場所の変化がイメージしやすくなり、自然とリビングや居室の位置を決めることができます。

光が入りにくい家の中心部は廊下や収納、北側には水回りを配置するなど、ゾーニングと組み合わせて、立体的なプランニングも可能になります。

住宅密集地や狭小地で「光」や「風」を採り入れるアイデア

住宅密集地や狭小地において、採光や通風の問題を改善するアイデアを紹介します。

2階リビング

日当たりと風通りが良い2階にリビングを配置する間取りです。周囲の視線が気にならないため、開放的で大きな空間がつくれます。しかし、生活の中心が2階になるため、階段の昇降による身体的負担を考慮する必要があります。将来的なリスクも視野に入れておきましょう。

天窓・FIX窓

屋根部分に取り付ける窓を「天窓」、開閉できない窓を「FIX窓」と言います。建物の中心部や階段に付けることで、暗くなりがちな場所に光を取り込むことができます。

中庭

住宅密集地では、中庭のある「コートハウス」が人気です。中庭から光と風が取り込み、採光と通風の問題を解決します。また、外からの視線を遮れるため、プライバシーの確保もできます。

動線を意識しよう

家での一日の行動や家事をするときの動きを間取り図に現したものを「動線」と言います。部屋の配置や廊下・階段などの移動スペースとのつながりは、快適な暮らしの大事なポイントです。

特に、料理・洗濯・掃除を考えて動線を計画すると、毎日の家事効率を向上させることができます。

そして、この家事動線で最も重要なのが「回遊性」です。「リビングからダイニングキッチン、浴室、トイレと回り、再びリビングへ戻る」という、家中を一巡りできる動線は、使いやすく動きやすいため、多くの住宅で採用されています。

【実例紹介】使いやすさをイメージした収納計画

便利に使える収納も、暮らすうえで欠かせないポイントです。なかでも、玄関・キッチン・洗面脱衣室は「物があふれがちで生活感が出やすい」空間の代表と言えます。ここでは、そんな3か所について使いやすい収納を実現した例を紹介します。

玄関収納

デジモ?モリタ装芸(宮城県)
Houyu Home ホーユーホーム(群馬県)
安孫子建設(山形県)

訪れた人が一番最初に目にする玄関は、人の目に触れることが多いため「きれいな状態を保ちたい」と誰もが思うはずです。そんな悩みは、広い土間収納や大容量のシューズクロークで解決しましょう。靴や傘、コートのほか、スポーツ用品やアウトドアグッズなど、収納するものを考えて必要なスペースを確保しましょう。

パントリー

アカギホーム(群馬県)
アーリーホーム(群馬県)
アルネットホーム(群馬県・埼玉県・栃木県)

食品や備蓄品の保管、調理器具の収納にはパントリーが便利です。キッチンの近くに配置することはもちろん、玄関からパントリーへ直接入れるようにすれば、買い物後の片付けがとても楽になります。家事室としても利用できるようにすると、さらに利便性が良くなるでしょう。

洗面脱衣室・ランドリールーム

初谷建設(群馬県)
松本建設(群馬県)
共栄ハウジング rustic+factory(宮城県)

洗面台の収納を増やすほか、可動棚やクローゼットを設けることでタオルなどをすっきり収納することができます。また、ランドリールームとして広い空間にするのもおすすめです。部屋干しスペースやファミリークローゼットを近くに配置すれば、洗濯の動線が短くなり、家事の負担も軽減できるでしょう。

群馬・栃木・宮城・山形で注文住宅を建てるなら

イエココロのWEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、群馬・栃木・宮城・山形の工務店が実際に建てた「建築実例」を紹介しています。収納計画や間取り、デザインなど、きっと家づくりの参考になるはずです。お気に入りの実例が見つかったら、施工した会社に資料請求してみましょう。

アイデア 4:容積率(延床面積)に含まれない空間を知っておこう

家を建てるときに重要になるのが、「建ぺい率」や「容積率」といった法律上の制限です。この割合に収まるように建てるのが原則ですが、空間によっては容積率に含まれないものもあります。知っておくと設計の幅が広がるため、それぞれの条件を確認しておきましょう。

小屋裏・中2階(スキップフロア)
  • 天井高は1.4m以下であること。
  • 設置する階の1/2以下の床面積であること。
  • 居室ではなく、物置として利用する場合。
ビルトインガレージ・ピロティ
  • ガレージは建物全体の1/5以下の床面積であること。
  • ピロティは、駐車場や庭、通路などの外部空間として利用する場合。
地下室
  • 天井が地盤面から1m以下であること。
  • 床面積が建物の住宅部分の1/3以下であること。
ピロティとは

2階建て以上の建物において、1階全体または一部(バルコニーの下など)を柱だけで構成した壁のない吹き抜け空間のことです。マンションや店舗に多い構造で、エントランスホールや駐車場として活用されます。住宅では、狭小地などの変形地において駐車スペースが十分に確保できない場合に、ピロティを採用することがあります。

小屋裏や中2階(スキップフロア)は、平屋でも立体的な構造をつくれるとあって人気のプランです。ただし、制限を超えてしまうと平屋のつもりが2階建て、2階建てのつもりが3階建てとみなされることがあるため注意しましょう。また、自治体によってスキップフロアの解釈が異なり、制限内であっても1つの階として扱われたり、そもそも設置が認められていなかったりする場合があります。

このようなプランを希望する場合は、事前に設計士に相談すると良いでしょう。

とは?
建ぺい率

「敷地面積に対する建築面積の割合」のことです。建築面積とは「建物を真上から見た時の面積」で、最も広い階の面積を指します。住宅の場合は主に1階を指していると考えて良いでしょう。つまり、建ぺい率とは「その土地に対して、1階はこれくらいの広さで建てられる」ということを示していると言えます。

容積率

「敷地面積に対する延床面積の割合」のことです。延床面積とは、建物の床面積の数値で、2階建ての場合は1階と2階の床面積を合計したものを指します。床が張られない吹き抜けなどは含まれません。

例:敷地面積200㎡(約60坪)・建ぺい率50%・容積率100%の土地に、2階建て住宅を建てる場合
建築面積(1階の広さ)の上限は100㎡(約30坪)、延床面積(1階と2階の合計床面積)の上限は200㎡となります。上限を建てる予定の土地に、希望する家が建てられるか必ず確認しましょう。特に、平屋を建てたい人は注意が必要です。

アイデア 5:「自分に合う依頼先」を選ぼう

建築会社の種類と特徴で述べたように、会社ごとに様々な特徴があります。それぞれのメリット・デメリットを把握して、自分に合った依頼先を選びましょう。ここでは、どの会社がどんな人におすすめか解説します。

ハウスメーカー

  • 一定した品質と性能の「規格型住宅」で、工務店に比べて工期が短い
  • あらかじめ用意されたプランから選択するため、設計の自由度は低い

以上のことから、ある程度決められたプランで建てたい人、または大手メーカーの安心感を重視する人におすすめです。また、事情により短期間で家づくりをしたい人にも向いていると言えます。

工務店

  • 間取りやデザインの自由度が高い
  • 予算の調整がしやすい
  • 土地に合わせた設計や造作家具の製作にも柔軟に対応
  • 品質や性能は会社ごとに差が見られることがある

このことから、限られた予算のなかでも、こだわって家づくりをしたい人におすすめと言えるでしょう。また、建てる予定の土地が変形地の場合には、工務店へ相談してみることをおすすめします。

設計事務所

  • 設計事務所との家づくりは、まさに「オーダーメイド」
  • コストダウンや敷地に合わせた設計など、柔軟な発想と対応力の高さが魅力
  • 工事費に設計料がプラスされるため費用は高め
  • 工事は別途、施工会社との契約が必要

以上より、多少の手間とお金がかかっても、他にはない個性的な家やこだわりの家を望む人にとっては、ベストな選択肢になるでしょう。

最後に、依頼先を決めるうえで忘れてはいけないポイントをご紹介します。

それは「会社の雰囲気や担当者との相性」です。

建築会社との付き合いは、家を建てたあとも何十年と続いていきます。そのため、コミュニケーションのずれがあるようでは、家づくりも上手く進められません。実際に会社に足を運んで雰囲気を確認するほか、「きちんと自分たちの希望が伝わっているか」「それに対して、プロとしての意見や提案はあるか」もチェックしてから、依頼先を決定しましょう。

家を建てるときの補助金や減税制度

新しく家を建てるときには、条件を満たすことで受けられる補助金や減税制度があります。補助金は「全都道府県対象の国からのもの」と「その地域でしかもらえない自治体からのもの」の2種類に分けられます。

国による補助金・減税(令和6年度)

補助金対象・条件
子育てエコホーム支援事業子育て世帯・若者夫婦世帯(※)が対象
高い省エネ性能(ZEHレベル)の新築住宅を取得する
令和6年度 ZEH補助金登録されたZEHビルダーまたはプランナー(ハウスメーカー・工務店)によって、条件に合った住宅を新築する
【ZEH】一戸につき55万円+α、【ZEH+】一戸につき100万円+α
減税条件
住宅ローン減税(所得税)認定長期優良住宅・認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅を新築する
投資型減税(所得税)耐久性や省エネルギー性に優れた住宅を、ローンを利用せずに自己資金のみで取得する
固定資産税、登録免許税、不動産取得税の優遇措置認定長期優良住宅・認定低炭素住宅を新築する
贈与税非課税措置父母や祖父母などの直系尊属から住宅を取得する費用の贈与を受けて、省エネ性能等に優れた住宅を新築する
参考:国土交通省「令和6年度 支援事業一覧」、一般社団法人 環境共創イニシアチブ「ZEH補助金パンフレット
※詳細は各項目のリンク先でご確認ください。

子育て世帯:18歳未満の子を有する世帯、若者夫婦世帯:夫婦のいずれかが39歳以下の世帯

補助金を利用したい場合は、スケジュールや対象・適用条件を必ず確認しましょう。申請期間や受付期間を過ぎないよう注意が必要です。

ZEH、長期優良住宅について
ZEH(ゼッチ)

実質的なエネルギー消費量がゼロ以下になる住宅「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)」のことで「ゼロ・エネルギー住宅」とも言われます。住宅の性能を高めることで日常の消費エネルギー(電気やガス)を減らしつつ、太陽光発電などを用いてエネルギーを創り出すことで「創出エネルギー≧消費エネルギー」を実現します。
エネルギー消費量の削減割合などに応じて、「ZEH」のほか、「ZEH +(ゼッチ プラス)」「Nearly ZEH(ニアリー ゼッチ)」「Nearly ZEH +(ニアリー ゼッチ プラス)」「ZEH Oriented(ゼッチ オリエンテッド)」の5つの種類に分類されます。

参考:資源エネルギー庁「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報公開について – 省エネ住宅

ZEHビルダーまたはプランナー

ZEHを建てることを認定されたハウスメーカーや工務店のこと。ビルダーとプランナーは事業者の業種によって分かれ、建設会社は「ビルダー」、設計事務者は「プランナー」として登録されます。

長期優良住宅

国が定めた長期優良住宅認定制度の基準をクリアし、「長く安心・快適に暮らせる」と認定を受けた住宅のことです。以下の基準を満たすことで認定されます。

  • 長期に使用するための構造及び設備を有していること
  • 居住環境等への配慮を行っていること
  • 一定面積以上の住戸面積を有していること
  • 維持保全の期間、方法を定めていること
  • 自然災害への配慮を行っていること

参考:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅とは

住宅の省エネ性能について

政府は2050年にカーボンニュートラル(脱炭素社会)の実現を目指しており、現在住宅の省エネルギー化が大きな課題になっています。そんななか、2022年に「建築物省エネ法」が改正され、「2025年4月以降に着工する全ての新築住宅に〈省エネ基準〉への適合」が義務付けられました。
つまり、「2025年以降は、省エネ性能が一定の基準以上の住宅しか建てられない」ということです。また、2030年には「ZEH水準以上」に基準を引き上げることも予定されています。

一定の性能をクリアするためには、どうしても費用が高くなります。だからといって、慌てて基準以下の家を建てることはおすすめできません。むしろ、光熱費などのランニングコストや将来的な家の資産価値を考えると、しっかりとした省エネ性能を持つ住宅を建てる方が良いのです。

国土交通省が配布する漫画「待って!家選びの基準変わります」で、家の性能を高める重要性やメリットを学ぶことができます。これから家を建てる人は、ぜひ読んでみてください。

参考:国土交通省「建築物省エネ法について

自治体による補助金

国が実施する制度のほかに、自治体が独自に補助金を出していることがあります。家を建てる予定の自治体で補助金の支給があるか、あらかじめチェックしておきましょう。

また、自治体の補助金については、各自治体の公式サイトに掲載されています。「●●市 補助金 住宅」などのワードで検索したり、補助金制度の情報がまとめられたポータルサイトを利用したりすると良いでしょう。

費用を抑える方法は?コストダウンのコツ

家を建てるための費用を考えるとき、誰でも一度は「少しでも安く建てたい」と思うのではないでしょうか。こだわるほどに高くなるイメージの注文住宅ですが、一方で間取りや素材選びが自由な分、工夫次第でコストを抑えることもできます。ただし、安く建てたいからといって「何でもコストダウンすればいい」というわけではありません。なかにはコストダウンした結果、建てた後に後悔するものもあるため、注意が必要です。

OKなコストダウン

このなかでも、最も楽にできて効果的なのは【1:延床面積を減らす】ですが、減らしすぎると「狭い家」になってしまいます。【6:窓のサイズや数を見直す】に関しても、削りすぎると採光や通風に支障が出ます。

コストダウンは一部を極端に下げるのではなく、設計士と相談して総合的に判断することが大切です。使用する素材や設備のグレードについても妥協点を探りながら、必要のないものから削っていくことを意識しましょう。

NGなコストダウン

NGなコストダウン5選

上記のコストダウンは、生活の質を落としたり光熱費などのランニングコストを上げたりなど、悪い結果を招く可能性が高いものです。「せっかく家を建てたのに、快適に暮らせない」と後悔しないように、安易なコストダウンは避けるようにしましょう。

ここで紹介したコストダウンは、別の記事で詳しく紹介しています。各項目ごとの解説もありますので、ぜひご覧ください。

家づくりに関するよくある質問

家を建てる費用の内訳は?

家を建てる費用は、主に「土地代」「建築費(本体工事費・付帯工事費)」「諸費用」に分けられます。

このうち、建築に必要な「本体工事費:付帯工事費:諸費用」の割合は、「7:2:1」が目安です。例えば、建築費が2,000万の場合は「1,400万円:400万円:200万円」が目安となります。

予算を決める際に配分することで、建物にかけられる費用が明確になります。予算オーバーを防ぐためにも、必ず内訳を把握しておきましょう。

「家を建てる費用」と「諸費用」については、別の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

費用の目安や内訳を知りたい人はコチラ

諸費用について知りたい人はコチラ

家を建てるには、年収がいくらあればいい?

住宅金融支援機構のフラット35利用者調査(2022年)では、家を建てた人の平均世帯年収は600~800万円台という結果でした。ただし、あくまで平均値であり、実際には400~600万円台、さらには400万円未満の人でも多くの人が家を建てています。

また、フラット35には年収の最低基準がないため、所得が低くても借り入れが可能です。そのため、年収を理由に家づくりを諦める必要はありません。

ただし、年収400万円未満の人がフラット35を利用する場合は、返済負担率(年収に占める返済額の割合)が30%以下に制限されます。借入額を減らすためにも、頭金を用意すると良いでしょう。

住宅ローンを組むときのポイントは?

住宅ローンを借りる時に気を付けたいのは、借りられるだけ借りることです。家計の状況を考えずに上限いっぱい借りてしまうと、返済が始まってから「想像以上に負担が重い」ということが起こります。

そのため、住宅ローンの借入額は「無理なく返済できる金額」を基準に考えることがポイントです。

無理なく返済できる金額の目安は「世帯年収の5~6倍」と言われているため、参考にしてください。住宅ローンについては、別の記事で解説しています。ぜひご覧ください。

1,000万円で家は建てられる?

すでに土地を持っている場合には、ハウスメーカーの安価な規格型住宅や、「ローコスト住宅」を得意とする工務店に依頼すれば建てられます。ただし、素材は安価なもの、住宅設備は必要最低限の機能がついたものなど、様々な制限がかかることは理解しておきましょう。

また、土地も含めて1,000万円で建てるのは、非常に難しいと言えます。どうしても予算を用意できないときには、土地も探してくれるハウスメーカーや工務店などに相談してみましょう。

いずれのケースでも、建築を急ぐ理由がなければ、自己資金を用意したうえで住宅ローンを1,000万円借りるなど、ゆとりのある予算計画を立てた方が良いでしょう。

後悔のない家づくりをしよう

家を建てるには、一般的に1年近い時間が必要です。土地探しや依頼先決め、打ち合わせが難航すれば、もっと長引くこともあります。個人差があるため、あくまで目安として捉えてください。子どもの入園や入学など、新生活をスタートさせたい希望の時期がある場合には、早めに家づくりをスタートさせましょう。

家を建てるためには、「家を建てて、どんな暮らしがしたいか」を具体的に考えることが大切です。その際、家族の生活リズムや行動を整理するだけではなく、将来の家族の変化もイメージしましょう。そうすることで、長く快適に住むために必要なものが見えてくるはずです。

長い時間とたくさんのお金がかかる家づくりは、考えることや決めることが多い大変な作業です。しかし、少しでも知識があれば、きっと楽しみながら家づくりができるでしょう。ここで紹介した家づくりのアイデアを活用して、後悔のない家を建ててください。

群馬・栃木・宮城・山形で注文住宅を建てるなら

イエココロのWEBサイト「自慢の注文住宅集めました。」では、群馬・栃木・宮城・山形を中心とした工務店情報やモデルハウス情報のほか、多数の「建築実例」を紹介しています。お近くにお住まいの方は、ぜひチェックしてください。

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